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家・住宅購入コラム

新たな土地基本方針を閣議決定

政府は6月11日、土地基本法に基づく「土地基本方針」の変更を閣議決定しました。同方針の変更は、21年5月以来約3年ぶり。新たな方針では、人口減少等による土地・建物の低未利用化の進行を踏まえ、「『サステナブルな土地の利用・管理』の実現」を全体目標として掲げました。
新たな土地基本方針の主な内容は、①適正な土地の利用及び管理の確保を図るための措置等、②土地の取引に関する設置、③土地に関する調査、情報提供等、④土地に関する施策の総合的な推進の4点です。全体目標の「サステナブルな土地の利用・管理」に直接関連する施策を中心に、不動産分野のデジタル化・オンライン化や防災分野の施策、土地・不動産人材確保に向けた取り組みなどについても方向性を示しました。
主軸となるのは①で、引き続き増加する空き地・空き家党の低未利用地や所有者不明土地(不明地)への対応、土地の有効利用と適正管理に向けた措置等が並びます。具体的には、かつて主流だった「土地の宅地化」から、「『非住宅化』を含む土地利用の円滑な転換」へと方向性を改める姿勢を明記。改正空家特措法や不明地方に基づく制度の推進、工場跡地や廃墟等の有効利用などと併せて、社会情勢の変化に伴う土地ニーズの偏在・減少への対応を目指します。足元の施策として、「まちづくりGX」推進や区分所有法制見直しなどにも言及しました。
②においても、土地の持続的な利活用を念頭に置き、不動産市場の環境整備による需要喚起と流通活性化を図ります。個別施策としては、税制特例を始め、インスペクションや安心R住宅による既存住宅流通促進、不動産取引におけるデジタル活用推進、不動産IDの社会実装に向けた取り組みなどを挙げています。土地関連の情報基盤整備や「空き地・空き家バンク」活用、本格的なランドバンクの育成検討、不動産投資市場の活性化へ向けた不動産クラウドファンディングやESG投資の拡大にも取り組みます。
③は、国土調査の推進と、相続登記義務化等による不動産登記情報の最新化を筆頭に挙げました。国土交通省による市場動向調査や「不動産情報ライブラリ」の提供、デジタルツインの「プロジェクトプラトー」をはじめとしたDX推進なども継続的に進めます。
これらの分野以外で、土地に関する施策の推進につながる個別項目を④としてまとめました。水災害の激甚化を踏まえた「流域治水」のほか、不動産鑑定士を始めとした土地・不動産の専門人材の育成・確保を重視し、各種方策の検討、実施を行っていきます。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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