中古マンションの値引き相場はどのくらい?交渉のコツや注意点も紹介
近年、人気が上昇している中古マンション。マンションは高額な買い物なので、少しでもお得に購入できると嬉しいですよね。
そこで今回は、中古マンションの値引き相場や交渉のコツ、交渉するときの注意点などを紹介します。納得できる値段で中古マンションを購入できるよう、ぜひお役立てください。
中古マンションの値引き相場
中古マンションは、新築マンションとは違って定価がありません。そのため売主は、周辺の物件相場や物件の資産価値などを基に、売り出し価格を決定しています。
ここでは、中古マンションの値引き相場などを解説します。相場を把握して、交渉をスムーズに進めましょう。
値引き相場は販売価格の5~10%程度
一般的に、中古マンションの値引き相場は、売り出し価格の5~10%といわれています。とくに築30年以上の築古物件は、値引きされやすい傾向があるようです。
代表的な価格のうち、5%または10%値引きされた場合を一覧にしましたので、参考にしてください。
売り出し価格 | 5%値引きされた価格 | 10%値引きされた価格 |
---|---|---|
2,000万円 | 1,900万円 | 1,800万円 |
3,000万円 | 2,850万円 | 2,700万円 |
4,000万円 | 3,800万円 | 3,600万円 |
5,000万円 | 4,750万円 | 4,500万円 |
また、売り出し価格から端数を値切ってもらえることもあります。たとえば4,980万円で売られているものを、4,900万円にしてもらうケースです。
相場からかけ離れた値引き額を要求してしまうと、売主から売却を拒否される場合があります。値引き交渉は慎重に行いましょう。
中古マンションの値引き交渉をするコツ
ここでは「中古マンションをスムーズに値引き交渉するコツ」を6つ紹介します。交渉というと難しく感じますが、しっかりとコツを押さえておけば、成功する可能性が上がりますよ。
周辺の物件相場を確認する
まずは、周辺の物件相場をチェックしましょう。「同じエリア内で同程度の物件は、〇千万円くらい」という相場がわかると、欲しい物件が相場より高額だった場合に、交渉しやすくなります。
また、エリア内の相場を把握しておけば、欲しい物件が適正価格なのかもチェックできるため、不当に高額な取引をしなくて済むでしょう。
相場と価格差がある場合は、理由を確認しておきましょう。相場より高い場合、補修費用などが上乗せされているのかもしれません。
相場より低い場合は、「事故物件である」など何か売れない理由があって、値下げされている可能性もあります。
値引きしてほしい理由を明確に示す
値引き交渉するときは、値引きしてほしい理由を明確に説明しましょう。漠然と値引きを迫ると、売主に「横柄な態度で信用できない」と思われて、警戒されてしまう可能性があるからです。
たとえば、
「ぜひ購入したいと思っているが、予算を少しオーバーしている」
「水回りのリフォームが必要なぶん、値引きをしてほしい」
など、きちんとした理由を伝えられると信頼感が増します。
その際、支払い能力を心配されるような言い方は控えるのがベストです。
物件購入の意思をきちんと示す
物件購入の意思をきちんと示すことも重要です。
「どこまで値引きできるか提示してほしいが、買うかどうかはわからない」などのあいまいな態度だと、購入する確率が低いと判断されて、値引きしてもらえなくなる可能性が高いからです。
不動産の売買では信頼感が大切です。買主側にも誠意ある態度が求められるので、購入の意志がしっかりあることを示しましょう。
「〇千万円まで値引いてもらえれば、今月中に契約できる」などのように、具体的な交換条件を提示するのもおすすめです。
住宅ローンの事前審査を受けておく
住宅ローンの事前審査とは、申込者が住宅ローンを組んだ場合にきちんと返済能力があるか、あらかじめ確認しておく審査です。もちろん、事前審査だけでは正式な申込とはなりません。
しかし、交渉するときに「事前審査をクリアしている」と提示できれば、問題なく物件購入できるというアピール材料になります。その結果、交渉に応じてもらいやすくなるのです。
事前審査は、勤務先・勤続年数・年齢・年収などを書類に記入して金融機関へ提出します。3~7日程度で審査完了となるので、結果を大切に保管しておきましょう。
信頼できる仲介業者を味方につける
