23年の建築着工統計調査報告
国土交通省は1月31日、23年の建築着工統計調査報告を公表しました。年間(23年1月~12月)の新設住宅着工戸数は前年比4.6%減の81万9623戸で、暦年として3年ぶりの減少となりました。直近10年間では下から2番目の低水準。持ち家が二桁の減少で1960年以来の低水準となったことを始め、貸家、分譲戸建て、分譲マンションのいずれも前年比で減少しました。新設住宅着工床面積は6417万8000平米(同7.0%減)で、こちらは2年連続の減少となっています。
戸数の内訳をみると、持ち家は22万4352戸(同11.4%減)で2年連続の減少でした。1959(昭和34)年の20万4280戸や60(昭和35)年の23万3259戸と同程度で、直近の約60年で最低の水準となりました。
貸家は34万3894戸(同0.3%減)で、わずかながら3年ぶりに減少に転じました。直近10年間では7番目の水準です。23年は後半にマイナスの月が続いたものの、「事業者ヒアリングでは、工期平準化の影響もあるとの話だった」(同省建設経済統計調査室)ことから、直近の回復傾向から再び減少トレンドに移行したとまでは言えない様子です。
分譲住宅は同3.6%減の24万6299戸で、貸家と同じく3年ぶりの減少。直近10年間では6番目の水準となります。マンションは10万7879戸(同0.3%減)と前年の増加から再びの減少、戸建ては13万7286戸(同6.0%減)で3年ぶりの減少となっており、いずれもマイナスに転じたことで分譲住宅全体の数字は落ち込みました。
地域別でみると、持ち家と分譲戸建ては全エリアで減少しているものの、分譲マンションは三大都市圏(首都圏、中部圏、近畿圏)のすべてで増加しました。また貸家については、三大都市圏を除く「その他地域」のみ増加となっています。
併せて発表された23年12月の新設住宅着工戸数は、6万4586戸(前年同月比4.0%減)で7か月連続の減少でした。直近10年では最も低い水準です。新設住宅着工床面積は501万8000平米(同5.8%減)で11月連続減となりました。
内訳は、持ち家が1万7031戸(同13.8%減)で25ヶ月連続の減少、貸家が2万5869戸(同3.6%減)で5ヶ月連続の減少と、下落傾向が継続しています。
他方、分譲住宅は2万1320戸(同5.5%増)で7ヶ月ぶりに増加に転じました。内訳は、マンションが9722戸(同19.8%増)で前月の減少からの反転増、戸建てが1万1470戸(同4.2%減)で14ヶ月連続減。分譲戸建ての減少傾向が続いたものの、マンションが直近10年で最多の水準となったことで、分譲住宅全体としてはプラスとなりました。
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徳本 友一郎
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