建売住宅の相場はどのくらい?注文住宅と何が違う?【データで比較】
子どもが産まれて大きくなっていくにつれて、今の家が手狭に感じてきますよね。
「注文住宅は高そう。建売住宅の相場はどのくらいだろう?」
「注文住宅と建売住宅では、どのくらい価格差があるんだろう?」
「エリアによってどのくらい相場が変わるんだろう?」
「一戸建てを買う人はどのくらいの収入なんだろう?」
一戸建てマイホームの購入を検討すると、このような疑問が次々と出てきますよね。建売住宅も注文住宅もそれぞれにメリット・デメリットがあり、単純に価格だけで比較できない部分もたくさんあります。
本記事ではこのような疑問にお答えするために、東京都内の建売住宅の相場、注文住宅との違いや価格差を中心に、他の大都市圏の相場との比較などを統計データを基にまとめました。マイホーム購入の検討材料にしてもらえればと思います。
建売住宅の相場
建売住宅の相場は「同じエリアの注文住宅」に比べてかなりリーズナブルな傾向にありますが、相場は年々上昇しています。
ここでは2021年度の統計データを基に、首都圏の相場とその他の大都市圏、全国平均を比較してみました。
首都圏の建売住宅の相場
なお、ここで言う「相場」とは、実際に成立した売買契約の平均値です。販売価格は言ってみれば売り手の言い値ですし、長期間売買が成立しなければ適正価格ではない可能性もありますよね。
住宅金融支援機構が調査してまとめた統計データによると、2021年度の首都圏の相場は以下のとおりです。
●首都圏の相場:4,133万円
●建物の床面積:107.2㎡
●敷地面積 :115.7㎡
※出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
価格は2012年を境に上昇傾向にあり、床面積はほぼ横ばいという結果でした。なお、建売住宅の価格だけが上昇しているわけではなく、注文住宅もマンションも同じような傾向にあります。
他の大都市圏の建売住宅の相場との比較
全国的に見て首都圏が高いのは想像に難くありませんが、他のエリアとどのくらい差があるのでしょうか。首都圏以外の大都市圏の相場と比較してみました。
エリア | 価格 | 床面積 | 敷地面積 |
首都圏 | 4,133 万円 | 98.0 ㎡ | 115.7 ㎡ |
近畿圏 | 3,578 万円 | 102.8 ㎡ | 110.4 ㎡ |
東海圏 | 3,139 万円 | 106.1 ㎡ | 156.4 ㎡ |
全 国 | 3,605 万円 | 101.8 ㎡ | 134.7 ㎡ |
出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査)
これも建売住宅に限った話ではありませんが、価格は土地の値段に大きく左右されるので、このような結果になりました。
建売住宅を買った人たちの年収は?
マイホーム購入の際にどうしても気になるのがお金のこと。
実際に建売住宅を買った人たちのお財布事情と「購入した建売住宅が世帯年収の何倍にあたるか」というデータもあったので、あわせて見てみましょう。
平均世帯年収 | 購入価格の年収倍率 | |
首都圏 | 608.4 万円 | 7.4倍 |
全国 | 563.1 万円 | 7.0倍 |
※出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査)
意外にも首都圏と全国平均はそこまで差が無いことがわかります。
繰り返しになりますが、上記はあくまで平均値です。これよりも年収が低かったとしても、あまり気にしなくて大丈夫です。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅を一言で言うと「建築済みの建物と土地がセットになって販売されているもの」です。一方の注文住宅は「土地から買って、細部まで自分で決めた建物を建てるもの」を指します。詳しいことは本記事の後半「メリット・デメリット」の項で解説します。
「建売住宅」と「分譲住宅」の違いは?