基本的に、中古マンションの取引では、売主と買主の間に不動産会社が入ります。そのため、仲介してくれる不動産会社が優秀で、信頼できる業者であることが大切です。
中古マンションの取引実績が豊富で、実力のある業者を選びましょう。また、営業担当者の人柄も注意深くチェックし、自分と相性が良い人を選ぶと安心できます。
実績が乏しく、交渉能力の低い仲介業者を選んでしまうと、値引き交渉が難航してしまうので要注意です。
値引き交渉をするときの注意点
ここからは、「中古マンションの値引き交渉をするときの注意点」を4つ紹介します。
値引き交渉をする際は、売主と不動産会社のどちらからも信頼を得ることが重要です。言葉選びや態度に配慮して、値引き成功の確率を上げましょう。
大幅な値引きを要求しない
中古マンションの値引き相場は、一般的に売り出し価格の5~10%程度といわれています。あまり大幅な値引きは、要求しないようにしましょう。売主から不信感を抱かれると、交渉が難しくなってしまいます。
中古マンションの値引き販売は、あくまでも業界で慣習化しているだけであり、売主の義務ではありません。値引き交渉は、買主の要求を押しつけるのではなく、売主とお互いの納得できる条件を擦りあわせるようなイメージで、誠実に取り組みましょう。
物件の悪口を言わない
「水回りの設備が古い」「床や壁が傷んでいる」などの不具合は、値引き交渉の材料となります。しかし、失礼な言い方にはならないよう、気をつけなくてはいけません。
売主も人間なので、売り出した物件へ悪口を言われれば、不快に感じてしまいます。失礼な言動をすると取引自体を拒否され、交渉の余地がなくなってしまう可能性もあるのです。
もし、不具合を交渉理由にしたい場合は、その物件を前向きに検討している点も伝えたうえで、配慮のある言い方を心掛けましょう。
購入検討者が他にもいるか確認する
自分の他にも購入検討者がいるか確認しておきましょう。購入検討者が複数いる場合、売主はより高い金額で、早く契約してくれるほうを選ぶからです。
せっかく値引き交渉の材料を揃えても、ライバルに先を越されては、労力が無駄になってしまいます。購入検討者がどのくらいいるか確認し、自分が優先的に交渉できるよう対策しましょう。
・住宅ローンの事前審査を早めに受けておく
・仲介業者と連絡をマメに取ってスピーディーに話を進める
などの対策ができると安心です。
住宅購入者が多い時期を避ける
住宅購入者が多い時期を避けて物件探しするのも、有効な手段です。できる限りライバルの少ない時期に値引き交渉をすれば、成功する確率が上がるでしょう。
一般的に春と秋は、人事異動や進学などに合わせて物件を購入する人が増えるので、競争率が高くなります。狙い目な時期は夏と冬です。
6~8月頃は、春に売れなかった物件が値下がりしやすくなります。また、「年内で売却したい」と考える売主は多いため、11~12月頃も交渉に応じてくれる可能性が高いでしょう。
値引き交渉のタイミングと流れ
ここでは「値引き交渉をするタイミングと、大まかな流れ」を解説します。
値引き交渉に適したタイミングは、物件の買付証明書(購入申込書)を記入して提出するときです。最適なタイミングで交渉し、スムーズな契約ができるようにしましょう。
タイミングは買付証明書を記入するとき
買付証明書とは、買主が売主へ物件購入の意思を伝えるための書類です。「提出したら必ず購入しなくてはいけない」というわけではありませんが、購入を真剣に検討していると示すための重要な書類となります。
買付証明書へ金額を記入する際に、希望購入価格として、売り出し価格よりも低い金額を書きます。買付証明書を通して値引きしてもらいたい旨を示し、交渉へ入るのです。
基本的には、買付証明書を提出した順に交渉が進められていきます。しかし、他の購入検討者のほうが売主にとって好条件だった場合は、先を越される可能性があるので要注意です。
値引き交渉の大まかな流れ
1.物件の内覧などをして現状を把握します。
物件の状態や周辺の相場なども確認し、交渉材料を集めましょう。
2.住宅ローンの事前審査を受けておきます。
3.買付証明書を記入し、値引き交渉に入ります。
4.交渉の結果が出て、納得いく条件となれば、売買契約を結びます。
値引き交渉するときは、おおよそこのような流れです。仲介する不動産会社や、売主の都合によって前後する場合もあるので、目安として参考にしてください。
中古マンションの値引きされやすいケース
基本的に値引きできるかどうかは、物件の状態や、売主の状況に左右されることがほとんどです。
