21年度首都圏新築分譲マンション市場動向
不動産経済研究所は4月18日、21年度の首都圏新築分譲マンション市場動向をまとめ、公表しました。供給戸数は2年連続増となる3万2872戸(前年度比13.2%増)で、18年度以来3年ぶりに3万戸台を回復しました。また戸当たり平均価格(以下、戸当たり)は6360万円(同6.1%上昇)で2年ぶりの上昇、1平米当たり単価(以下、平米単価)は95.3万円(同5.2%上昇)で10年連続の上昇。いずれもバブル期の90年度を超え、73年の調査開始以来の最高値を更新しました。
地域別の供給戸数では、東京23区、神奈川県、埼玉県がいずれも二桁増で全体の戸数を押し上げました。一方、東京都下は微減、千葉県では二桁減となっています。
価格については、東京23区で戸当たりが過去最高の8449万円(同11.7%上昇)、平米単価が130.8万円(同7.1%上昇)と高額化が進んだことが、全体の最高値更新につながりました。
また埼玉県でも価格が上がった半面、東京都下と神奈川県では戸当たり・平米単価の双方が下落し、千葉県では戸当たりが下落、平米単価が上昇という結果でした。
初月契約率は同5.2ポイント増加の72.9%で、15年度以来6年ぶりの70%台となりました。また年度末在庫は5881戸(同1476戸減)で、7年ぶりの5000戸台。全体の数字を重ねてみると、販売の好調を背景に供給は回復、価格は都心と郊外での二極化もうかがえる状況でした。
同日に公表された近畿圏の新築分譲マンション市場動向を見ると、供給戸数は1万8160戸(同11.8%)で3年ぶりに増加に転じました。地域別に見ると、供給戸数は奈良県と和歌山県で大幅減、兵庫県下で微減となったものの、そのほかの大阪・京都・神戸・滋賀といった各地域ではいずれも増加しています。
価格は戸当たりが4651万円(同11.8%上昇)で2年連続の上昇、平米単価が75.9万円(同8.7%上昇)で9年連続の上昇。共に全エリアで上昇しているほか、平米単価についてはバブル期を超え過去最高となりました。
初月契約率は70.0%で同2.5ポイントの減少ながら、12年連続の70%台は維持しました。
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徳本 友一郎
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