結論から言うと、基本的には同じものと考えて問題ありません。
違いは「その建物が建てられた土地の用途」くらいです。
●分譲住宅:分譲地に建てられているもの
●建売住宅:それ以外の土地に建てられているもの
結局のところこれだけの違いなので、建売住宅を探すときは「分譲住宅」も候補に入れて見ていくと良いでしょう。
建売住宅と注文住宅の相場比較
では、よく比較対象に挙がる注文住宅の相場はどのくらいでしょうか?再びデータを基に比べてみました。
エリア |
区分 |
価格 | 床面積 | 敷地面積 |
首都圏 | 注文住宅
(土地付き) |
5,133 万円 | 107.2 ㎡ | 142.8 ㎡ |
建売住宅 | 4,133 万円 | 98.0 ㎡ | 115.7 ㎡ | |
全国 | 注文住宅
(土地付き) |
4,455 万円 | 111.4 ㎡ | 198.5 ㎡ |
建売住宅 | 3,605 万円 | 101.8 ㎡ | 134.7 ㎡ |
※出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査)
敷地面積の違いはあるものの、首都圏では平均しても1,000万円程度の差があることがわかります。
建売住宅のほうがリーズナブルな納得の理由
「安かろう悪かろう」という言葉があるくらいなので、建売住宅はクオリティが低いんじゃないかと心配になる人もいるようです。なかには「欠陥住宅」じゃないかと疑う人までいるようですが、安心して下さい。建売住宅の安さには納得できる明確な理由があります。
結論は「かかっているコストが安いから」なのですが、材料費をケチっているというわけではありません。具体的には以下のような部分でコストカットを実現しています。
●土地や資材の大量仕入れ
建築に限ったことではありませんが、「仕入れは量が多いほど単価が安くなる」というのがセオリーです。
注文住宅はオリジナル要素が多いので、「その家のためだけに少量仕入れるモノ」が多くあります。
ところが建売住宅の場合は、ある程度似た作りにすることで同じ材料や設備を大量に仕入れることができるのです。
また、分譲住宅であれば土地にも同じことが言えます。
●人件費が少ない
注文住宅には度重なる建主との打ち合わせがあり、複雑な施工をする専門業者を発注する必要があったり、とにかく人件費がかさみます。オリジナル故に工期が長くなる傾向がありますが、当然期間が延びればそのぶん人件費も増えます。
建売住宅の場合はある程度のテンプレートに沿って建築するため、複雑な工事を減らし、工期も短く済むのです。工期は一般的に、注文住宅で1年、建売住宅では2〜3ヶ月と言われており、その差は歴然です。
●住宅展示場が不要
注文住宅では住宅展示場やモデルハウスが設置されていますよね。あまり知られていませんが、このモデルハウスには莫大なコストがかかっています。
営業スタッフの人件費、光熱費、維持費など、1軒あたり1ヶ月で約1,000万円程度のコストがかかっていると言われています。
建売住宅の場合はこういったコストが不要なのです。
●造りがシンプル
これは言い換えると「設計がシンプル」ということで、資材の質が低いというわけではありません。注文住宅の場合は「キッチンは大理石が良い」とか「壁は温かみを感じる○○の木材で」といったように特殊な材質を用いることが多いですが、建売住宅では一般的な資材を用いることでコストカットしています。
●新築は仲介手数料がかからない場合がある
多くの注文住宅は、建てる前に誰かから土地を買い上げる必要があり、この時に土地を紹介してくれた不動産業者に支払う仲介手数料が発生します。
建売住宅の場合は、建主がすでに購入した土地に建物を建ててセットで販売するのが基本で、建主から直接購入する場合は仲介手数料がかかりません。
このように、建売住宅が安い理由は蓋を開けてみると非常に合理的なので、注文住宅と比べて極端に品質が悪いということはありません。
建売住宅のメリット・デメリット
冒頭でもお伝えしたように、建売住宅・注文住宅にはそれぞれにメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが良いとは言えませんが、重要なことは「あなたに合ったモノを選ぶこと」です。
ここからは「忖度なし」で建売住宅のメリット・デメリットを解説します。
●メリット
建売住宅のメリット1:購入費用が抑えられる
前項と重複しますが、価格が安い理由をもう一度まとめておきます。
●大量仕入れによる土地や材料のコストカット
●人件費が少ない
●住宅展示場、モデルハウスが不要
