土地なしで家を建てる流れとは|家を建てる際の注意点も解説
土地なしで家を建てる流れとは|家を建てる際の注意点も解説
憧れのマイホームを建てたいけど、土地がない場合は何から始めれば良いか迷っている人もいるでしょう。
何から手をつければいいのか、土地探しはどのように始めればいいのかなど疑問は次々と出てきがちです。
手順を間違えるとスムーズに家づくりが進まなかったり、納得のいく家づくりができなかったりする可能性があります。
本記事では、土地なしで家を建てる際の流れを詳しく解説していきます。家を建てる際の注意点もあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
土地なしで家を建てる流れ
土地なしで家を建てる流れは以下のとおりです。
- 土地と建物の予算を検討
- 具体的なイメージを考える
- 土地探し
- ハウスメーカーを選ぶ
- ハウスメーカーに間取りプランの提案と見積もりを依頼する
- 住宅ローンの事前審査を受ける
- 土地の売買契約&地盤調査をおこなう
- 工事請負契約の締結
- ローンの本審査を受ける
- 土地の引き渡し
- 建物の引き渡し
土地なしの場合は、土地ありのケースと比べると手順が増えるので、一つ一つ確認しながら行動することが大切です。
それぞれの流れについて、ポイントもあわせて解説します。
1.土地と建物の予算を検討
まずは、土地と建物の予算を考えましょう。
ここで言う「予算」とは、自己資金+住宅ローンを合わせた金額のことです。
現在自分たちにどの程度の貯蓄があるのか、両親からの援助などは受けられるのかなどを考えて、自己資金額を算出しましょう。
また、自己資金額に加えて、住宅ローンの借り入れ額も確認しておくことが大切です。
自分たちがどの程度借り入れできるのかは、金融機関のホームページでシミュレーションができるので、利用してみると良いでしょう。
土地を購入する際は、「手付金」などを早い段階で支払わなければいけない場合があります。
土地なしで家を建てる際は、ある程度の自己資金額を用意しておくことが重要なポイントです。
予算合計額が決まったら、土地と建物のそれぞれにかけられる金額を決めていきましょう。
予算を振り分けた際に、土地や建物それぞれに5%程度の初期費用がかかることも意識して予算配分を決めると、予算をオーバーする可能性が減るのでおすすめです。
2.具体的なイメージを考える
予算配分を決めたら、具体的な家づくりのイメージを決めていきましょう。
- 間取り
- 外観
- 構造
- 階数
- 性能
- その他
例えば間取りなら、一人一人の時間を大切にしたいのか、家族みんなでゆっくり過ごせる空間を作りたいのかによっても、大きくデザインが異なってきます。
また、災害に強い家を作りたいのか、一年中快適に過ごせる家にしたいのかなど、人によって重点を置くポイントは異なります。
家族と話し合いながら、どのような家づくりをしたいのか具体的なイメージを煮詰めていきましょう。
3.土地探し
次に土地探しに入ります。
インターネットでは多くの土地情報が掲載されているので、まずはネットで探してみると良いでしょう。
不動産情報サイトで、希望の条件を入力して検索することで理想の土地がずらっと表示されます。
その中で、めぼしいものを複数カ所メモしておきましょう。
インターネット上では素敵な土地に見えても、実際に見た時はイメージと異なる場合があります。
周辺環境や人通り、交通量、日当たり、騒音など、実際に見てみなければ分かりません。
めぼしい土地を見つけたら、実際に足を運んでどのような土地なのか自分で確かめることが大切です。
4.ハウスメーカーを選ぶ
次に家づくりを依頼する業者を探します。
家づくりを依頼できる業者は、ハウスメーカー、地元工務店、設計事務所の3種類があります。
ハウスメーカーでは、建築資材をある程度加工していることが多いため、安定した品質を期待できるのが特徴です。
地元工務店の場合は、地域密着型でサービスを提供しているため、比較的自由度の高いプランニングがしやすいです。
何かトラブルがあった際も、迅速に駆けつけてサポートしてくれるでしょう。
設計事務所ではプランニングの自由度が高く、細かいところまでこだわった家づくりができます。
具体的な家のイメージを考えたときに、「自分たちならではの家を作りたい」「細部までこだわりたい」という人におすすめです。
5.ハウスメーカーに間取りプランの提案と見積もりを依頼する
