不明地対策の基本方針案
政府は6月10日、第13回「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」を持ち回りで開催し、所有者不明土地(不明地)当対策の新たな「基本方針」及び「工程表」を決定しました。同会合では併せて国土交通省、法務省、農林水産省、総務省による検討状況も報告され、直近の動向・施策として両文書に反映されています。
基本方針については、土地所有者の責務や地籍調査の加速化、不明地等の円滑な利活用・管理といったこれまでの主要項目を踏襲。その中で、3月に報告書を取りまとめた現「国土調査事業十箇年計画」後半における方向性や、4月に制度を開始した相続登記の申請義務化など、不明地等対策に関わる直近の政策を整理、追加しています。
加えて、国土交通省の有識者会議における検討をまとめた「土地基本方針」変更案についても盛り込んでおり、同案は翌11日に閣議決定されています。新たな制度としては、26年施工予定の「住所等変更登記の申請義務化」「所有不動産記録証明制度の新設」などに言及し、行政機関間の情報連携の上で運用体制の整備を進めることとしました。
併せて、マンション関連法制の改正についても基本方針に明記しました。急増する老朽化マンションにおいても、所有者不明化・管理不全化の信仰が見込まれているため、不明地等対策の一環として対策を進めます。
法務省の法制審議会で検討が進められてきた区分所有法等の改正案については、「速やかな国会提出を目指す」と記載。更に工程表では「24年中の提出」と位置付けています。現在会期中の通常国会では未提出のため、今秋開催見込みの臨時国会で提出、成立を図るものと考えられます。
これと連動し、「マンション管理適正化法」及び「マンション立替え円滑化法」についても見直しの検討を進め、基本方針と工程表の双方で25年の「時期通常国会での法案提出」と明示。国交省によると、管理では自治体の権限強化など「管理不全マンションへの対応強化」、建て替えではマンション再生事業等の決議ルール変更を念頭に置いた「区分所有法の見直しに応じた事業手続きの整備」が各法改正案の軸となる見込みです。
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徳本 友一郎
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