住宅ローンは何歳まで借りられる?理想の返済プランとは?
支払い期間が長期にわたる住宅ローンは「何歳まで借りられるんだろう」と不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、住宅ローンの借入可能年齢は70歳の誕生日前日まで、完済時の年齢は80歳までと決めている金融機関が多いです。そのため70歳で住宅ローンを借入した場合、最長10年間で返済しなければなりません。
このように住宅ローンを借入する年齢によっては、借入期間が短くなるなど借入条件が悪くなってしまう可能性もあります。本記事では住宅ローンは何歳まで借りられるのか、住宅ローンを組むときの注意点を紹介していきます。
住宅ローンは何歳まで借りられる?上限と条件
本記事冒頭でも解説したように、住宅ローンは70歳の誕生日前日までと決めている金融機関が多いです。このように住宅ローンは申込可能年齢や完済時の年齢に上限が設定されています。住宅ローン借入の一般的な条件に関して確認していきましょう。
住宅ローンの借入から完済までの返済期間は約15年
住宅ローンは自動車ローンや教育ローンなどと比較して、返済期間が長期にわたるケースが多いです。住宅自体が大きな金額の買い物なので返済期間も長くなる傾向にあります。2019年12月に行われた住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンの借入から完済までの返済期間の平均は15.7年でした。
もちろんこの結果は単純平均によるものなので、実際には借入時の年齢やライフプラン、借入金額によって返済期間は変わってくるものと思われます。しかし、住宅ローンの借入期間は15年以上を目安にした方が余裕を持って返済できるのではないでしょうか。
住宅ローンの借入上限年齢は一般的に70歳未満
住宅ローンの借入は申込時の年齢も条件にふくまれています。申込時の年齢上限は一般的に70歳未満としている金融機関が多いです。メガバンクの住宅ローンの借入申込上限年齢は以下のとおりです。
・みずほ銀行 満71歳未満
・三菱UFJ銀行 70歳の誕生日まで
・三井住友銀行 満70歳の誕生日まで
「70歳になるまで住宅ローンを借入できるなら、自分も借りられそうだ」と感じた方も多いのではないでしょうか。確かに借入は可能ですが、住宅ローンを借入るときには、申込時の年齢だけでなく、完済時年齢も考慮する必要があります。
住宅ローンは申込年齢と完済時年齢に条件がある
住宅ローンは申込時の年齢だけでなく、完済時の年齢も上限が設定されています。メガバンクやその他の主要な銀行の住宅ローンの年齢条件を確認してみましょう。
銀行名 | 申込時年齢上限 | 完済時年齢上限 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 71歳未満 | 81歳未満 |
三菱UFJ銀行 | 70歳未満 | 80歳未満 |
三井住友銀行 | 70歳未満 | 80歳未満 |
りそな銀行 | 70歳未満 | 80歳未満 |
新生銀行 | 65歳未満 | 80歳未満 |
このように住宅ローンの完済時年齢は80歳までと決めている金融機関が多いです。住宅ローンの申込時の年齢上限だけを気にしてしまうと、借入はできるものの借入可能期間が短くなってしまう可能性があり、注意が必要です。
年収によって住宅ローンの借入限度額が変わる
「住宅ローンを借入する年齢が高いと、借入限度額も下がってしまうのではないか」と心配される方もいるかもしれません。しかし借入限度額は年齢ではなく、年収によって決まります。借入限度額は一般的に以下の条件で決まるケースが多いです。
・年収の6倍以下
・年間返済額が年収の35%以下(返済比率)
上記の条件を満たしていれば年齢が高くても、住宅ローンの借入限度額には影響を与えませんのでご安心ください。
住宅ローンは何歳までに組むべき?理想のプランとは
住宅ローンの申込自体は70歳になるまで可能な金融機関が多いですが、実際には余裕を持って返済するためにも、もう少し若いうちに借入できると安心です。余裕を持って返済しやすい理想のプランや年齢を解説していきます。
一般的に住宅ローンは30~40代での契約が多い
2020年度のフラット35利用者調査最新版によると、住宅ローンの申込年齢は30~40代が最も多いようです。
・結婚や出産などライフプランの変化が起こりやすい
・35年ローンを組むには借入年齢45歳未満が上限
30~40代での借入が多いのは上記が理由かと思われます。
