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家・住宅購入コラム

収入合算とペアローン、どっちがいいの?

最近では、共働き世帯も多くなっています。夫婦双方に収入がある場合は、「収入合算」や「ペアローン」を利用して住宅ローンを組むこともできます。これらを利用することにより、単独で借り入れを行うよりも、借入額を増やすことができます。ここでは、「収入合算」と「ペアローン」の違いやそれぞれのメリット・デメリットを見ていきます。

 

■収入合算とは

配偶者等の収入を含めて返済比率を計算し、借入をすることができます。この場合の合算者の収入の見方は金融機関により異なり、100%まで見れるところや、50%までしか見れないところ、または合算者の100%もしくは主債務者の50%のどちらか低い方までとするところ等がありますので、その都度確認してみてください。メリットとしては、ローンの借入はあくまで主債務者1本になるので、ペアローンと比べると、事務手数料や登記料等の諸費用が抑えられます。デメリットとしては、収入合算者は債務者ではなく連帯保証人という扱いになるため、住宅ローン控除の対象にはなりません。もう一つは、収入合算者は団体信用生命保険に加入することが出来ない点です。加入できるのは債務者のみです。その為、債務者に万が一のことがあった場合、残債は全額保険でカバーできますが、合算者に万が一のことがあっても、残債は全額残ってしまいます。また、収入を合算してローン借入額を増やしたとしても、ローン借入分は全て債務者の持ち分と判断されます。合算者がその分の持ち分を持つと贈与と捉えられてしまうので、注意が必要です。

 

■ペアローンとは

それぞれの収入を基に返済比率で計算をして借り入れができます。それぞれが債務者であり、それぞれがお互いの連帯保証人となります。その為、メリットとしては、両者とも住宅ローン控除の対象となり、両者ともが団体信用生命保険に加入することになります。両者が団体信用生命保険に加入することに関しての注意点としては、一方に万が一のことがあった場合、その人の分の残債は保険でカバーされますが、もう一方のローンはそのまま残り、支払いを続けていく必要があります。また、どちらかが健康面で問題があるとローン自体が組めなくなる可能性もあります。住宅ローン控除の対象に関しても、仮に配偶者が産休等で収入がない年は、控除される所得がないため、当然戻りもありませんので、それも踏まておく必要があります。デメリットとしては、住宅ローンを2本組むことになるので、事務手数料も2倍になり、登記料等も収入合算よりは多くかかるため、収入合算と比べると諸費用は多くなります。また、仮に離婚するということになった場合、もめる原因ともなります。離婚した場合の選択肢として、売却をするかどちらかが住み続けるかになります。売却の場合、現金化して持ち分割合に応じて財産分与となりますが、名義が二人になりますので、両者の合意がないと売却はできません。どちらかが住み続ける場合には、ローンをどうするのか?という問題があります。今までのままお互いが支払うのか、一人にまとめるのか等を検討しなければいけません。

 

■「収入合算」と「ペアローン」どちらを選択すればいいのか?

では、どういう場合に「収入合算」で、どういう場合に「ペアローン」を利用すればいいのでしょうか?
それぞれに、ある程度の収入がある場合は、ペアローンの方がお勧めです。お一人では住宅ローン控除の恩恵を最大限には受けられない可能性もありますが、ペアローンにすることで、より多くの恩恵を受けられる可能性があります。逆に、お一人で住宅ローン控除を最大限に受けられるけど、一人だと希望の借入額に届かないという場合や、収入差が大きい場合は、収入合算の方がお勧めです。

 

 

□まとめ

収入合算もペアローンも、一人で住宅ローンを組むより、より多くの借入をすることが可能になります。ただし、どちらかが産休や育休に入ったり、病気などで収入が減るリスク等も考慮して、借りすぎることのないように、しっかりとライフプランを立てておくことが必要になります。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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