土地ありの状態で家を建てる際の流れ|注意点も合わせて解説
「土地を持っているけど、どのように家を建てていけばいいかわからない」「家を建てるときに注意したほうが良いポイントはあるの?」と考えている人もいるでしょう。
土地なしの場合は、土地探しや業者探しから始める必要がありますが、土地ありの場合は業者探しから始めていきます。
しかし、業者を探した後もしなければいけない手順が多くあるので、どのように進めれば良いか迷ってしまいがちです。
本記事では、土地ありの状態で家を建てる際の流れを紹介します。
家を建てる際の注意点もあわせて解説していくので、最後までご覧ください。
土地ありの状態で家を建てる際の流れ
土地を持っていても、家を建てる際には多くの手順が必要です。
一つ一つ手順を確認しながらおこなわなければいけないので、途中で迷うこともあるでしょう。
スムーズに家を建てるためにも、どのような流れで進めていくのか知っておくことが大切です。
土地ありの状態で家を建てる際は、具体的に以下の手順で進めていきます。
- 予算を検討する
- イメージづくり
- 業者選び
- 間取りプランの提案と見積もりを依頼する
- 仮契約
- 住宅ローンの仮審査
- 工事請負契約の締結
- 着工
- 引き渡し
それぞれの手順を詳しく説明していきます。
予算を検討する
まずは、予算を決めていきましょう。
自己資金はいくら用意できるのか、両親から援助が受けられるのか、住宅ローンを組むべきかどうかなどを決めていく必要があります。
金融機関からいくらくらい借りられるのかは、公式ホームページにあるシミュレーションでおおよその金額を算出できます。
まずはおおまかな金額を把握し、その後金融機関や住宅会社のスタッフに相談してみると良いでしょう。
イメージ作り
ある程度の予算を決めたら、次はイメージ作りに入っていきましょう。
どのような家を建てたいのか、家族で話し合って希望や条件を決めていきます。
この時、絶対に外せない条件と、妥協しても良い条件とで分けておくことがポイントです。
土地によっては希望を取り入れられない場合があります。
また、すべての希望を取り入れるとなると予算オーバーになる可能性も高くなるでしょう。
人によって希望とする条件は異なります。
家族でゆっくり過ごせる広いリビングが欲しいと思っている人もいれば、災害に強い家にしたいと考えている方もいます。
家族で話し合って、妥協できる部分とできない部分で分けながらイメージを膨らませていきましょう。
業者選び
家を建てるためには、業者に依頼する必要があります。
業者には以下の3つの種類があります。
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
ハウスメーカー、工務店、設計事務所ともにそれぞれ特徴が異なるので、自分に合った業者を選ぶことが大切です。
ハウスメーカーとは、全国的に店舗を展開している会社が多く、規格化された住宅を大量に生産している傾向があります。
平均的な家庭に当てはまるような商品を作っているため、大量生産が可能になり、コストを抑えられるメリットがあるのが特徴です。
しかし、カスタマイズする場合は費用が上乗せになり、割高になる可能性があるので注意しましょう。
工務店は地元の中小企業を指していることが多いです。
比較的リーズナブルな金額で家を建てられる可能性が高く、万が一何かトラブルが起きても迅速に対応してくれるのがメリットです。
しかし、品質や性能は企業によって差が出ることがあるため、しっかり見極める必要があります。
設計事務所は、独立した建築家たちがいる組織のことです。
基本的には、設計と監理は自社でおこなうものの、施工は工務店に依頼します。
設計士がいるためカスタマイズがしやすく、オリジナルの家を叶えやすいのがメリットの1つです。
ゼロから作り始めるので、デザインを考える段階で時間がかかってしまいますが、自分たちの希望を組み込んだ家づくりができるでしょう。
それぞれの業者によってメリットとデメリットが異なるので、自分に合った業者を選ぶことが大切です。
間取りプランの提案と見積もりを依頼する
気になる業者を見つけたら、間取りプランの提案と見積もりを依頼しましょう。
この時1社にのみ依頼するのではなく、複数社に依頼することがポイントです。
1つの業者にのみ依頼すると相場がわからず、割高になる可能性があります。
複数の業者に依頼することで適切な相場がわかるので、予算内で納得のいく家づくりができる可能性が高くなります。