35年ローンは借入年齢45歳未満が上限
住宅ローンは一般的に最長35年まで借入可能です。しかし本記事で何度か解説したように、住宅ローンは完済時の年齢も上限が決められています。完済時の年齢上限が80歳未満だとして、35年のローンを組もうとすると45歳未満で住宅ローンの申込をしなければなりません。
理想の完済時年齢は65歳まで
住宅ローンの完済時年齢は80歳までと決まっている金融機関が多いですが、実際には80歳まで住宅ローンを返済し続けるのは現実的ではありません。理由は以下のとおりです。
・退職して年金生活になっていることが予想される
・住宅ローンの返済に追われて老後資金が用意できない可能性が高い
上記のことを考えても、住宅ローンの返済は65歳までに終わらせるのが理想です。65歳までに完済すれば、定年までにローンを支払うことができます。退職金を受け取れた場合は、退職金を住宅ローンの返済ではなく老後資金にあてられます。
目安がわかる!2つの返済シミュレーション早見表
返済イメージを持ちやすくするために、年齢別に35年ローンを組んだときの完済年齢の目安や毎月の返済額の目安を確認していきましょう。
35年ローンでの年収別借入可能額
まずは35年ローンを組んだ場合の年収別借入可能額をシミュレーションしてみましょう。以下の条件でシミュレーションを行っています。
・住宅ローン以外の借入は行っていない
・元利均等返済を選択
・金利選択型を選択
年収 | 借入可能額 |
---|---|
300万円 | 2,473万円 |
400万円 | 3,847万円 |
500万円 | 4,808万円 |
600万円 | 5,770万円 |
700万円 | 6,732万円 |
800万円 | 7,694万円 |
900万円 | 8,344万円 |
1,000万円 | 9,271万円 |
このように年収が上がれば借入可能額は上がります。まずは自分の年収だといくら借入可能なのか、希望する住宅は購入できそうなのかを検討してみるのも良さそうですね。
借入金額3000万円での完済年齢別 月額返済シミュレーション
続いて3,000万円を借入した場合の完済年齢別の月額返済シミュレーション結果を見てみましょう。シミュレーション条件は以下のとおりです。
・3,000万円を借入
・借入時年齢は30歳
・金利0.537%
・元利均等返済
・ボーナス払いはなし
完済時年齢 | 返済期間 | 月額返済額 |
---|---|---|
40歳 | 10年 | 256,828円 |
45歳 | 15年 | 173,506円 |
50歳 | 20年 | 131,860円 |
55歳 | 25年 | 106,884円 |
60歳 | 30年 | 90,244円 |
65歳 | 35年 | 78,367円 |
上記のシミュレーション結果を見てわかるように、完済までの期間が短くなればなるほど、月額の返済負担は大きくなります。
住宅ローンを組む前に知っておきたい注意点
住宅ローンを組むときに注意しておきたいのは、借入可能=返済可能ではないという点です。借入可能額はあくまでも金融機関の住宅ローン審査によって算出された金額で、返済可能金額は各ご家庭のライフプランや収支状況によって異なります。住宅ローンを組む前に知っておきたい注意点を確認していきましょう。
月々の支払額の設定は無理のない範囲で
住宅ローンの審査結果を見て「こんなに借入できるの?」と驚いた方や嬉しくなった方もいるかもしれません。しかし借入限度額いっぱいまで住宅ローンを組んでしまうと、月々の支払額を負担に感じてしまうかもしれません。住宅ローンは長期にわたる支払いが必要です。
・子供が小さいうちは良かったが、受験でお金がかかるときに住宅ローンが負担になった
・住宅ローンの返済に追われて自分たちの老後資金を用意できなくなった
・住宅ローンの返済がギリギリで、働けなくなることへの不安を常に感じていた
このように月々の返済額が家計を圧迫すると様々なリスクや不安を感じてしまいます。せっかく住宅を購入し、幸せな生活を送ろうとしているのであれば、無理のない返済計画を立てたいものですね。
ボーナス払いはリスクもある
住宅ローンの毎月の返済額の負担を下げるために、ボーナス払いを検討している方も多いかと思います。しかしボーナス払いはリスクのひとつでもあると認識しておきましょう。ボーナスが安定してもらえる企業にお勤めの方はリスクが少ないですが、ボーナスの金額が企業の業績や個人の評価で増減する企業にお勤めの方はボーナス払いができなくなる恐れがあります。
