【住宅購入は事前準備が鍵】決めるべきことや流れ、費用を解説!
「家を買いたいけど、何をどうしたら良いのかわからない」という悩みを抱える人は少なくありません。
多くの人が一生に一度きりである住宅購入は、馴染みのない法律や手続きが多く、漠然とした不安が生まれやすいでしょう。
住宅購入で大切なことは、やるべきことや全体の流れを把握して、事前に準備をしておくことです。
この記事では、住宅購入の流れや決めるべきこと、必要な費用について解説します。
知識を付けて、不安や後悔のない住宅購入にしましょう。
住宅購入の流れを知る
住宅購入は非常に大きな買い物であるため、じっくり時間をかけて考えていくことが大切です。
まずは、今やるべきことを知るために、家を買う際の大まかな流れを把握しましょう。
購入条件を決める
住宅購入を考え始めたら、はじめに家の購入条件を家族で話し合いましょう。
ライフプランとあわせて考えることで、それぞれの家庭に最適な条件が導き出されます。
余裕のあるスケジュールで動くためにも、購入条件は早めに考えることが大切です。
家を買いたい時期が決まっている場合は、遅くとも希望時期の1年前までには考えておくと良いでしょう。
決めるべき具体的な条件については「家を探す前に決めること」の章で解説します。
不動産会社・ハウスメーカーに相談する
家の購入条件が決まったら、不動産会社やハウスメーカーに相談します。
相談してすぐに購入する家が決まるわけではないため、住宅購入の希望時期から半年前までには動きましょう。
不動産会社に相談する場合、大手の不動産会社と地域に根付いた不動産会社のどちらにも相談することで、より多くの家を紹介してもらえます。
ハウスメーカーに相談する場合は、住宅展示場に行き様々なハウスメーカーの話を聞くと、比較検討しやすいです。
実際に見学する
希望条件に合う家が見つかったら、実際に家を見学しに行きます。
注文住宅の場合は、家を建てるための土地を見に行きます。
見学の際は人通りや車の多さ、騒音の程度など、図面には書いていない住環境を確認することが大切です。
住宅の購入希望を出す・ローンの仮審査
購入する家が決まったら、家の売主に対して購入の意思表示をするのと同時に、ローンの仮審査を行います。
家を購入する際に住宅ローンを利用する人は多いでしょう。
住宅ローンが組めない場合は購入代金を支払えないため、家の売買契約を結ぶ前にローンの仮審査を受ける必要があります。
ローンの仮審査は、金融機関から指定された必要書類を用意して申し込み、3日〜4日ほどで結果が出ます。
売買契約を結ぶ
ローンの仮審査が無事に通過し、家の売主から認められたら、売買契約を結びます。
契約書には家の購入に関わる重要な情報が記載されているため、内容をよく読み、認識と相違がないかを必ず確認しましょう。
専門用語も多く使われているため、わからない箇所があれば納得できるまで不動産会社に確認したうえでサインすることが大切です。
ローンの本審査
売買契約を結んだら住宅ローンの本審査を受けます。
仮審査と同様に、必要書類の提出が必要です。
印鑑証明書や源泉徴収票、住民票など事前に準備が必要な書類も多くあるため、早めに動きましょう。
収入や職業など様々な観点から、ローンの返済能力が審査されます。
審査期間は仮審査よりも長く、1週間〜2週間ほどです。
金融機関と金銭消費貸借契約を結ぶ
住宅ローンの融資が決定したら、金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。
金銭消費貸借契約の契約書には、融資の金額や返済期間など、住宅ローンを返済するための条件が記載されています。
住宅ローンは金額が大きく、数十年かけて返済する人も多いため、サインをする前に必ず内容を確認しましょう。
引き渡し
最後に家の引き渡しです。
家の代金の支払いや、登記を手伝ってくれた司法書士への報酬など、家の引き渡し時には多くの費用の精算が発生します。
住宅購入にかかる費用については、後ほど「住宅購入にかかる費用と支払いのタイミング」の章で解説します。
家を探す前に決めること
家を探す前に決めるべきことは、家の購入条件です。
決めるべき条件を1つずつ解説します。
どんな条件にもメリットとデメリットがあるため、家庭に合わせた条件を決めることが大切です。
どこに住む?
家を購入する、もしくは建てる地域を決めましょう。
どこに住むかは、自治体の行政サービスの内容や、住環境をメインに考えてください。
行政サービスによっては、子育て支援や様々な助成金があるため、生活に寄り添ってくれる自治体を選ぶことが大切です。
気になる地域があれば、自治体のホームページから行政サービスを確認してください。
住環境については、以下のように大きな枠組みから順に考えていきます。
・利便性が高い都心か、自然が多い郊外か
・人通りが多く明るい市街地か、閑静な住宅街か
・職場や学校、実家との距離の優先順位はどうか
・スーパーや病院など、よく利用する施設からの距離はどうか
完璧な住環境の家はなかなか見つからないので、優先順位を付けておくことも大切です。
どんな家に住む?
