ローコスト住宅で失敗したくない!メリットや注意すべきポイントとは
ローコスト住宅とは?
ローコスト住宅とは、住宅メーカーや工務店が安く価格を抑えた『低コスト住宅』のことを指します。各メーカーの企業努力により、低コストながら高品質な住まいを実現しています。
都市部でも、土地代が高くない場所であれば1,000万円〜2,000万円前後で夢の戸建てが叶うのです。
限られた予算の中でも、最大限施主の希望に沿うように各住宅メーカーは工夫を凝らしています。
ローコスト住宅は何年住める?
ローコストと聞くと、「安かろう悪かろう」というイメージがある人もいるのではないでしょうか。しかし、ローコスト住宅は建材や建築方法、間取りや販売方法を工夫して低価格にしているため、「ローコスト住宅だから質が悪い」ということはないのです。
一般的に、木造の戸建て住宅は新築の状態から木造建築で約30年、鉄筋コンクリートでは約50年も住めると言われています。メンテナンスをしながら大切に住めば、90年は住めるでしょう。
もちろん、すべての不動産会社や住宅メーカー、工務店が誠実な建築を必ずしているとは言いがたく、構造計算書を偽造していた事件や、手抜き工事による欠陥住宅事件があります。業者選びはしっかりと行う必要があるのです。
ローコスト住宅の価格相場はいくら?
住宅の価格を考えるときは、坪単価に注目しましょう。坪単価は、『建築価格÷延べ床面積(坪)=1坪単価』という式で求めることができます。
価格を抑えたローコスト住宅は、まだ若い20代のマイホームや、所得があまり高くない世帯におすすめです。家を買うことが目的で、家にこだわりがあまりなく、建築コストを抑えて別のものにお金を回したいといった家庭に向いている住宅といえるでしょう。
ローコスト住宅の価格は?
ローコスト住宅の平均的な価格相場は、1,000万円~2,000万円程度です。これは、一般的なグレードの住宅よりかなり低い価格であり、手の届きやすい単価であるといえるでしょう。
住宅金融支援機構の『2020年度 フラット35利用者調査』では、土地付きの注文住宅の建築費平均が公示されています。
全国平均は、建築費が約2,960万円、土地取得費が1,436万円、住宅面積219.1㎡となっています。関東圏では建築費約2,851万円、近畿圏は約2,884万円、東海圏は約3,112万円です。
これら全国平均から見ても、ローコスト住宅の1,000万円、2,000万円という価格が非常に低い価格であることが分かります。
参考:フラット35利用者調査 2020年度集計表「土地付注文住宅」より
ローコスト住宅の坪単価は
ローコスト住宅の坪単価平均は、1坪30~50万円前後と言われています。20坪だと本体価格が総額で約800万円、40坪だと約1,600万円で家が建つイメージです。
先ほどの『フラット35利用者調査』において、全国平均の平均坪単価は約68万円です(※1)。首都圏の坪単価は約69万円、近畿圏は約66万円、東海圏は約69万円となっています。地方によっても坪単価は大きな違いがあり、そのぶん建物の値段も変動します。
全国平均の坪単価を見てみても、ローコスト住宅の坪単価がいかに安いかが分かります。
※1 建設費の本体工事費用を7割に設定、本体工事費用から坪数で坪単価を算出
ローコスト住宅はなぜ安い?理由は徹底したコストカット
ローコスト住宅が、全国平均から見ても非常に安いことがわかりました。しかし、安いものには必ず理由があるものです。「安いから粗悪品なの?」と心配する人もいるのではないでしょうか。
ここでは、ローコスト住宅の安さの秘密について解説していきます。
材料費の大量仕入れによるコストカット
まずは、材料によるコストカットです。ローコスト住宅では、大量仕入れ・同一品質の材料を使うことにより、建物全体の値段を下げています。
畳一枚、柱一本といえども、それがいくつも寄り集まった建築物は、一本単位の値段が全体に大きく影響します。また、トイレや浴槽、照明器具などの設備もグレードを統一させ、大量に購入することにより、単価が下がります。
ただし、高級住宅に使われているようなハイグレードな建材を使っては価格を抑えられないので、ローコスト住宅で使われている材料は多少グレードが低いものになるようです。
人件費の生産性向上によるコストカット
人件費は、さまざまにかかる経費の中でも高い割合を占めています。ローコスト住宅の場合は、同じような間取り・同じような作業工程にすることにより、作業人数そのものを抑えてコストカットしています。
どの現場でも同様の扱いができる材料で職人の効率を上げ、現場監督の負担を減らし、品質を保ったまま安く施工できるのです。
ハウスメーカーや工務店によっては、現場でカットする材料をあらかじめ工場や他の場所で大量にカット・加工しておき、現場では組み立てるだけという工夫をしている会社もあります。また、自社で販売網を持たず、不動産会社に任せることで宣伝にかける人件費を下げている会社もあります。
