中古マンション購入の流れ 入居までの各手続きや期間を解説
初めての住宅購入では、経験したことのない手続きが必要になります。
進めるべき手続きのなかで、聞いたことがない専門用語を耳にすることになり、どのタイミングでどういう手続きをすればいいのか、その順番などに戸惑いがちです。
これから中古マンション購入を検討している人が、どのように手続きを進めていけばいいのか、どういった書類が必要になるか、入居までの期間はどれぐらいか、流れを紹介します。
一般的な流れですが、中古マンション購入を決めてから入居まで、どういう流れで進んでいくか、参考にしてください。
中古マンション購入に向けて スタートから入居までの流れを知る
中古マンションを買うことを考えたら、最初に何をするのか、そしてどう進めていくのが一般的か、スムーズな流れを知っておく必要があります。
購入までの流れについて、順番に解説します。
必要な手順としては次のとおりです。
・資金計画を立てる
・資金に見合った物件探し
・物件の問い合わせ
・物件の現地見学
・住宅ローン本審査前の事前審査
・リフォームをするなら、必要な費用もこの段階で見積もり依頼
・売買契約締結
・契約と同時に手付金の支払い
・住宅ローン本審査
・住宅ローンの契約
・住宅ローン融資開始
・手付以外の残金を支払い
・所有権が移り、中古マンションが自己所有に
・入居可能になる
これが中古マンション購入の、一般的な流れになります。
資金計画に関しては、所有物件を売却することや手元の預貯金などにより、個別に期間や手続きも変動しますが、順序としての流れが大きく変わる点は、そうありません。
各項目について、初めての購入物件が中古マンションという場合において、購入時によく検討しておく点や、一戸建てや新築マンションを買うケースとは違う注意点を、解説します。
資金計画はプロにも相談がベター
手元にある預貯金、頭金として使える金額、現在の収入や今後の年収予測なども含めて、資金計画はプロにも相談しておくほうが安心です。
住宅ローン審査のときには問題がなかった収入が、雇用状況の悪化などで年収が激減してしまうケースも少なくはありません。
万一住宅ローンの支払いが滞ったり、支払いができなくなったりする場合には、どういう方法があるか、それを考えたうえで住宅購入することが原則ですが、これを個人で考えるのは意外と難しいです。
多くの知識を蓄えているファイナンシャルプランナーや信頼できる不動産会社に、まず資金計画の段階から相談してみましょう。
物件探しは複数の不動産会社へ依頼を
中古マンションを買う、中古物件を探したい、そのときには、多くの不動産会社に問い合わせ、または足を運びましょう。
ネットだけで見つけた中古物件に決めてしまうのは、やめておきたい方法です。
各社が全物件データを持っているとは限らない
親しい不動産店や、大手だからと知名度が高い不動産会社のような1社のみに物件探しに行くケースがよくみられます。
売り手である前所有者、もしくは現所有者は、中古物件になった自分のマンションを、多くの不動産会社に売却依頼していることが考えられます。
物件を売るときには、売り手である前所有者は、不動産会社と媒介契約を結びます。
大手だから、良い中古マンションのデータをすべて持っているとは限りません。
自己物件である中古マンションを売りたい前所有者が、特定の不動産会社だけに売却依頼をしている可能性もあるのです。
不動産会社独自のデータでほとんどは共有されていますが、持ち主から専任媒介契約で売却を依頼されているなど、1社でスムーズに見つかる中古マンションもあります。
また、個人的に引っ越しまで売却を知られたくない理由があり、内密に売却依頼をしている人もいます。
住みたい場所の物件探しは、その地域に強い不動産会社に、できるだけ多く問い合わせましょう。
広告に出さないことを依頼されている物件も
中古マンション売買でみられる事例ですが、ネットでの不動産広告や、不動産情報誌などに、掲載しない約束になっている物件があります。
マンションの場合に、売り出していることを他の部屋に住む人にはあらかじめ知られたくないケースが、主な理由です。
室数が多く、売買の動きが多い中古マンションになると、査定金額や売却金額が広告で流れることの影響が出てしまうからです。
そういう物件探しのために、複数の不動産会社に行くのは大切です。
物件の現地見学 売主がいる時間に行く場合
気に入った中古マンションが見つかり、内見をしたいと思ったら、現地見学を不動産会社に依頼します。
このタイミングをどうすればいいでしょうか。
