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家・住宅購入コラム

不動産の未公開物件って本当にあるの?未公開物件になる理由や購入するメリットやデメリットも解説!

不動産には公開物件と未公開物件があります。

公開物件とはポータルサイトなどに売却情報が掲載された不動産で、未公開物件とはサイトなどでは掲載されておらず不動産仲介会社が極秘に売りに出している不動産です。

実際に未公開物件というものは多くありますが、どうして未公開物件として売却しているのでしょうか。

それにはいくつか理由があります。

 

本記事では、未公開物件とは何か、なぜ未公開物件として売却するのか、未公開物件を紹介してもらうコツなどを解説していきます。

 

未公開物件とは

 

未公開物件とはポータルサイトなどに掲載されておらず、不動産の売主より売却の依頼を受けた不動産仲介会社が極秘に売却活動をしている物件のことです。

 

未公開物件には完全未公開物件、未公開物件という2種類があり、完全未公開物件はポータルサイトだけではなく不動産の自社ホームページにもチラシにも掲載されていないような物件です。

未公開物件とはポータルサイトやレインズには掲載されていないですが、売却の依頼を受けている不動産仲介会社のホームページやチラシには掲載されているような物件のことを言います。

 

なお、ポータルサイトとは不動産売却情報が多数掲載されているまとめサイトのことです。

不動産で有名なポータルサイトはSUUMOやHOMESなどです。

また、レインズとは国土交通省が指定する機関が運営しており、不動産業者だけが見ることのできる不動産売却情報が集まったサイトです。

 

未公開物件が発生する理由

 

未公開物件が発生する理由はいくつかあるため、その理由ごとに解説していきます。

 

好条件の物件でレインズ登録をギリギリまでしない

不動産仲介会社は売主より売却活動の依頼を受けたときには、媒介契約という契約を締結します。

この媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約という3種類の契約方式があります。

 

この契約方式のうち、専属専任媒介契約と専任媒介契約にはレインズに登録しなければならないという義務があります。

専属専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から5営業日以内、専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から7営業日以内にレインズに登録しなければなりません。

 

しかし、良い物件の場合、レインズに登録する日を期日ギリギリまで行わない不動産仲介会社がいます。

この場合、媒介契約締結日の翌日からレインズ登録期日までが未公開物件となります。

 

良い物件の場合、不動産仲介会社は両手手数料を狙いやすくなるため、ほかの不動産仲介会社にお客さんを発見されないように未公開物件にするわけです。

 

なお、両手手数料とは売主と買主両方から仲介手数料をもらうことを言います。

つまり両手手数料になれば不動産仲介会社の収入は2倍になるということです。

 

売却していることを近隣に知られたくないから

売主の意向で自分が不動産売却していることを近隣に知られたくない、という場合があります。

このような場合、レインズに登録義務のない一般媒介で契約をすることにより、レインズやポータルサイト、チラシ広告にも掲載せずに売却活動を行うことができます。

 

公開すると費用がもったいないため

 

この事情で未公開物件にすることは珍しいですが、売れる見込みがない物件を未公開物件にするケースがあります。

 

インターネットに掲載したり、チラシ広告をしたりするのには多くの費用が発生します。

しかし、郊外の田んぼや畑、山林などはインターネットなどに掲載しても売れる可能性が低く、お金を掛けないようにわざと未公開物件にするということです。

 

郊外の不動産は現地に広告看板だけ設置して、その看板の効果で売れるまで放置し続けるということがあります。

これは未公開物件の一種となります。

 

引き渡しができるようになるまでに時間がかかるから

不動産を売却する人によっては引き渡しをするまで時間がかかる人がいます。

例えば、住み替え先の住宅建築が終了するまで時間がかかるとか、転勤の辞令が出てからでないと引っ越せないなど人によってさまざま理由が考えられます。

 

このような場合のとき、住み替え先の住宅建築が完了したり、転勤の辞令が出たりしたら初めて売却活動を開始することができます。

売却開始がいつできるかまだ分からない場合、あらかじめ一般媒介契約を締結しておき、時期がきたらインターネットなどに掲載する方法を取ります。

 

