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家・住宅購入コラム

家を建てる時の頭金はどのくらい必要?頭金ゼロで購入する際には注意が必要!

将来的に家を購入する場合、頭金を用意する人はどれくらいいるのでしょうか?中には頭金ゼロで購入することもできますが、様々な注意が必要です。頭金があればあるほど良いとはいえ、すべての人がまとまった頭金を用意できるとは限りません。
頭金はどれくらいあればいいのかが分かれば、家を建てる際の目標になります。
それでは、家を建てる時の頭金はどれくらい必要なのか、頭金を支払うタイミングや頭金ゼロで家を購入するときの注意点についてご説明しましょう。
 

頭金とは?

 

 
頭金とは、購入代金の一部を先払いするために用意する自己資金のことです。
よく住宅を購入するときは頭金が必要だと言われていますが、頭金を多く支払っておくほど住宅ローンを組んだ際に月々の返済額が減らせるというメリットがあります。したがって、よほどの理由がない限り、頭金を用意するのがおすすめです。
とはいえ、目標とする頭金を貯めようにも、どのくらい貯めればいいのか漠然としていてなかなか上手く貯められないという人も多いのではないでしょうか。目標金額が決まらないと、ただ漠然と頭金を貯めるようになるので、集中して貯めにくくなるでしょう。
家を建てる際に頭金がどのくらい必要になるかが明確に分かっていれば、積極的に頭金を貯めることができます。
 

家を建てる際の頭金はいくら必要?データから相場を算出

 

 
家を建てる際に頭金がいくら必要になるのかどうかは、令和2年度の住宅市場動向調査報告書のデータから相場を算出することで分かります。
【一次取得者の購入資金】
 
・購入資金の平均額
令和2年度の住宅市場動向調査報告書のデータにおいて、平成28年度から令和2年度までの分譲戸建て住宅の購入資金は、以下のとおりです。
 

購入年度 購入資金
平成28年度 3,810万円
平成29年度 3,840万円
平成30年度 3,933万円
令和元年度 3,851万円
令和2年度 3,826万円

 
以上の5年間における購入資金の平均額は、3,826万円です。
そして平成28年度から令和2年度までの分譲マンションの購入資金は、以下のとおりです。
 

購入年度 購入資金
平成28年度 4,423万円
平成29年度 4,192万円
平成30年度 4,577万円
令和元年度 4,457万円
令和2年度 4,639万円

 
以上の5年間における購入資金の平均額は、4,639万円です。
・自己資金率
令和2年度の住宅市場動向調査報告書のデータにおいて、平成28年度から令和2年度までの分譲戸建て住宅の自己資金率は、以下のとおりです。
 

購入年度 自己資金 自己資金率
平成28年度 1,027万円 26.9%
平成29年度 1,014万円 26.4%
平成30年度 858万円 21.8%
令和元年度 1,021万円 26.5%
令和2年度 971万円 25.4%

 
以上の5年間における自己資金率は、25.4%です。
そして平成28年度から令和2年度までの分譲マンションの自己資金率は、以下のとおりです。
 

購入年度 自己資金 自己資金率
平成28年度 1,729万円 39.1%
平成29年度 1,796万円 42.8%
平成30年度 1,560万円 34.1%
令和元年度 1,755万円 39.4%
令和2年度 1,589万円 34.3%

 
以上の5年間における自己資金率は、34.3%です。
 
・平均額と自己資金率から算出した頭金の相場
 
分譲戸建て住宅の購入資金の平均額は3,826万円、自己資金率は25.4%なので、頭金の相場は971万円となります。
 
分譲マンションの購入資金の平均額は4,639万円、自己資金率は34.3%なので、頭金の相場は1,589万円となります。
 
やはり分譲戸建て住宅よりも分譲マンションのほうが購入資金が高いためか、頭金をかなり多く貯めていると言えるでしょう。
 
頭金が多いほど月々のローン返済額が少なくなるため、後から生活苦にならないようにするためにも、計画的に返済できるように可能な限り頭金を用意する傾向にあるのではないでしょうか。
 
そして、頭金の内訳を見る限りでは、分譲戸建て住宅も分譲マンションも預貯金・有価証券売却代金・退職金が最も多いようです。いきなり多額の頭金を貯めるのは難しいので、預貯金や有価証券売却代金、退職金と一気に大きな金額が得られたタイミングで家の購入を決意する傾向にあるかもしれません。
 

家を建てる際の頭金を支払うタイミング

 

 
家を建てる際の頭金を支払うタイミングは、実際に物件を購入する契約を行う日から、物件の引渡しを受ける日までです。つまり、物件を購入することが決まってから、購入する物件が完成する日までが頭金を支払うタイミングとなります。
 
分譲戸建て住宅なら数ヶ月、マンションなどの長期計画が必要な物件なら1年弱の猶予があるため、その間に頭金を貯めてから支払うのもアリでしょう。
 

頭金がなくても家を買える!ただし注意が必要

 
ローン
 
頭金を貯めてから家を建てるのが一般的ではありますが、頭金がなければ必ずしも家が購入できないわけではありません。
 
頭金がなくても家を建てることはできるため、頭金を貯める暇がなかったり、数十年かけてもいいので長期的に住宅ローンを支払ったりしてもいいというのであれば頭金ゼロで購入しても良いでしょう。
 
