Column

家・住宅購入コラム

24年マンション市場予測

不動産経済研究所はこのほど、24年のマンション市場予測を発表しました。それによると、首都圏のマンション供給は前年比10.7%増の約3万1000戸となる見込みです。引き続き東京23区が中心となって市場をけん引。加えて神奈川県や埼玉県などが大幅に増加する予測です。郊外は駅近物件が積極的に供給され、大幅減からの回復が期待できるといいます。

24年の供給戸数予測をエリア別に見ると、東京23区が約1万3000戸(前年比3.2%増)、東京都下が約3000戸(同20.0%増)、神奈川県が約7500戸(同23.0%増)、埼玉県が約3500戸(同25.0%増)、千葉県が約4000戸(同0.0%)。千葉県は前年並みですが、都下、神奈川県、埼玉県では20%超の大幅なプラス予測となっています。同社によると、「都心や湾岸では高値でも人気は衰えず。周辺エリアでも中心部の大型タワーに注目」としています。
また、23年のデータ(予測値含む)を見ると、供給は2万8000戸(同5.3%減)と減少。東京23区と都下は前年比プラスでしたが、埼玉県が4割減の大幅ダウンで、神奈川県や千葉県も減少となるなど東京以外はいずれもマイナスとなっています。
こうした供給減も影響し、在庫は、23年11月末時点で4815戸(前年同月末比5.2%減)の低水準で推移しています。
なお、同月時点までの23年平均価格は8424万円。超高額大型物件の供給で記録的な高値となりました。ただ、24年は超高額物件の供給は一服し、東京23区や近郊エリアの供給量増で売上を確保する方向に向かうと見られます。
商品企画のテーマは、引き続きZEHがポイントとなり、昨今の物価上昇で省エネ性に一段と注目が集まると考えられます。
また、引き続き建築費の高騰や住宅ローン金利の上昇が懸念材料として挙げられています。

近畿圏で24年に供給されるマンションは、1万6500戸となる見込みです。前年よりも増加(17.9%増)する予測ではあるものの、「21、22年水準までの回復は困難」(同社)な状況と見られます。
主要エリア別の供給量予測は、大阪市部が6800戸、大阪府下3500戸、神戸市部が1200戸、兵庫県下が1800戸、京都市部が1400戸で、いずれも増加する見込みです。超高層物件は大阪市部中心部から府下へ広がり、24年も活発となる見通しです。一方で、1Kなど投資用物件の売れ行きは好調ながら、供給は依然としてコロナ前の水準を大幅に下回ると想定されます。
また、都市部の価格高騰は継続する見込みです。そのため、ファミリー層が郊外に向かい、広めの面積を求める動きは引き続き旺盛となりそうです。更に、同社では、原材料価格上昇のあおりを受けて販売中での価格アップや、初回売り出し物件の販売時期の後ろずれが顕在化する可能性も指摘しています。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

おすすめ記事

営業電は0!住宅購入のプロに相談しよう

×

ページの一番上へ