広告宣伝費の最適化によるコストカット
ローコスト住宅では、有名なハウスメーカーのように、大きな住宅展示場を設けてモデルハウスを案内したり、芸能人を使ったテレビCMを何度も放映したりといった、大々的な広告を打つことができません。
それは宣伝費を抑えて材料費や人件費に回すためであり、大きなコストカットにつながるためです。
地域密着型の工務店では人づてに評判が伝わっていたり、テレビCMでもローカル局の昼間に放送していたりと、広告宣伝費を適性にコントロールすることにより、費用を抑えているのです。
設計プランの限定によるコストカット
ローコスト住宅は、プランの変更や多様なオプションは付けられないのが基本です。家のデザインや設備、間取りなどは設計の段階から細かく決められています。画一的な形にすることによって作りやすく、完成までの期間も短く済ませられるのです。
住宅自体の形も、なるべく作りやすいシンプルな形にデザインされています。部屋数を減らしたり、コンセント数を少なくしたりといったところにも、コストカットの努力が見て取れるのです。
また、施工した業者が水道や電気などのライフライン工事を請け負ったり、自社ですべてまかなっているなど、総合的なコストダウンを実現させています。
ローコスト住宅のメリット・デメリットは?
ローコスト住宅にはメリットが多そうですが、当然デメリットも存在します。良い面、悪い面の両方をしっかりと確認することで、自分自身の納得するポイントがどこなのか、こだわりがある部分は何なのかが見えてきます。
ローコスト住宅のメリットとデメリットを、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ローコスト住宅のメリット
ローコスト住宅の大きなメリットは、「安さ」です。
安さ
同じ建物を建てるときに、本体工事費用の安さは重要なポイントです。同じ土地代だったとしても、建物の価格が低ければその分支払うお金は少なくて済むのです。
土地代が1,500万円、建築費が2,000万円の建物の場合、30年払いのローンで金利が1%、ボーナス払い無しでは、月々の支払い額は約11.2万円になります。しかし、同じ土地代1,500万円でも、建築費を1,500万円まで抑えることができれば、月額返済費は約9.6万円まで下がるのです。
また、建物の建築費を抑えることにより将来の貯蓄も貯めやすくなります。将来、子どもが育って建て替えを検討したり、間取りを変更したりする際にも、初期費用が安い方がハードルも下がって検討しやすくなるのです。
建築期間の短さ
ローコスト住宅では、建築期間は約2~3ヶ月が平均であると言われています。一般住宅の工期は約4~7ヶ月とされているので、ローコスト住宅の工期が非常に短いことが分かります。
ローコスト住宅は、建材や建て方があらかじめ決まっており、オペレーション化されているところが多いのです。職人も同じような建物を建てるため慣れており、スムーズに進めることができるのです。
さまざまなオプションや複雑な形、オリジナリティのある建築は、一棟ずつ建て方や施工方法が異なります。イレギュラーな対応になるのでその分、通常と比較して追加で工期が必要になるのです。
ローコスト住宅のデメリット・失敗例
次に、ローコスト住宅のデメリットを見ていきましょう。失敗例を知っておくことにより、事前に「どのポイントが問題になりやすいのか?」がわかり、対応策がとりやすくなります。
耐久性に不安を感じる
ローコスト住宅の平均的な寿命は、約30年と言われています。しかし、これは一般的な住宅でもさほど変わりません。住宅の寿命を決めるのは、建材が何であるかという点です。それぞれの建材による平均的な耐用年数は下記のとおりです。
・木造建築…約30年
・鉄骨建築…30~50年
・鉄筋コンクリート造…40~90年
鉄筋コンクリート造に比べると、木造建築の耐用年数がとても少ないことが分かります。木の建築はシロアリや害虫の影響を受けやすいですが、リノベーションすれば平均的な耐用年数より長く住み続けることは可能です。
コストカットの影響で日常生活に不満が募る
ローコスト住宅のコストカットの工夫として、『安い建材を使用する』というものがあります。安い断熱材を使用することで、寒さや暑さがダイレクトに伝わってしまい、電気代や暖房代がかさむことが考えられます。防音材も安いものを使用していれば物音が響き、日常生活に不満が募るかもしれません。
また、木造建築に使用される柱は場所によってサイズが大きいものを使用します。通し柱と呼ばれる、一階から二階を貫く大きな柱は、120角(120mm四方)が一般的ですが、ローコスト住宅は間柱に使われている105角(105mm四方)ですべて統一されており、強度の問題から天井が低くなってしまう場合もあるのです。
