既存住宅流通量の地域別推計
不動産流通経営協会は4月19日、「既存住宅流通量の地域別推計について」(2020年)を発表しました。
全国都道府県を法務局ベースで調べてたもので、それによれば20年の既存住宅流通量は56万7721件となり、19年の60万4324件から減少しました。新型コロナウィルス感染の初年度に当たり、4月に初めての緊急事態宣言が出されて2ヶ月ほど営業ができなかったことが響きました。
全国で最も流通量の多い東京都は12万5000件(前年比13.8%減)となり、このうち東京23区が約85%を占めて約10万5000件でした。23区を見ると、「墨田区・江東区」のみが増えて約1万3000件(同1.6%増)でした。墨田区・江東区は15年以降から増加傾向にあり、旺盛な需要を印象付けました。
同じ城東エリアの「足立区・葛飾区」はおおむね横ばいで推移し、残りの区は軒並み減少しました。中野区では30.6%減と最も減少幅が大きかったです。台東区、豊島区、杉並区、渋谷区、目黒区でも減少幅が20%台となっています。
「千代田区・中央区・文京区」(同15.7%減)と「新宿区」(同6.3%減)でも減少しているものの、直近6年間では微増傾向を維持しています。
さいたま市(同2.6%増)や川口市(同2.6%増)、千葉市(同8.9%増)などは、テレワークの普及や広い間取りと販売価格との見合いなどから需要を引き付けたとみられます。
大阪府の既存流通量は5万6000件(前年比8.2%減)となり、大阪市が約2万6000件(同5.5%減)でした。愛知県は2万4000件(同11.1%減)となり、名古屋市が1万3400件(同4.3%減)でした。
人口流入と既存住宅流通量は相関関係にあるものの、FRKでは「愛知県内は新築志向が強く既存流通量が伸び悩んでいる」と話します。
地方4市を見ると、札幌市は16年を除き直近6年間で1万2000件台と横ばいで推移しています。札幌市は新築が引っ張って流通量が今後増加していくと見ます。
仙台市も横ばいで推移するが、既存住宅流通比率が40%近い水準まで上がっています。広島市と福岡市も流通量は緩やかな増加傾向にあり、いずれも既存流通比率が上昇しています。
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徳本 友一郎
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- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
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- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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