つまり、売却ができる条件が整うまでの期間、未公開物件として不動産仲介会社が情報を取り扱うことになります。

 

建物が未完成だから

 

不動産は未完成のときから販売を開始しますが、たまに未完成の状態のときには販売活動をしない不動産会社もあります。

未完成のときに販売活動をすると、完成時の販売活動に比べトラブルに発展しやすいためです。

このようなことにより、未完成のときには未公開物件として情報を表に出さず、顧客登録してある人にだけ紹介するということがあります。

 

未公開物件を購入するメリットやデメリット

 

未公開物件を購入することにはメリットやデメリットがあります。

ここからは未公開物件を購入するメリットやデメリットを紹介していきます。

 

未公開物件を購入するメリット

 

未公開物件を購入するメリットは、次のとおりです。

 

・良い条件の不動産を購入することができるかもしれない

・競争相手が少ないことが多い

・物件の選択肢が広がる

 

このメリットを項目ごとに紹介していきます。

 

良い条件の不動産を紹介してもらえるかもしれない

 

未公開物件にする理由の1つに不動産仲介会社が両手手数料を狙う、という理由があります。

このような両手手数料を狙えるような物件は、良い条件の不動産であることが多くあります。

 

例えば、めったに物件が出ない場所の不動産であったり、訳あり物件でもなく相場より安い不動産だったりすることがあります。

 

競争相手が少ないことが多い

 

未公開物件は公開物件と違い、競争相手が少ないことが多くあります。

未公開物件を紹介してもらえるのは、未公開物件を取り扱っている不動産仲介会社に登録している顧客だけです。

そのため、良い物件であっても競合が少なく、購入申込書を提出したら2番手だったというようなことが起こりにくくなります。

 

未公開物件は良い条件の不動産であることが多いため、ゆっくり購入を決めるということはできないかもしれません。

しかし、競合が少なく買い逃すという可能性は低くなります。

 

物件の選択肢が広がる

 

通常、不動産を探す場合には公開物件から不動産を探すことになります。

しかし、未公開物件の情報を知っていれば、公開物件と未公開物件の両方を検討することが可能です。

物件探しはどれだけ物件の情報を得られるかが鍵になるため、多くの選択肢を持って不動産探しをすることは良い結果に繋つながる可能性が高くなります。

 

未公開物件を購入するデメリット

 

未公開物件を購入するデメリットは、次のとおりです。

 

・条件の悪い不動産の可能性がある

・未公開という特別感を出すためだけに未公開にしていることがある

 

このデメリットを項目ごとに紹介していきます。

 

条件の悪い不動産の可能性がある

 

売却不動産を未公開物件にしている理由には、条件の悪い物件をインターネットなどに掲載せず広告費を浮かしているという理由もあります。

このような物件は、なかなか売却できない物件で条件が悪かったりく、事故物件などの訳あり物件だったりすることがあります。

 

訳あり物件の場合には物件資料に事故物件だとか、物件が売却できない理由だとかが概要欄に記載されていることがあるため、しっかりと概要欄を確認するようにしましょう。

 

未公開という特別感を出すためだけに未公開にしていることがある

一般媒介契約を締結した物件をわざと公開せず、未公開物件だと値打ちをつけて紹介される場合があります。

あまりにも条件が悪い不動産情報であれば、紹介された物件が悪い条件の未公開物件と判断がつくと思います。

そのような物件を未公開物件として紹介された場合は、しっかりと購入しないと断りましょう。

 

未公開物件を紹介されたときに注意すべきこと

 

不動産会社から未公開物件を紹介された場合には、紹介された不動産が本当に良い条件の不動産なのか判断しなければなりません。

きちんと判断しないと悪い条件の不動産を購入することになりかねません。

 

未公開物件を紹介されたときには、次の事項に注意しましょう。

 

・紹介された物件の価格は相場と比べて高いのか安いのか

・物件概要に事故物件などマイナスとなる情報が記載されていないか確認する

・物件価格は安くても室内が汚く大幅なリフォームをする必要があるのかどうか

 