間取りや階数、家の外と中のデザインなど、どんな家に住むかを決めます。
子供の人数や親との同居など、ライフプランに沿って考えることが大切です。
家を購入した後の生活を具体的に想像すると、家のイメージが湧いてくるでしょう。
・子供の成長に合わせて部屋を区切るために、間仕切り壁を設置しておく
・高齢の親と住む場合や、自分たちの将来を考えてバリアフリー設計にする
・自宅兼店舗にするために動線を工夫する
どんな家に住みたいかによって「一戸建てかマンションか」「建売住宅か注文住宅か」などの条件も決まってきます。
一戸建て?マンション?
一戸建てとマンションのどちらにするかを決めましょう。
それぞれのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【一戸建てのメリット】
・敷地内すべてを自由に使うことができる
・住宅街だと静かな環境で暮らせる
・足音を気にする必要がない
【一戸建てのデメリット】
・修繕やリフォームなど、すべてが自己管理になる
・セキュリティ対策が必要
・駅から遠いことが多く、利便性が低い
【マンションのメリット】
・外壁や廊下などの共用部分は、管理会社が管理してくれる
・オートロックなどのセキュリティ設備が充実している
・駅から近いことが多く、利便性が高い
【マンションのデメリット】
・管理費や修繕費の支払いが必要
・部屋の使い方に制約がある場合が多い
・上下階の足音が気になったり、こちらが気を使うこともある
建売住宅?注文住宅?
建売住宅とは、既に建てられた家と土地がセットで売られているものです。
一方で注文住宅は、希望のデザインや間取りを注文して建ててもらいます。
建売住宅と注文住宅のメリットとデメリットは以下のとおりです。
【建売住宅のメリット】
・注文住宅に比べて購入価格が安い
・実際に見てから決めることができる
・すぐに住み始められる
【建売住宅のデメリット】
・同じような外観の家が並んでいることが多い
・デザインや間取りを決めることができない
・建築の過程や土地を見ることができない
【注文住宅のメリット】
・デザインや間取りを自由に設計できる
・土地の状態や建築過程を見ることができる
・ハウスメーカーや施工業者を選べる
【注文住宅のデメリット】
・建売住宅に比べて、購入価格が高い
・購入前に仕上がりを見ることができない
・土地探しや建築期間が長く、すぐに住み始められない
新築?中古?
新築物件を購入するか、中古物件を購入するかについても考えましょう。
メリットとデメリットは以下のとおりです。
【新築のメリット】
・建物が新しいため気持ちが良い
・最新の設備が揃っており、省エネ機能が期待できる
・当分の間は修繕の必要がない
【新築のデメリット】
・中古に比べて購入価格が高い
・注文住宅の場合は実際に見て決めることができない
・エリアが限定されている
【中古のメリット】
・新築に比べて購入価格が安い
・物件数が多い
・建物の価値を判断しやすい
【中古のデメリット】
・購入後すぐに修繕やリフォームが必要な場合がある
・古い物件は耐震性が低い可能性がある
・最新設備を取り付けられない可能性がある
家を買うタイミングは?
