Column

家・住宅購入コラム

23年度通期及び24年3月の建築着工統計調査報告

国土交通省は4月30日、23年度通期及び24年3月の建築着工統計調査報告を発表しました。23年度の新設住宅着工戸数は、2年連続の減少となる80万176戸(前年度比7.0%減)。コロナ禍により低迷した20年(81万2164戸)を下回り、リーマン・ショックの影響により着工が大幅に落ち込んだ09年(77万5477戸)以来の低水準となりました。すべての用途で前年度比減少となっており、新設住宅着工床面積は6219万5000平米(同9.4%減)と、同じく2年連続で減少しました。

23年度の利用関係別戸数を見ると、持ち家は21万9622戸(同11.5%減)で、2年連続の減少となりました。また、前年度に続いての二桁減でした。戸数としてはコロナ禍やリーマン・ショック時も大幅にしたまわり、1959年の20万7546戸以来の低水準となっています。同省住宅局は主な要因として、「事業者へのヒアリングでは、『物価上昇や、資材費の上昇に伴う消費者マインドの低下』が23年度中に継続して挙げられていた」と説明します。
貸家は34万395戸(同2.0%減)で、3年ぶりに減少に転じました。直近10年間では、上から7番目の水準となります。「法人を中心に一定のニーズがある」(同省住宅局)ことなどから、サブリース問題の影響で大幅な着工減が続いた19~21年度は上回る水準を保ったものの、前年度比ではやや減少となっています。分譲住宅は23万5041戸(同9.4%減)で、3年ぶりの減少であり、直近10年間で最も低い水準でした。このうち戸建ては13万3615戸(同7.4%減)と同じく3年ぶりの減少で、直近10年間では上から7番目。マンションは10万241戸(同12.0%減)で、前年度の増加から再び減少に転じ、直近10年間での最低水準となりました。
同省住宅局は分譲についての事業者ヒアリングとして、「戸建ては、持ち家と同様の要因に加え、事業用地の不足もあり、足元の販売は弱含んでいる状況」と説明。マンションは「大規模物件の影響で単年度の個数水準は増減の幅が大きい」としつつ、「持ち家と同様の理由から、長期的には減少傾向になるのでは」との声が聞かれたと述べます。

23年3月の新設住宅着工戸数は、10ヶ月連続の減少となる6万4265戸(同12.8%減)で、直近10年間における最低水準でした。新設住宅着工床面積は484万8000平米(同12.9%減)で14ヶ月連続減、季節調整済年率換算値は76万戸(前月比4.4%減)で3ヶ月連続減でした。
内訳は、持ち家が1万6637戸(前年同月比4.8%減)で28ヶ月連続の減少でした。貸家は2万8204戸(同13.4%減)で前月の増加から再び減少に転じました。分譲住宅は1万9189戸(同16.8%減)で3ヶ月連続の減少でした。このうち、戸建ては1万113戸(同12.7%減)で17ヶ月連続減、マンションは8977戸(同21.1%減)で3ヶ月連続減でした。
持ち家については、依然として減少傾向が続いているものの、直近6ヶ月間にわたって続いた二桁減は止まりました。
他方、2ヶ月連続で増加していた貸家が大幅な減少に転じたことで、全体としては23年4月以来11ヶ月ぶりの二桁減へと落ち込みました。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

おすすめ記事

営業電は0!住宅購入のプロに相談しよう

×

ページの一番上へ