長期的なメンテナンスコストが肥大化する
日本では地震や台風など自然災害も多く、長く住み続けていると雨漏りや汚れなどの不具合が出てきます。
メンテナンスはどの住居にも必要です。ローコスト住宅はグレードの低い建材を使ったり、部材も安いものを使用しているため、長期的な視野で見るとメンテナンスコストが肥大する傾向にあります。
日々、しっかりと掃除して家の寿命を延ばす、定期的な点検を行うなど、長く住み続けるための工夫が必要になってきます。
ローコスト住宅に強いハウスメーカーランキング
ローコスト住宅を売りにしている、有名なハウスメーカーの特徴をランキング形式で紹介します。それぞれのメリットを確認してみましょう。
アイフルホーム
運営元は『株式会社LIXIL住宅研究所』になります。フランチャイズの先駆けともいわれており、代理店は全国に約200店舗存在する大手ローコスト住宅メーカーです。
中間マージンによるコストを削減し、LIXILの設備や建築ノウハウ、内装を使用することで、高品質ながら驚くような低価格で住宅を販売しているのです。
また、アイフルホームの『web housing』という、ネット販売限定の家では、『i-Prime7(アイプライム7)』というプランがあります。これは700万円から新築戸建てが建てられるプランで、非常に人気があります。
アイダ設計
「555万円の家」や「888万円の分譲住宅」など、アイダ設計では、ローコストながら高品質・高機能の住宅技術獲得に邁進してきました。耐熱と耐震を兼ね備えた『ブラーボ』は、最長で35年間の長期保証がついて平均販売価格1,000万円で購入が可能です。
また、土地の仕入れからアフターフォローにいたるまで、すべてを自社で一本化しました。さまざまな工夫により、高品質ながらローコストの住宅を実現しているのです。
タマホーム
タマホームでは、「Happy Life,Happy Home.」や「坪単価25.8万円の家づくり」というキャッチーなテレビCMで、一躍知名度を広げました。
また、「20代のTamahHome」として、20代という若年層の家族でも夢の新築一戸建てが持てるプランを実施しています。年収400万円でも、理想の家が建つと人気になっています。
ローコスト住宅で後悔しないための確認ポイント
ローコスト住宅は、収入や年齢が低くても、月々の家賃と同等の支払いで一戸建てが購入できる夢のような住宅です。後悔しないためのポイントを確認しておきましょう。
ローコスト住宅に恥ずかしさを感じないか?
ローコスト住宅は、見た目のデザインや設備がほとんど一緒です。外観ですぐに「ローコスト住宅だ」と分かってしまうため、恥ずかしさを感じる人もいます。
しかし、安く家を建てるのは決しておかしなことでも、恥ずかしいことでもありません。何にお金をかけるのか、その価値観はその人次第なのです。
日常生活で多少の不満を許容できるか?
騒音問題や遮熱性、間取りやデザインのシンプルさなど、実際に住んでみて初めてわかることは多々あるでしょう。
賃貸ならばすぐに引っ越せば解決する問題でも、戸建て住宅ではそう簡単に建て替えることはできません。
細部まで外装・内装を確認し、起こりうる問題をきちんと受け止められるか、多少の不便を許せるかは、考えておくべきポイントです。
検討している業者や相談相手は信頼できるか?
不動産会社や工務店では、残念ながら「安い粗悪品」を押しつけようとしてくる業者は存在します。
一見すると親切そうに相談に乗ってくれていても、余計なプランや必要のない工事などが盛り込まれていないでしょうか?
相談する相手は、重要です。専門の知識を持ち、相談の実績のあるプロに相談しましょう。
住んでいる人の実際の声を聞けないか?
口コミが信頼されるのは、実際に購入し、使用したことがあるためです。ハウスメーカーや工務店の購入者の声は、ネットを探せば出てくるかもしれません。しかし、その声が本当に購入者のものであるかどうかは、確認してみる必要があるでしょう。
ハウスメーカーの公式サイトに記載されているインタビューや、会社や友人で注文住宅を建てた人など、なるべく情報源が見えやすいところからの声を拾いましょう。
お金と不動産のプロに相談して、下落の不安に備えよう
家選びは、失敗できない高額な買い物です。購入後に物件の価格が下落する心配もあるでしょう。
坪単価を平均価格以下に抑えるためには、質の高い、鮮度の良い情報が必要です。やみくもに情報収集するよりも、お金のプロに相談することで確かな情報が得られます。
不動産取引のプロが無料で、戸建て・注文住宅の相談に乗ってくれます。一人で悩む前に、まずはお気軽にお問い合わせください。あなたの素敵なマイホーム作りを全力でサポートいたします。
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