家を買う目的を考え、適切な購入タイミングを見極めることも重要です。
・結婚や出産、子供の進学などのライフイベントに合わせる
・昇進や昇給、転勤など仕事の区切りがつくタイミングに合わせる
・補助金や節税の観点で、最適なタイミングに合わせる
住宅購入にかかる費用をきちんと計算して、貯蓄金額や収入と比較したうえで、家を買うタイミングを計画することも大切です。
次の章では、住宅購入にかかる費用や支払いのタイミングについて解説します。
住宅購入にかかる費用と支払いのタイミング
住宅購入には、家の代金以外にも、家の代金の5〜10%ほどの諸費用がかかります。
決して安い金額ではないので、どのような費用がかかるのかを知っておくことが大切です。
支払いのタイミングについても、あわせて解説していきます。
家の代金
まずは家の購入代金です。
家の購入代金を支払うタイミングは、2回に分けられます。
1回目の支払いは、売買契約を結んだ時です。
手付金として一般的に購入代金の5%〜10%を支払います。
2回目の支払いは、家の引き渡しの時です。
家の購入代金から手付金を引いた残金を精算します。
仲介手数料
仲介手数料は、家の売主との間を取り持ってくれた不動産会社に対するお礼金です。
支払いのタイミングは、売買契約を結んだ時と、家が引き渡される時の2回に分けられます。
仲介手数料の上限額は法律で決められており、計算式は以下のとおりです。
( 土地の価格 × 3% + 6万円 ) + 消費税
基本的に上限額で請求されますが、値引きキャンペーンを行っている不動産会社もあります。
印紙税
印紙税は、家の売買契約や住宅ローンの契約の際にかかる税金です。
契約書に規定の金額の収入印紙を貼り、収入印紙が消印されることで納税が完了します。
印紙税は取引金額や内容によって税額が変わるため、国土交通省のホームページから確認しておきましょう。
住宅ローンにかかる諸費用
住宅ローンを組んで家を購入した場合、引き渡しのタイミングで事務手数料と保証料、火災保険料を支払います。
事務手数料は、住宅ローンの事務手続きに対する手数料で、金融機関に支払います。
保証料は、ほとんどの金融機関が利用必須としている保証会社にかかる費用です。
保証会社は、ローンの返済が滞ってしまった場合に一時的に立て替えてくれます。
火災保険とは、火災や自然災害によって建物や家財に損害が出た場合に、補填してくれるものです。
保証会社と同様に、多くの金融機関が火災保険への加入を必須としています。
修繕積立基金
修繕積立基金は、マンションの大規模修繕のための費用です。
新築のマンションを購入した場合に必要な費用で、部屋が引き渡されるタイミングで支払います。
修繕積立基金の相場は20万円〜80万円と幅広く、マンションが建っているエリアや部屋の広さなどによって金額が変わります。
登録免許税
登録免許税は、家の引き渡しの際に、所有権を登記する費用として支払います。
所有権の登記とは、登記簿に書いてある所有者を自分にすることです。
建物の購入にかかる登録免許税の額は、新築と中古で異なります。
また、住宅ローンを組む際にも、抵当権を設定するための登記で登録免許税がかかります。
専門家への報酬
住宅購入には、司法書士と土地家屋調査士の力が必要です。
土地が引き渡されるタイミングで、それぞれに報酬を支払います。
司法書士は、登記を中心とした法律の専門家です。
家の所有権の登記や、住宅ローンを組む際の抵当権設定にかかる登記の手続きを行ってくれます。
登記申請書の作成や法務局への提出など、スムーズで安全な売買取引には欠かせない存在です。
報酬額は、一般的に5万円〜10万円ほどになります。
土地家屋調査士は、土地や家の調査や測量を行う専門家です。
とくに一戸建てを新築する場合、登記のために建物を調査する必要があるため、土地家屋調査士に依頼することになります。
報酬額の相場は8万円〜10万円ほどです。
固定資産税
固定資産税は、家を所有している人が支払う税金です。
家を購入した年の固定資産税は、既に売主が支払っています。
売主が払いすぎた分の固定資産税は、家の新たな所有者が売主に支払います。
支払いのタイミングは、家の引き渡しの時です。
都市計画税
都市計画税は、市街化区域にある家を購入した場合に、固定資産税と同じタイミングで支払います。
市街化区域とは、すでに市街地を形成していて栄えている区域、もしくはこれから開発予定の地域のことです。
都市計画税は、道路整備などの都市計画事業に使われます。
不動産取得税
不動産取得税は、不動産を取得したことに対してかかる税金です。
家の引き渡しから半年ほど経つと、都道府県から納税通知書が届きます。
軽減措置もあるため、適用されるかどうか事前に確認しておきましょう。
リフォーム費用
中古物件を購入する場合、リフォームを行う人は少なくありません。
物件の引き渡し後にリフォーム会社に依頼するのが一般的です。
リフォーム費用は施工箇所や内容により大きく変わりますが、マンションだと500万円、一戸建てだと1000万円を超えることもあります。
住宅ローンにリフォーム費用を組み込むこともできるため、希望があれば金融機関に相談しましょう。
まとめ【事前準備はお早めに】
家を買うためには、決めるべきことや手続きがたくさんあります。
法律や税金など馴染みのないことが多いため、難しく感じてしまうかもしれませんが、1つずつ時間をかけて理解していくことが大切です。
一生に一度の住宅購入に、焦りは禁物です。
不安を解消し、後悔のない住宅購入にするためには、早い段階から事前準備を行いましょう。
事前準備をするなかでわからないことがあれば、不動産会社などのプロにも相談してみてください。
ブログ:
中原スマイル日記
千葉 雅恵
- 所属会社:
- 株式会社スマイルパートナー
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.smile-partner.co.jp
- 保有資格:
- 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、NPO法人相続アドバイザー協議会、認定会員(上級アドバイザー)
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