しかし、頭金ゼロで家を建てるときに注意してほしいことがあります。その注意点は、以下のとおりです。
 
・住宅ローンの借入額が増える
・月々の支払金額が増える
・頭金以外の部分で実費が発生する場合もある
 
それぞれについて詳しくみていきましょう。
 

住宅ローンの借入額が増える

 
頭金ゼロで家を建てる場合、何といっても最大の注意点と言えるのが、住宅ローンの借入額が増えてしまうことです。
 
頭金を用意して家を建てる場合だと、用意した頭金の分だけ購入代金が減額されるので、その分住宅ローンの借入額を減らすことができます。たとえば3,000万円の家を建てる際に1,000万円の頭金を用意すると、住宅ローンの借入額は2,000万円になります。
 
しかし、頭金ゼロの場合、そのまま3,000万円も住宅ローンを借り入れることになるので、長期的にローンを返済し続けることになるでしょう。
 
また、借入額が増えるということは、借入額に対して住宅を購入する際にかかる利息負担が大きくなってしまうことにも注意が必要です。利息負担は借入額に対してだけかかるため、借入額が大きくなるほど利息負担が増えることから支払う利息額が増えてしまいます。
 
たとえば3,000万円の家を建てる際に1,000万円の頭金を用意した場合、住宅ローンの借入額は2,000万円になるので1,000万円分の利息負担が無くなり、返済する負担を大きく減らすことが可能です。
 

月々の支払金額が増える

 
頭金ゼロで家を建てる場合、月々の支払い金額が増えてしまうのも非常に痛い注意点です。
そもそも頭金ゼロで家を建てる場合だと住宅ローンの借入額が高くなりますが、借入額が高くなるということは最長で住宅ローンを組んでいても月々の支払金額が高くなってしまいます。
 
借入額が3,000万円と2,000万円では、どちらが月々の支払い金額が安くなるかは明白です。
 

頭金以外の部分で実費が発生する場合もある

 
頭金ゼロで家を建てる際に必要なのは物件の購入費用だけでなく、以下の費用まで発生します。
 
・仲介手数料
・印紙税
・手付金
・登録免許税
・司法書士への報酬
・住宅ローンの融資手数料
・住宅ローンの保証料
・火災保険・地震保険料
 
仲介手数料は不動産会社に売買の仲介を依頼し、無事に契約が成立したときに支払う費用です。
 
仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約が成立した際に50%、引き渡しが完了した際に残りの50%を支払います。
 
印紙税は国に納める税金で、住宅ローンを契約する際の収入印紙に印紙を貼る際に支払います。印紙税は家の購入代金によって、以下のように変わります。
 

購入代金 印紙税
1,000万円以下 5,000円
1,000万円以上5,000万円以下 10,000円
5,000万円以上1億円以下 30,000円
1億円以上5億円以下 60,000円

 
手付金は頭金と混同しやすいですが、手付金は売買契約の際に支払う費用であり、最終的に購入代金の一部に充てられます。いわば確実に家を購入するための費用の一部を先払いするものであり、購入代金の5%~10%を支払います。
 
なお、手付金を支払った後に売買契約を放棄したとしても手付金は返金されません。したがって、買主が一方的にキャンセルしないようにするための費用でもあります。
 
登録免許税は購入した不動産における購入者が権利者であることを証明するため、不動産登記簿に建物の情報を登録する際にかかる費用です。ただし、不動産登記は専門知識がない人が行うケースはほとんどないため、ほとんどは司法書士に依頼して登記してもらいます。
 
そのときに司法書士に支払う報酬も発生します。
 
そして住宅ローンの融資手数料は、住宅ローンを組む際に金融機関に支払う事務手数料です。相場は3万円~5万円、もしくは融資額の2.16%になっています。
 
住宅ローンの保証料は、住宅ローンに加入する際に保証会社に支払う費用です。住宅ローンを組むときは融資を受けるために連帯保証人が必須でしたが、現在では保証会社が保証人になるケースがほとんどです。
 
もしも住宅ローンが返済できなくなった場合、金融機関は保証会社に返済を求めます。このことから、保証会社は保証料を住宅ローンの支払期間中に請求してくるのです。
 
ただ、保証料は住宅ローンの支払い期間中に支払うため、もし住宅ローンを返済している間に家を売却した場合は保証料が返還される可能性があります。
 
火災保険は住宅ローンに加入する際に必ず加入しなければならない保険です。保険料は保険の保障内容などによって大きく異なります。地震保険は単体で加入することができず、火災保険と同時に加入する必要性があります。
 
ただ、地震保険に加入する場合はその分の保険料を支払うことにもなるので注意しましょう。
 

頭金やローンのことなら「住まい無料相談」へ

 

 
頭金やローンのことで分からないことがあったら、住まいの無料相談に相談するのがおすすめです。住まいの無料相談を行うことで、魅力的なメリットがあります。
住まいの無料相談にはファイナンシャルプランナー×宅建のレジデンシャルアドバイザーが在籍しているため、資金計画について分かりやすく丁寧にアドバイスしてくれます。
 
また、頭金なしで住宅ローンを組む場合に細かくシミュレーションしてくれるのも大きなポイントです。頭金なしになると住宅ローンの借入額も相当なものになるため、月々の返済額がどのくらいになるのかなどを事前にシミュレーションしてもらうのがおすすめです。
 
さらに、頭金以外の諸費用についても相談できるのも大きなポイントです。
頭金以外にも様々な費用がかかるため、どれがどのくらいかかるのか分からない人も多いでしょう。そんな時に相談することで、頭金以外にかかる諸費用を含めた資金計画について一緒に考えてくれます。
 
住まいの無料相談はこれから家を建てる人のために無料で相談を受け付けているため、もし頭金や住宅ローンなどの問題で分からないことや不安なことがあったら是非とも住まい無料相談に相談してみてはいかがでしょうか。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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