住宅ローンは長期にわたって支払いを行います。返済期間の間、ずっとボーナス払いができそうな金額なのか借入前によく確認しておきましょう。
用意しておくべき頭金の金額
「頭金なしで借入できる金融機関もあるらしい」「住宅ローンの負担を下げるためにも、頭金はできるだけ用意した方が良い」など、頭金に関しては様々な意見があり、判断に迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
頭金に関しては用意できるならした方が良いですが、預貯金をすべて頭金に費やしてしまうのは避けた方が良いでしょう。年収の2~4割程度の預貯金は何かあったときにすぐ使えるお金として手元に残しておくと安心です。
金利には種類がある!変動金利と固定金利
住宅ローンの金利には変動金利と固定金利があることをご存じでしょうか。名前のとおり、変動金利とは金利が変動するタイプで、固定金利は借入期間中の金利がずっと固定されているタイプのローンです。固定金利の場合、長期にわたっての返済計画が立てやすくなるメリットがある一方で、金利が高くなりがちです。
変動金利と固定金利のどちらが良いかの判断は専門家でも難しいです。変動金利か固定金利か悩み過ぎてしまうよりかは、借入金額を見直し、月々の返済負担を下げることを意識した方が良いでしょう。
50・60歳以降で住宅ローンを組む時に知っておくべきこと
50歳や60歳以降に住宅ローンを組みたいと考える方もいるのではないでしょうか。
・子供を持つのが遅く、住宅購入が遅れてしまったため
・転勤族だったが、転勤が落ち着いてきたため
・同居予定だった親とは別に家を買ったため
このように様々な理由で住宅購入に踏み切った方もいるかもしれません。50~60代以降で住宅ローンを組む際に知っておきたいことをまとめました。
住宅ローンは借入可能額より返済額を意識するべき
本記事でも解説しましたが、住宅ローンは借入限度額よりも返済金額を意識すると、余裕を持った返済計画が立てやすくなります。さらに50~60歳以降の住宅ローンの返済計画は、健康リスクに関しても考慮しておく必要があります。
万が一、住宅ローン完済前に亡くなってしまうと住宅も残りますが負債も残ってしまい、遺された家族の負担が増えてしまうかもしれません。50~60歳で住宅ローンの借入をするのであれば、月々の返済額に余裕を持たせ、繰り上げ返済をして借入期間を短縮していくのが良いでしょう。
申込年齢が高くても借りやすいローンの種類がある
申込年齢が高いと、住宅ローンの審査にとおりにくくなってしまう可能性があります。希望の条件で住宅ローンの審査が通らないと感じたときには、申込年齢が高くても借りやすいローンを検討するのも選択肢のひとつです。申込年齢が高くても審査にとおりやすいローンの種類は以下のとおりです。
・親子ローン
・リバースモーゲージ型住宅ローン
親子ローンとは、1つの住宅を親子で購入し、2世代で住宅ローンを返済していくローンです。1人で住宅ローンを借入れるよりも審査にとおりやすくなります。リバースモーゲージ型住宅ローンとは、住宅を担保にして資金を借入するローンです。リバースモーゲージ型住宅ローンは、ローンの申込者が亡くなったタイミングで住宅の売却もしくは残債の返済を行うことを想定としています。そのため毎月の支払額は利息分だけで良く、返済負担を減らせます。
プロに住宅ローンシミュレーションをしてもらうのがおすすめ!
住宅ローンの借入や返済計画に不安や疑問を感じている方は、一度プロに住宅ローンシミュレーションをしてもらうのがおすすめです。住宅ローンのシミュレーションや返済計画を相談できる窓口はいくつかありますが、可能であればお金と不動産両方に詳しい専門家からアドバイスをもらえると安心です。
住まいのLifeコンシェルジュでは、ファイナンシャルプランナーと宅建の資格を持った専門家が相談者一人ひとりにあった提案やアドバイスを行います。住まいのLifeコンシェルジュの特徴は以下のとおりです。
・ファイナンシャルプランナー×宅建のレジデンシャルアドバイザーがライフプランを含めた住宅ローンの資金計画についてアドバイス
・無料で相談できる
・問い合わせはwebからできる
住宅ローンに関するお悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。住宅ローンの相談を検討中の方は、「住宅ローン相談窓口は3つある! 自分に合った相談先の選び方」の記事もご参考にしてください。
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