また、他社と比べても安過ぎる見積もりを提示された場合は注意が必要です。
すべての費用が見積もりの中に含まれていない可能性があるので、一つ一つの項目をしっかり確認しておきましょう。
仮契約
依頼したい業者が決まったら、仮契約を申し込みします。
業者によって仮契約を設けているところと設けていないところがあるので、事前に確認しておきましょう。
また、仮契約時に申込金が必要になる場合があるので、あわせて確認しておくことが大切です。
仮契約をした後は、具体的に間取りや設備の詳細を決められるようになります。
住宅ローンの仮審査
仮契約を結んだら、住宅ローンの仮審査を受けましょう。
仮審査を受ける際は、間取りプランや見積もりなど用意しなければいけない書類があるので、事前に準備しておいてください。
住宅ローンの審査では年収や年齢、勤務歴だけではなく、これまでの借り入れや現在の借り入れ状況なども確認されます。
住宅ローンの仮審査は約1〜3日で完了することがほとんどです。
工事請負契約の締結
仮契約をした後は、工事請負契約の締結に入ります。
工事請負契約を締結したら、さらに具体的にデザインや間取りなどを決めていきます。
設計者やスタッフと話し合いながら、デザインを煮詰めていきましょう。
また、この時点で住宅ローンの本審査も始まります。
審査に受かったら、住宅ローンの契約もおこないましょう。
着工
いよいよ着工に入ります。
着工に入る前には近隣トラブルを避けるために、挨拶に行きましょう。
業者によっては、近隣住民への挨拶を代わりにおこなってくれるところもあります。
また、着工前に安全祈願のための地鎮祭をおこなうケースもあります。
儀式をおこなうかどうかは依頼した人が決められるため、家族と話し合って決めましょう。
工事中も見学が可能です。
見学時には進歩状況の確認や設備の不備がないかもあわせて確認しておくと良いでしょう。
引き渡し
工事が完了したら引き渡しに移り、入居になります。
立会人とともに、設計図どおりの仕上がりになっているか、不備はないかなどを確認しましょう。
万が一不備が見つかった場合は、指摘して対応してもらうことが大切です。
引き渡し後に不備を指摘すると、費用がかかる場合があるので、引き渡し前に隅々まで確認しておきましょう。
土地ありの状態で家を建てる際の注意点
土地ありの状態で家を建てる際は、以下の注意点があります。
- 計画を立てずに家づくりを進める
- 地盤調査
- 親からの贈与問題
- 業者選びは慎重にする
- 法規制の確認
- 登記情報の確認
- 敷地条件の確認
- 既存建物をどうするか検討する
一つ一つ詳しく解説していきます。
計画を立てずに家づくりを進める
何から始めればいいのかわからないからといって、計画を立てずに家づくりを始めるのは注意が必要です。
最低限の知識がなければ、業者の話を鵜呑みにしてしまったり、予算や条件などの希望をうまく伝えられず良い提案をしてもらえなかったりする可能性があります。
いきなり家づくりを始めるのではなく、まずは情報を集めることが大切です。
インターネットには多くの情報が載っています。
もちろん、インターネットに載っている情報がすべて正しいというわけではありません。
どの情報が正しいのか、どの情報が誤っているのかなどをリサーチしながら判断したうえで、知識を集めていきましょう。
地盤調査
家を建てる際に注意しておかなければいけないのが、地盤の強さです。
日本は地震大国と言われているほど、地震が起こりやすい地域です。
万が一災害が起きたときでも、大切な家族の命を守るために地盤が強いかどうかを確認しなければいけません。
いくら最新の設備や仕様で建設しても、地盤が弱ければ意味はないでしょう。
地盤がしっかりしているからこそ、住宅の耐久性も上がるのです。
地盤の強さを調べるためにも、家を建てる前に地盤調査を行いましょう。
地盤調査で地盤改良が必要になった場合は、改良工事が必要になり、費用が発生します。
地盤の改良工事が必要になったときのことも考えて予算を考えることが大切です。
親からの贈与問題
親から贈与された土地を使う場合は、贈与税や相続税が発生する場合があります。
親であっても土地を譲りうける場合は税金が発生する可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
また、地盤調査もおこなうことが大切です。