前所有者がまだ暮らして売りに出している場合に、それを考えて困ることがあります。
ただ、住んでいる人がいる状態での見学にはメリットもあります。
家具が配置され、照明がオンになっていて、成人や子どもが移動している状態での、広さ感覚がわかります。
在宅中に来てもらってもいい、と売主が承諾した場合には、人が暮らしている環境を確認するのも、よい方法のひとつです。
物件の現地見学 売主不在時に行く場合
すでに前所有者、つまり売主が退去している中古マンションは、誰もいない状態で、気楽に見学することができます。
ただ、まだ売主がそこに住んでいるところには行きたくない、できれば不在時に見学をしたい、そう思う人も少なくありません。
誰もいないときに気兼ねなく、ゆっくり室内を見学したいと考えるなら、それを一度伝えてみましょう。
売主がそれを承諾したら、日時調整をして、人がいない状態の室内を見学します。
人がいない状態で見学するメリットは、時間内に広さや高さ、微妙な角度などを、実測することも可能という点です。
人が退去した中古マンションを買うときに、分かりにくいのはそういう面です。
人も家具もない空室を見学するため、間取り図を見る以上に、広く感じてしまい、実際に家具や家電を入れると狭かったということが起きがちです。
物件を決定したら住宅ローンの審査を
中古マンションをいくつか良いものを選んで、現地見学も済ませ、これがいいと決まったら、不動産会社にそれを伝えて、購入手続きが始まります。
現金一括で買う場合には必要がない手続きですが、あまりそういう人はいないため、この手続きが重要で大きな作業です。
住宅ローンの審査がスタートします。
住宅ローンはまず事前審査がある
住宅ローンを借りるための審査とはいえ、この段階ではまだ、本審査ではありません。
住宅ローンの契約には、本審査前の事前審査があります。
ここで、中古マンション購入の、期間が長くなる流れのなかで、購入資金を得られるかどうかが決まります。購入を考える人にとっては、やはりドキドキして落ち着かないところになるでしょう。
事前審査には、勤務先、勤続年数、年収などを自己申告します。
そしてローンを申し込む金融機関が、申込者の信用情報調査を行います。
この調査は、個人信用情報機関に対しての簡易審査になり、大がかりな本審査と違って日数も長くかかりません。
仮審査は数日、早くて3日、長くても1週間から10日ぐらいで終わります。
リフォームの金額も見積もっておく
水周りや内装の傷み具合が気になる、部屋の間取りを変えたい、そういったリフォームを検討している場合は、その金額も想定しておきましょう。
「リフォーム費用も住宅ローンと同じ金融機関で借りればいい」と考えていたところ、リフォーム費用は組み込まないという金融機関だったという事例もあります。
購入申し込みをする
事前審査(仮審査)が通ったら、購入申し込みをします。
これはまだ、物件の売買契約ではありません。
この中古マンションを購入する意志で、審査などを開始したところで本格的な購入手続きを進めるために申込者となります、という手続きです。
ここで、不動産会社との売買契約が本格化するのです。
中古マンション売買契約締結と手付金支払い
購入申し込みをしたあとは売買契約となり、そのときに手付金を支払います。
この手付金は、法的に決まっている金額ではありません。
50万円、100万円、200万円など、数字としての手付金額を決めている不動産会社や、物件価格の1割、つまり10%程度を手付金とすることを決めている不動産会社もあり、支払う金額はバラバラです。
購入を決める前に、手付金がいくらになるかを確認しておきます。
また、住宅ローンはこの後本審査となる流れです。
手付金を支払う、つまり売買契約の締結をするということになりますが、このときに、本審査に通らなかった場合のキャンセルについて、契約書にどう書かれているか、まず確認しておくことが重要です。
住宅ローンの仮審査、事前審査には通っても、本審査に落ちることはあります。
事前審査通過で売買契約を締結し、手付金は払ったものの、本審査には落ちたため、住宅購入費は確保できず、購入をキャンセルしたいと申し出ることが可能かどうか、これを契約締結前に確認しましょう。
これが明記されていないと、キャンセルができない大きなトラブルにつながる可能性があります。
住宅ローンの本審査
いよいよ最も大事な、といっても過言ではない、住宅ローンの本審査スタートです。
このときに必要な書類があります。
一般的に必要な書類は次の5つです。
・所得証明書