未公開物件が優良物件なのかどうかは、相場を把握しておかないと判断することができません。

相場を完璧に把握するのは困難ですが、普段からポータルサイトや、レインズマーケットインフォメーション、土地総合情報システムを見ているとおおよその相場がつかめてきます。

 

なお、レインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システムでは、過去に成約された成約価格や成約した不動産情報の一部を見ることができます。

 

また、紹介された未公開物件が相場より極端に安い場合は注意が必要です。

不動産の価格が極端に安い場合は、何かしらの事情があると思ったほうが良いでしょう。

事故物件などの訳あり物件や、大規模なリフォームをしないと住むことができない不動産の可能性があります。

事故物件などの場合は物件概要に必ず記載しなければいけませんが、大規模リフォームをしないといけないことは物件概要に書く必要はないため、現地を見に行かないと条件の悪い未公開物件なのか気付くことができない可能性があります。

 

大規模リフォームが必要な場合は、リフォーム会社を立ち会わせたうえで見積もりを取得し売買金額が妥当か判断します。

大規模リフォームをしても相場より安ければ、良い物件の可能性もあります。

 

未公開物件を紹介してもらうコツ

 

不動産会社から未公開物件を紹介してもらうにはコツがあります。

ここからは不動産会社から未公開物件を紹介してもらうコツを紹介していきます。

 

顧客情報を正確にすべて伝える

 

不動産会社から顧客情報として登録したいと言われた情報は、正確にすべて回答するようにしましょう。

物件を紹介するにあたりどのような人がどのような理由で、どの地域、どの価格帯で探しているのか明確になっていると、不動産会社の担当者も物件を紹介しやすくなり未公開物件情報が出たときに紹介してもらいやすくなります。

 

購入の意思が高いことを伝える

 

自分の希望の物件が売りに出されたら、すぐにでも購入する意思があるということを伝えることも大切です。

不動産会社の担当者は、早く簡単に不動産が売れるとすぐに自分の成績になって仕事が楽になると考えます。

そのため、多くの顧客に未公開物件の情報を流すよりは、1人だけに情報を流して購入してもらうことができればという思いになります。

その1人に選ばれるよう熱意を示しておくことが重要になります。

 

多くの不動産会社に顧客登録をする

 

未公開物件は1つの不動産会社にそう多くある情報ではありません。

そのため、多くの不動産会社に顧客登録したほうが未公開物件の情報が提供される確率が上がります。

 

また、インターネットなどを活用していない地元の不動産会社に声を掛けてみるのも良いでしょう。

このような地元の不動産会社は未公開物件情報を保有していることが多いからです。

 

こまめに不動産会社に連絡する

 

顧客情報を多くの不動産会社に登録してもこまめに連絡を取らないと、不動産会社の担当者に忘れられてしまう可能性があります。

そのため、不動産会社の担当者に定期的に連絡をすると良いでしょう。

 

こだわりのある条件で不動産を探している場合、数年単位で探すことになることもあります。

このような長期間にわたる場合でも、密に担当者と連絡を取り合うことが未公開物件情報を取得する重要な要素になります。

 

まとめ

 

不動産情報は公開物件情報と未公開物件情報に分かれます。

不動産会社は不動産を取り扱うに当たって未公開情報を保有することがあります。

未公開物件情報を保有する理由はいくつかありますが、良い物件を両手手数料で売りたいという前向きな考えのときや、売れない物件の広告費を抑えるために未公開物件にするというような後ろ向きな考えの場合もあります。

そのため、未公開物件情報を提供されたときには、提供された情報が優良な未公開物件であるかどうかを自身で判断する必要があります。

 

また、優良な未公開物件情報を取得するには、不動産会社の担当者と密に連絡をすることが重要になります。

不動産会社の担当者は、早く、しかも簡単に不動産を売却する方法を考えており、不動産購入に熱意を持っている顧客を探しています。

密に連絡を取り合っていれば、この顧客なら未公開物件情報を提供するとすぐに不動産を購入してくれるかもしれない、と思い込んで優良な未公開物件情報を提供してくれる可能性が上がります。

 

実は良い不動産情報を手に入れるには、不動産購入検討者から不動産会社の担当へのアピールも重要なポイントになるのです。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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