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家・住宅購入コラム

22年上半期の首都圏中古戸建て住宅市場

22年上半期の首都圏中古戸建て住宅の成約戸数は6992戸で、21年上半期の過去最高水準と比較すると減少したものの、決して低い水準ではありません。成約戸数は15年上半期以降6000戸を上回って推移している中、20年上半期には新型コロナウィルス感染症の影響によって一時期的に低下しましたが、直後の20年下半期には7375戸にまで回復しました。更に、21年上半期には8293戸となり、過去最高水準となりましたが、21年下半期には再び7143戸まで減少しました。一方、22年上半期の平均成約価格は3707万円で、4四半期連続上昇し、11年以降の最高水準となりました。
地域別でみると、東京都は成約戸数が2186戸で、平均成約価格が5271万円です。神奈川県は成約戸数が1905戸、平均成約価格が3837万円。千葉県は成約戸数が1417戸、平均成約価格が2388万円。埼玉県は成約戸数が1481戸、平均成約価格が2497万円となっており、どの地域も首都圏同様に、成約戸数は21年上半期の過去最高水準より減少しましたが、平均成約価格は11年以降の最高水準となりました。

新型コロナウィルス感染症の影響で在宅勤務が普及・拡大している中、自宅で過ごす時間が増えているため、スペースに余裕のある戸建て住宅が注目され、通勤の利便性を犠牲にしても首都圏近郊や郊外の広い戸建て住宅を求める需要が確実に増えています。
この背景の下、21年の首都圏の中古戸建て住宅の在庫量は1万3157戸であり、05年以降の最低水準となりました。22年に入ってからも減少傾向が続いており、22年6月には1万2860戸で、前年同期より9.2%も減少しました。地域別で見ても、東京都は4003戸(同9.9%減少)、神奈川県は3192戸(同10.7%減少)、千葉県は2806子(同9.0%減少)、埼玉県は2859戸(同6.6%減少)であり、共に近年の最低水準となりました。
生活スタイルの変化による戸建て住宅の需要が高まったことが大きな理由であることは明白ですが、戸建て住宅価格の割安感と品質保証等の市場環境の変化も成約量が増加した大きな要因になったと考えられます。「ウッドショック」によって新築戸建て住宅の価格高騰や工期遅延が起きており新築戸建て住宅の供給が絞られている中で、中古戸建て住宅は堅調に推移しています。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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