・前年分の源泉徴収票
・中古マンション売買契約書コピー
・住民票
・印鑑証明
これを必要提出書類としている不動産会社が多数です。
他に必要書類として、多くの書類を求める金融機関もあり、想定される書類を、事前にお金関係のプロや不動産会社に聞いておくほうがいいでしょう。
急いでそろえることができない書類もあり、必要書類を先にある程度調べておくべきという作業が多いのは、購入の流れのなかでは、ここが大変なところです。
共有名義で住宅ローンを組む場合には、その名義者の、同様書類が必要になります。
細かい審査をする金融機関では、入居する家族のことについて、属性や収入などといった情報の簡単な申告や書類提出が必要な場合もあります。
この本審査には、2週間から3週間かかります。
審査に通ったら、自己所有物件として所有権を移転する手続きができます。
本審査通過で住宅ローン契約
住宅ローンの本審査に通過したら、住宅ローン契約です。
契約をする金融機関に赴きます。
一般的に必要なものは次のとおりです。
・印鑑証明
・実印
・印紙
印紙は金額を金融機関に確認しましょう。
購入する中古マンションと、借りる住宅ローンの金額によって、契約金額が違うため、印紙の額は違います。
融資が実行されて所有権が移る
一般的には平日午前中に行われる手続きですが、購入する中古マンションの支払いができる
住宅ローンの融資が実行されます。
これで、中古マンションを購入できる資金を得られることが決まったということです。
前所有者から、所有権が移ります。
所有権移転手続きです。
金融機関で行われる所有権移転手続きには、不動産会社の担当者と、司法書士が同席します。
住宅ローンが認められたことで実行された融資により、購入のための費用はここで支払われますが、現金を目の前にするやり取りはありません。
振込書類と登記移転の書類を記入して、中古マンションという物件は所有権が自己所有になったという手続きが済みます。
購入代金および購入における諸費用は、売主である前所有者と、売買にかかわった不動産会社、所有権移転などの手続きにかかわる司法書士に対して振り込まれる流れになります。
リフォーム費用も完済する
リフォームを依頼していた場合には、工事の流れに差はありますが、中古マンション物件引き渡しのあと、入居までに、リフォームの竣工です。
中古マンションの場合には、他の部屋にリフォーム工事が入ることを、先に挨拶しておきます。
もちろん管理組合には、リフォームをすることは先に許可を取っておかなければなりません。
工事そのものに規則があるマンションや、リフォームをするなら提携業者が決まっているマンションなど、管理会社に確認しておかなければわからないことも出てきます。
リフォーム工事が終了し、損傷や未完部分がないことを立会いのうえ双方で確認し、後々にトラブルが起きないようにして、費用も完済しましょう。
リフォームが完了、リフォーム工事費用の支払いを終えたら、気持ちよく入居ができる状態になります。
無事入居へ
引っ越し業者を決めて、購入した中古マンションへの入居作業を行います。
入居の挨拶や、住所変更手続きなど、中古マンション購入に伴い、やるべきことは今後多く出てきます。大変ではありますが、新しい住居を楽しみましょう。
もしも今まで賃貸だった場合には、中古マンション購入によって、これから固定資産税が毎年課税されるということを計算に入れておきましょう。
安心・納得の住宅購入のために無料相談で不安解消
一般的な流れですが、中古マンションの購入について、紹介しました。
ざっくりとした流れのなかで、大きな費用の動きや、住宅購入のときにしか手にすることがない書類の手続きも必要になります。
一生に一度ともいえる大きな買い物です。
住宅購入には、不安を抱える人も多く、何をどう進めていいかわからないなか、希望していなかった物件を買って後悔したり、資金計画がうまく進められなかったり、困ったことが山積みのなかで諦めてしまう人も少なくありません。
まずは、お金のプロ、そして不動産購入のプロに、気軽に相談してみましょう!
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
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- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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