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家・住宅購入コラム

24年地価公示

国土交通省が3月26日に公表した「24年地価公示」(24年1月1日時点の1平米あたりの価格、全国約2万6000地点)によると、全国の全用途平均は2.3%上昇(前年比プラス0.7ポイント)、住宅地は2.0%上昇(同プラス0.6ポイント)、商業地は3.1%上昇(同プラス1.3ポイント)となりました。いずれも3年連続の上昇で、上昇率も拡大しています。工業地は4.2%上昇(同プラス1.1ポイント)と、8年連続の上昇。同省地価公示室は、少なくとも大都市部や人口集積地などの主要エリアにおいては、コロナ禍からの明確な「回復」との見解を示しています。
24年地価公示においては、全体的に地価上昇の継続・拡大が鮮明となりました。22年から、特に三大都市圏や「地方4市」(札幌・仙台・広島・福岡)においては地価の回復傾向が見られていましたが、今回はその勢いが拡大。同時に、主要都市の中心部だけでなくその周辺にも需要が波及し、近隣自治体の地価をけん引する動きも見られました。加えて、「地方圏その他」においても上昇傾向が拡大した点も今回の特徴です。
こうした結果の要因として、国交省地価公示室は「景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏・地方圏のいずれも上昇が継続すると共に、上昇基調を強めている」と説明しました。全国的などうこうとしては「新型コロナウイルス感染症の影響による地価下落からは、回復しきったと言って良いだろう」と述べました。
地価上昇の具体的な要因としては、住宅地の場合、利便性・住環境に優れた地域でマンションを始めとした住宅需要が堅調だったことや、鉄道新路線の開業による利便性向上などが挙げられます。商業地については、コロナ禍の影響が低減したことにより人流が回復し、店舗需要が回復し、オフィス需要も底堅く推移しました。再開発事業等の進展による地価上昇も各地で見られました。
加えて、インバウンドを含めた観光客の回復が地価を押し上げた面も強いです。人気の高い観光地や繁華街等の商業地では地価が大幅に回復したほか、リゾート地では別荘等の需要から住宅地でも高い上昇率となったケースも見られました。そのほか、特定地域のケースながら、大手半導体メーカーの工場が進出する地域では住・商・工の各用地とも需要が旺盛で、いずれも高い上昇率を見せています。
都道府県単位でみると、変動率プラスの都道府県数は住宅地29(前年比5増)、商業地29(同6増)。今回下落となった都道府県でも、その全てにおいて下落幅は縮小しており、少なくとも都道府県単位では全国的に地価の底上げが確認されました。最も上昇率が高かったのは、住宅地が沖縄県の5.5%上昇(同プラス1.9ポイント)で4年ぶり、商業地が福岡県の6.7%上昇(同プラス1.4ポイント)で4年連続でした。
更に都道府県庁所在地に限ると、変動率プラスは住宅地39、商業地45(ともに同7増)で、特に商業地では大半がプラス。各地域とも、主要エリアでの需要が回復・拡大している状況がうかがえました。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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