21年度 新設住宅着工戸数
国土交通省は4月28日、21年度および22年3月の建築着工統計調査報告を発表しました。21年度の新設住宅着工戸数は86万5909戸(前年度比6.6%増)で、3年ぶりの増加。新設住宅着工床面積は7116万1000平米(同7.3%増)で、同じく3年ぶりに増加に転じました。持ち家、貸家、分譲住宅のいずれも増加しましたが、直近10年間では新型コロナの観戦が拡大した20年度(81万2164戸)に次ぐ低水準となりました。
持ち家は28万1279戸(前年度比6.9%増)で3年ぶりの増加。貸家は33万752戸(同9.2%増)で5年ぶりの増加となりました。分譲住宅は24万8384戸(同3.9%増)で3年ぶりに増加しました。このうちマンションは10万2762戸(同5.0%減)で3年連続の減少、戸建ては14万4124戸(同11.4%増)で2年ぶりの増加となりました。同省建設経済統計調査室は、分譲戸建てが直近10年間で上から3番目の高水準となったのに対し、マンションが最低水準だった点を指摘。両者の明暗について「統計上、ユーザーのニーズが転換したとまでは言い切れない。マンションは大規模案件の影響が出やすい側面があるため」と説明しました。
22年3月の新設住宅着工戸数は、前年同月比6.0%増の7万6120戸で13ヶ月連続の増加となりました。新設住宅着工床面積は595万3000平米(前年同月比2.0%増)で、12ヶ月連続の増加。季節調整済年率換算値は92万7000戸(前月比6.3%増)で、2ヶ月連続で増加しました。
戸数の内訳を見ると、持ち家は2万246戸(前年同月比9.4%減)で4ヶ月連続の減少。貸家は3万2305戸(同18.6%増)で13ヶ月連続の増加となりました。好調が続く貸家に対し、持ち家が直近10年間で最低水準となった点について、同統計調査室は「事業者へのヒアリングによると、3度目の緊急事態宣言により、昨年8~9月の住宅展示場への来場者数減少が受注減につながった」としました。
分譲住宅は2万3144戸(同6.0%増)で2ヶ月連続の増加。このうちマンションは1万618戸(同2.2%増)で2ヶ月連続の増加となり、足元では着工戸数の増加が見られます。また、戸建ても1万2439戸(同9.9%増)で11ヶ月連続の増加と好調で、「事業者へのヒアリングによれば、販売の好調さが続いている。20年末からの土地の仕入れ強化の影響が見られる」(同統計調査室)としています。
なお、同省住宅局によれば、持ち家と分譲戸建てについて「価格帯や購入プロセスの違いから単純比較はできないが、展示場への来店、商談、着工とつながる注文住宅ではコロナ禍の影響が出やすい側面がある」と指摘しました。
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徳本 友一郎
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