ここでは、数ある中古マンションのうち、とくに「値引きされやすいケース」を3つ紹介します。
売り出してから3ヶ月以上経っている
基本的にマンションは、売り出した当初がもっとも高額です。
時間が経つにつれて、少しずつ価値が下がっていきます。
とくに、売り出してから3ヶ月以上経っている中古マンションは狙い目です。売主が不動産会社と媒介契約(買主との仲介業務を依頼する契約)をしている場合、3ヶ月ごとの契約になっているケースが多いためです。
契約更新する際に、物件の価格を見直しすることが多いので、値引き交渉のタイミングにも適しているといえます。
売主が売却を急いでいる
・売却したお金を何かの資金に充てたい
・遠方へ転勤するため、早めに売却して引っ越したい
・マンションを相続したが、住まないので早めに売却して現金化したい
このように、売主が売却を急いでいる場合は、値引き交渉に応じやすいです。売主がなぜ物件を売却したいのか、やんわりと不動産会社へ聞いてみると良いでしょう。
プライバシーに配慮して教えてもらえない可能性もありますが、少しでも売主の状況がわかれば、交渉しやすくなります。
売主が法人ではなく個人である
売主が法人の場合は、物件を仕入れるためにかかった費用や、リノベーション代金なども、販売価格に上乗せされているケースが多いです。そのため、特段の事情がない限り、値引きしてもらうのは難しくなります。
しかし売主が個人であれば、売主の経済状況や、時間的な余裕があるかによって、値引きしてもらえるかが変わってきます。そのため、売主が個人であるほうが交渉しやすいのです。
気になる物件を見つけたら、売主が個人かどうか確認してみましょう。
中古マンションの値引き交渉の具体例
ここまで、中古マンションの値引き交渉のコツや、注意点を紹介してきました。しかし「具体的にどう相談したら良いのだろう?」と心配な人もいるでしょう。
そこで、ここからは「よくある値引き交渉の具体例」を3つ紹介していきます。
家庭の事情を相談する場合
家庭の事情で値引き交渉したいときは、ライフイベントに絡めて相談すると良いでしょう。
「近いうちに子どもが進学するので、学費がかさむようになります。この物件は気に入っていて、ぜひ購入したいと思っているのですが……予算より少し高いので、100万円だけでも値引きしていただけないでしょうか?」
たとえば、上記のような言い方です。
売主の良心に訴えつつ、具体的な値引き金額も提示しています。支払い能力を心配される言い方は避け、あくまでも良識の範囲で値引いてほしいと提案するのがコツです。
他の物件と比較している場合
他の物件を引き合いに出す場合は、非常識にならない程度で、価格差を伝えると良いでしょう。
「実は、他で紹介してもらった物件と迷っています。同じような間取りのマンションで、300万円ほどお安くて……。できればこちらの物件に決めたいので、同程度の金額になるよう値引きしていただけないでしょうか?難しいようでしたら、販売価格の5%である200万円ほど引いていただけるだけでも助かります。」
このように具体的な価格差を伝えつつ、譲歩案も提示します。「300万円値下げしてほしい」だけでは横柄に感じるかもしれませんが、譲歩する姿勢を見せると印象が良くなるでしょう。
購入後にリフォームが必要な場合
購入後にリフォームが必要なときは、具体的な見積もりを伝えて、協力を仰ぐような姿勢で交渉すると良いでしょう。
「この物件をとても気に入り、購入したいと考えています。できるだけ長く住みたいので、傷んでいるところをリフォームする予定です。業者に見積もりを取ったら100万円ほどだったので、せめて端数の80万円だけでも値引いていただけると嬉しいのですが……。」
このように、見積もりの金額を交えて相談すると、説得力が増すでしょう。もし値引きができない場合も、代わりに希望した箇所を補修してもらえる可能性があります。
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徳本 友一郎
- 所属会社:
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- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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