マンションデータ白書2021
東京カンテイはこのほど、「マンションデータ白書2021」を発表しました。首都圏の中古マンションは価格上昇が続き、面積帯別流通シェアでは60平米以上が縮小していることが分かりました。同社データベースに登録されているマンション(首都圏は約8万8200棟)から発生する売り事例(売り希望価格の件数)を集計し、21年までに流通した物件の傾向を分析したものです。
21年の中古マンションの1戸平均価格は3715万円で20年比プラス6.5%と大きく上昇しました。14年から8年連続の上昇となりました。「コロナ禍で価格が下落するどころか、上昇が加速している状況」(同社)。
背景には、「コロナ禍でも新築マンションの価格が下がらなかったこと、新築マンションの供給減少で中古マンションが購入ニーズの受け皿となったこと、価格が高騰する中で妥協的に安価な中古マンションを求める人が増加していること」などがあると同社では分析しています。
また平均専有面積は58.94平米で前年比マイナス4.9%と縮小に転じました。60平米を下回ったのは5年ぶりです。
平均坪単価は前年比プラス12.0%の208.4万円で、前年(186.1万円)から大きく上昇し、一気に200万円台に乗りました。1戸平均価格と同じく8年連続の上昇となりました。
また、近年の専有面積帯別の流通シェア推移を見ると、20年まではわずかずつではあるが広めの面積帯が拡大していました。特に20年は30平米未満の流通シェアが縮小しました。ただ、21年はこの流れが一変しました。前年からのシェアの動きを見ると、30平米未満が11.9%→14.9%、30平米以上50平米未満が14.2%→16.2%となり、それぞれ大きく拡大。一方で、60平米以上の各面積帯(60平米台、70平米台、80平米以上90平米未満、100平米以上)では前年よりわずかにシェアを縮小させています。
同社では、「21年はワンルームマンションの流通が増加する以上に70平米以上の流通件数が大きく減少しており、コロナ禍で家に広さが求められる中で、広さに満足感のある専有面積の広い物件は、売り出されなくなったことが要因と推察される」としています。
築年数別の流通シェア推移を見ると、「築20年以上」が最も大きな変動を示しています。17年以降は、53.0%→53.1%→56.0%→59.6%→62.7%→65.2%と一貫して拡大。これは、新築マンションの供給が減少傾向であるのに対し、マンションストックは年々築古化しているため。一方で、「5年未満」は前年から6.6%→6.9%、「5年以上10年未満」は前年から8.4%→9.0%へと増加しているのも特徴。
同社では、「特に資産性に着目した高額物件が築浅で流通する動きが強く、今後も投資的動きを反映して築浅物件の増加とストック自体の高齢化による築古化が同時に強まるものとみられる」と分析しています。
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
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- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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