依頼する業者が見つかったら、間取りのプランの提案と見積もりを依頼します。
土地の面積や道路の方角などにより、建てられる家は異なります。
あらかじめどのような家を建てたいのか、どの希望を最優先にしたいのかを紙などにまとめておくと良いでしょう。
また、最初の段階では1つの業者に絞るのではなく、複数の業者に提案することが大切です。
複数の業者に間取りプランの提案をし、見積もりを依頼することで、料金や接客対応などの比較ができます。
6.住宅ローンの事前審査を受ける
住宅ローンを利用する際は、土地を購入する前に事前審査を受ける必要があります。
事前審査では、間取りプランや見積もりを金融機関に提出するのが一般的なので、あらかじめ用意しておきましょう。
基本的に事前審査にかかる日数は、1〜3日程度です。
7.土地の売買契約&地盤調査をおこなう
住宅ローンの事前審査に受かったら、土地の購入に移りましょう。
土地の売主に「買い付け申込書」を提出し、売買契約を結びます。
売買契約を結ぶ際は、買取金額の5〜10%程度の手付金が必要になるので、事前に確認しておきましょう。
その他にも、不動産業者に支払う仲介手数料や印紙代などが必要になるので、事前に支払う金額の総額をあらかじめ明確にしておくことが大切です。
また、あわせて地盤調査もおこないましょう。
地盤調査の結果によっては、地盤が弱い場合は強化させたり、建築プランを考え直したりしなければいけない場合もあります。
8.工事請負契約の締結
業者と打ち合わせを重ねたうえで、納得のいくプランが決まったら工事請負契約の締結をおこないます。
工事請負契約書の内容や設計図、見積書などを隅々まで確認することが重要なポイントです。
自分の希望がプランの内容に反映されているか、設備に間違いはないかなどを確認しておきましょう。
9.ローンの本審査を受ける
契約を交わしたら、住宅ローンの本審査を受けましょう。
本審査を受ける際は、以下の書類を金融機関に提出する必要があるので事前に準備しておいてください。
- 工事請負契約書
- 土地の売買契約書
- 建築確認書の写し
ローンの本審査にかかる時間は、約1ヶ月程度です。
10.土地の引き渡し
本審査に受かったら、本格的に家づくりが始まっていきます。
まずは土地を購入し、工事請負業者に引き渡します。
家が完成するまでには約3〜6ヶ月程度かかるのが一般的です。
工事中も見学が可能なので、実際に目で見ながら、気になる点や疑問点があったら相談してみましょう。
もし、追加したい要望がある場合は早めに相談することが大切です。
11.建物の引き渡し
建物が完成したら、引き渡しに移ります。
担当者や現場監督者の立ち会いのもと、隅々まで確認を行っていきます。
万が一問題を見つけた場合は、迅速に対応してもらいましょう。
引き渡した後に修理を依頼すると費用がかかる可能性があるので、引き渡し前の段階でしっかり確認しておくことが大切です。
なかには「これぐらいなら大丈夫だろう」と思って、問題箇所を放置してしまうケースもあります。
小さな傷でも劣化が進めば、大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
将来のトラブルを避けるためにも、小さな問題でも見つけたら業者に対応してもらいましょう。
何も問題がなければそのまま残りの建築費用を支払い、入居になります。
土地なしで家を建てる際の注意点
土地なしで家を建てる際は、以下の注意点があります。
- 予算配分を慎重に検討する
- 土地次第では希望が叶えられない場合もある
- 土地探しとハウスメーカー探しは同時におこなう
- 追加工事が必要な土地かどうかを確かめる
それぞれの注意点を詳しく解説します。
予算配分を慎重に検討する
予算配分を検討する際は、土地と建物のバランスを考えながら決めていくことが大切です。
土地と建物には、5%程度の諸費用がかかる場合が多いです。
また、建物は建築費だけで建つものではありません。
外構工事や諸費用などで5〜10%程度費用が上乗せされる場合もあるので、その面も注意しながら予算配分を決めることが大切です。
土地次第では希望が叶えられない場合もある
家庭によって希望の条件は異なるでしょう。
例えば、家族みんなが広々と暮らせる家にしたいと思っている人もいれば、庭を設けたいと思っている人もいます。
しかし、必ずしも希望が叶うわけではありません。
土地周辺の環境や面積、方位、奥行きなどの影響によって、希望が叶えられない場合もあるのです。