業者選びは慎重にする
業者選びは慎重におこなわなければいけません。
業者選びをおろそかにすると通常よりも割高で家を建てることになったり、追加で費用を請求されたりする可能性があります。
1つの会社だけに見積もりを依頼するのではなく、複数の会社に依頼して比較検討することがポイントです。
料金面だけではなく会社の実績や担当者の対応なども確認しておきましょう。
業者の公式サイトにはこれまでの実績が掲載されていることが多いです。
ビフォーアフターの写真を見たり、実績を確認したりなどして、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。
法規制の確認
「法規制」と聞くと難しいイメージがあるかもしれません。
法規制の確認で必要なのは、以下の5つのポイントです。
- 用途地域の種類
- 建蔽率や容積率
- 高さ制限の有無
- 防火規制の有無
- その他の制限の有無
上記のポイントは家を建てる際の面積や高さ、仕様などに関わってくるため、早い段階で確認しておくことが大切です。
登記情報の確認
登記情報では以下のポイントを確認しておきましょう。
- 地目は宅地かどうか
- 面積
- 所有権は誰か
- 抵当権の設定の有無
- 境界線がはっきりしているか
すでに土地を持っている人のなかには、親から相続したケースや、親の土地に家を建てるケースが特に多いでしょう。
その場合は、所有権が誰になっているのか、権利関係は大丈夫かなどを確認する必要があります。
また、境界線がはっきりしているかどうかも重要なポイントです。
境界線が明確になっていないと、将来土地や建物を売却する際にトラブルに発展する可能性があります。
わからない場合は司法書士や弁護士などに相談できるので、活用してみると良いでしょう。
敷地条件の確認
敷地条件では以下のポイントを確認する必要があります。
- 接道方位
- 日当たり
- 風通し
- 地盤の安全性
- 隣家の影や視線
- ライフラインは通っているか
たとえ条件が悪くても、デザイン次第で改善することは可能ですが、希望どおりの仕上がりにならない可能性もあります。
特に、日当たりや風通し、地盤の安全性などは、家を建てるうえで重要なポイントなのでしっかり確認することが大切です。
既存建物をどうするか検討する
既存建物がある場合は、解体して新築にするのか、リフォームするのかを決める必要があります。
解体して新築を建てる場合は、建築費だけではなく解体費もかかります。
どちらも多額の費用がかかるので、予算をオーバーする可能性が高いです。
リフォームをする場合は改修費のみで済みますが、状況によって異なります。
一部分だけではなく全体をリフォームする場合や耐震工事を追加しておこなう場合は、新築を建てる際と費用がほとんど変わらないかもしれません。
新築にするかリフォームするかを迷っている場合は、それぞれの見積もりを依頼すると良いでしょう。
見積もりを比較したうえで新築を建てるのか、リフォームするのかを家族で話し合って決めることが大切です。
まとめ
土地を持っている場合は土地探しの必要がないので、土地なしのケースよりも早く家が建てられるでしょう。
とは言え、予算計画や業者探し、住宅ローンの審査など手順は多いので、一つ一つ確認しながら進めていくことが大切です。
家づくりを進めていくなかでわからないことや不安なことがあれば、遠慮せず担当者に相談しましょう。
疑問点や不安点を解決せずに進めると、後から「こんなはずではなかった」というトラブルを招く可能性があります。
後悔しない家づくりをするためにも、気になる点は小さなことでも相談して解決することが大切です。
また、家を建てる際に一番重要なのは業者選びです。
なかには悪徳業者も存在しています。
悪徳業者に騙されないためにも、気になる業者を徹底リサーチしましょう。
会社の実績だけではなく、実際に利用した人の口コミも参考にしてみると良いでしょう。
しかし、ネットの口コミサイトに投稿されているコメントには偏見の意見もあるので、注意してください。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.style-system.net
- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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