24年版各白書閣議決定
政府は6月18日、国土交通省の取りまとめた24年版の各白書(年次報告書)を閣議決定しました。住宅・不動産業界と関連の深い政策分野の白書としては、主に「土地白書」「首都圏白書」が挙げられます。同日には併せて、「観光白書」と「水循環白書」も閣議決定。各白書の概要のほか、不動産分野に影響のある項目をまとめました。
土地白書は3部構成で、それぞれ「土地に関する動向」「23年度に講じた施策」「24年度の土地関連施策」を分類して紹介しています。第1部では昨年に続き、時流に応じた主題で官民の取り組みを紹介する「テーマ節」を設けました。今回は「サステナブル(持続可能)な土地利用・管理に向けた取り組み」と題し、自治体や民間企業等による特徴的な事例を紹介。6月11日に閣議決定された、新たな土地基本方針と共通するテーマであり、同省土地政策審議官グループの担当者は、「同基本方針に基づいて(土地関連の)施策を動かしていくという意味で、互いに連動するものであり、ここではその具体的事例を選定、紹介した」と説明します。
第1部ではこのほか地価動向や不動産市場の動向などのデータを掲載し、第2部では近年の土地関連法令や国の方針等に基づく施策を列挙。24年度の施策を記載した第3部は、「テーマ節」と同様に同基本方針を重視し、「適正な土地利用及び管理の確保」に向けた施策の紹介に大幅な紙幅を割きました。
首都圏白書で目立ったのは、「東京一極集中」に関する項目です。東京圏の転入超過数は、コロナ禍で一時的に減少したものの、23年には3年ぶりに10万人を超えました。一定以上の規模の法人や県内総生産の全国シェアも引き続き高く、「ヒト、モノ、カネが東京圏、特に東京都に集中する『東京一極集中』の状況は継続」と結論付けています。
一方で、同白書では、東京集中と一部異なる動きも表れている点にも言及。今回新たに「コラム」のページを設け、「多様化する働き方や暮らし方とアフターコロナの新しい人の流れ」と題した分析を記載しました。それによると、ライフスタイルの変化や都区部の住宅価格高騰を背景に、都内の子育て世帯が近郊エリアへ転出する傾向が見られます。
今後の首都圏整備の方向性としては、防災力や国際競争力の強化、環境との共生といった分野のほか、東京一極集中への対策へ向けた「関係人口拡大」などの施策も引き続き行っていくこととしました。
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
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