また、接道の方位によって玄関の位置が限定されたり、周辺環境や隣家との距離によって窓の位置も自由に決められない場合があります。
気になる土地を見つけたら、まずは希望の条件を業者に伝えてラフプランを作ってもらうことがおすすめです。
希望の条件が叶えられるかどうかを確認してから、土地を購入すれば失敗するリスクを減らせるでしょう。
土地探しとハウスメーカー探しは同時におこなう
できるだけ、土地探しとハウスメーカー探しは同時におこなうようにしましょう。
同時に探すのは大変ですが、土地探しを先にすると希望の土地を見つけてもハウスメーカーが見つからず、他の人にとられてしまう可能性があります。
自分にとって良い土地が見つかるかどうかは、運次第とも言えます。
せっかくのタイミングを他の人に取られないためにも、スムーズに行動できるように準備を整えておくことが大切です。
追加工事が必要な土地かどうかを確かめる
土地によっては追加工事が必要なケースがあります。
設備は整っているのか、外構工事の手間はどれくらいかかりそうかなどを確認しておきましょう。
地盤改良工事が必要な場合は、100〜200万円の費用が追加されることもあります。
予算を計画していても追加工事の内容次第で、予算をオーバーすることもあるので、土地の状態は念入りに確認しておくことが大切です。
土地なしで家を建てる際に費用を抑えるコツ
家を建てる際は多額の費用が必要になるので、少しでも費用を抑えたいと思っている人もいるでしょう。
費用を抑えるポイントは2つあります。
- 優先順位を決める
- 相見積もりを取って比較する
それぞれのポイントを詳しく説明していきます。
優先順位を決める
まずは、優先順位を決めましょう。
憧れの家のイメージがあるかもしれませんが、すべての希望を取り入れることは難しいです。
すべての希望を取り入れるとそのぶん費用が高くなってしまうので、予算もオーバーしてしまうでしょう。
特に注文住宅の場合は、妥協できる部分とゆずれない部分を話し合って決めておくことが大切です。
具体的な家のイメージを考えるときに、まずはゆずれない部分とできれば加えたい希望で分けて考えてみると良いでしょう。
相見積もりを取って比較する
業者に依頼する際は、1つの会社だけではなく、複数の会社で相見積もりを取ることがポイントです。
1つの会社だけに見積もりを依頼して、契約すると相場が分からないので、割高になっている可能性もあります。
複数の会社に見積もりを出してもらうことで、適切な相場がわかりやすくなります。
相場に合っているかを確認したうえで、予算やサービス内容などもあわせて比較してみましょう。
接客対応の仕方も重要なポイントです。
強引に商品を勧めてくることはないか、予算内で希望を反映できるようにサポートしてくれるかなどを確認してみましょう。
また、業者を選ぶ際は実績や実際に利用した人の口コミを参考にしてみるのもおすすめです。
業者の公式サイトにはこれまでの実績が掲載されていることが多いです。
どのような工事を実施したのか、どのような間取りの家を建てたのかなどを、写真を見ながら参考にしてみると良いでしょう。
口コミを調べる際は、公式サイトではなくネットの口コミも参考にしてみると良いです。
ただし、ネットに投稿されている口コミは片言の意見もあるので、鵜呑みにしすぎないようにしましょう。
まとめ
一生のお買い物とも言われているマイホーム。土地なしで購入するとなると、土地探しから始めなければいけないので、手間が増えるでしょう。
土地なしで家を建てる際に注意したいのは、土地の状況や環境を念入りに確かめることと、信頼できる業者に依頼することの2つです。
インターネット上には多くの土地情報が掲載されていますが、実際に見てみなければ本当の状況は分かりません。
気になる土地が見つかったら、実際に足を運んで周辺環境や土地の状況などを確認してみると良いでしょう。
また、条件の良い土地は売れやすいです。
良い土地だと思ったら、すぐにハウスメーカーに間取りの提案を出して、行動することが大切です。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
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- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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