●造りがシンプル
●新築は仲介手数料がかからない場合がある
上記のような理由から、注文住宅よりも建売住宅のほうがかなり安いのが一般的です。前述したように、(地域にもよりますが)平均データでは購入価格に1,000万円以上の差が出ることも珍しくありません。
建売住宅のメリット2:実際の物件を内覧できる
一般的な建売住宅は、「すでに建築済みの物件」を購入することになるので、実際に中に入って実物を確認することができます。少なくとも買ってから「イメージと違った!」ということはそうそう起こりません。
注文住宅の場合は「素人目では完成するまでどのような建物になるかわからない」というのが実情です。実際に、完成してみたらイメージしていたものと実物が違ったという理由で、後から手直しが入るケースも多々あります。
建売住宅のメリット3:入居までの期間が短い
建売住宅は、手続きさえ完了すればすぐに入居が可能です。具体的には「売買契約を交わすこと」や「住宅ローンの申請」などですが、早ければ1ヶ月程度で完了するケースもあります。
注文住宅の場合、工期だけで1年以上かかることもあります。これは建物を建てる期間の話であって、その前には「土地を探す期間」も必要です。気に入る土地に巡り会えるかどうかは縁ものなので、どのくらい時間がかかるか全く予想がつきません。
「気に入った土地がない」「場所はいいけど、今ある家を取り壊さなければならない」「土地は良いけど整地が必要」など土地選びには多くの壁があり、購入代金以外の費用が発生することもよくあります。
このような背景があるので、「数年探しても希望条件に合う土地が見つからない」と嘆いている人も散見されます。
●デメリット
建売住宅のデメリット1:オリジナリティがない
建売住宅を検討する際に、一番意見が割れるのがこの点でしょう。
建売住宅はそもそも、自分のリクエストが入る余地がありません。すでに建っている建物(建築予定も含む)が気に入るかどうかです。
同じデザインの建物が隣り合わせに建っていたり、数棟連なっているのを見たことがないでしょうか?あのようなものが「分譲住宅」とも呼ばれる建売住宅で、見た目や間取りが全く同じ場合もあります。
このような建物を好まない場合、周囲に似た建物がない1棟だけの建売住宅もたくさんありますので、分譲住宅を除外して探してみると良いでしょう。
建売住宅のデメリット2:土地の状態を確認できない
建物が建つ土地は、災害時の耐震性や耐久性に大きく影響する重要な部分です。
なかには建築前から販売する建売住宅もありますが、すでに建物が建っているケースがほとんどで、この場合は地面が見えないので土地の状態を確認することはできません。
とはいえ、素人が更地を見たところで土地の状態はよくわからないというのが実情です。自分でハザードマップなどを調べてみることで、ある程度その土地の地盤やリスクについて確認することができます。
建売住宅のデメリット3:他人が出入りしている場合がある
実際に内覧して購入を検討できるのが建売住宅のメリットですが、それは他の人にとっても同じことが言えます。自分たちが一番乗りで即決でもしない限り、モデルハウスのように他の人たちも内覧している可能性が高いです。
蛇足ですが、もし購入を本格的に検討する段階になったら、もう一度見に行ってみるのがおすすめです。初回はどうしてもワクワクして浮足立ってしまうので、細かなところまで目が届きません。
時間を空けて冷静な目で、キズや汚れ、日当たりなどを確認するといいでしょう。
「こんなはずじゃなかった!」を少しでも減らすには、時間と手間を惜しまずしっかりと現地確認することが重要です。
建売住宅の相場まとめ
建売住宅の相場、他エリアとの比較、メリット・デメリットと、様々な角度から建売住宅を検証してみました。こだわりが強く予算も潤沢であれば注文住宅、手間やコストを考えるなら建売住宅に軍配が上がります。
賃貸物件とは違い、戸建ては買った後にも固定資産税、メンテナンス費用、火災保険など様々なコストがかかることも念頭に置いておく必要があります。そういった「今はまだ見えていないコスト」のことも考えると、建売住宅を買うというのは賢い選択かもしれません。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.style-system.net
- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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