23年第2四半期版の地価LOOKレポート
国土交通省は8月25日、23年第2四半期版(23年7月1日時点)の「地価LOOKレポート」を公表しました。それによると、主要都市の高度利用地等(全80地区)における23年第2四半期(23年4月1日~7月1日)の地価動向は、景気が緩やかに回復している中でのマンション需要の堅調さに加え、店舗需要の回復が進んだことで3期連続ですべての地区において上昇または横ばいとなりました。
変動率区分は77地区で不変、2地区で上方に、1地区で下方に移行しました。
内訳を見ると、住宅地(23地区)は、マンション需要に引き続き堅調さが認められたことを受け、5期連続で全地区が上昇となりました。前期に続き調査対象80地区で唯一となる6%以上の上昇を見せたのが福岡市内の大濠地区です。分譲マンション販売の好調が続き、地価は大きく上昇しました。
商業地(57地区)では、人流の回復傾向を受け、店舗需要の回復が見られたことから、上昇傾向が継続。上昇が51地区(前期比1地区増)、横ばいが6地区(前期比1地区減)となりました。京都市の京都駅周辺地区は国内外の観光客の増加が継続し、ホテルの宿泊稼働率が回復。各種再開発事業への期待感から前期に続き「3~6%の上昇」を見せました。インバウンドの影響が大きく見られたのは京都駅周辺のほか、東京都台東区の上野駅前地区、大阪市内の心斎橋地区となんば地区の3地区(いずれも「0~3%の上昇」)。また前期の横ばいから「0~3%の上昇」に転じたのが、長野市の長野駅前、熊本市の下通周辺の2地区です。長野駅前地区は国内観光客を中心にした宿泊需要の回復、下通周辺地区は今年4月、熊本パルコの跡地に商業施設とホテルが入る複合施設が開業したのが理由です。
一方、今回、唯一、下方「(0~3%の上昇」から「横ばい」)に移行したのが東京都江東区の観光エリアの青海・台場地区(店舗系)です。観光客は回復し、取引需要は底堅く推移していますが、オフィスや店舗の賃料は横ばい傾向となったことが理由です。
調査対象80地区の中で、横ばいとなった6地区はいずれも東京圏。都心部の丸の内、有楽町・日比谷、六本木、品川の4地区は、周辺エリアで相次ぐ再開発による新規オフィスの供給を受け、賃料はやや弱含みで推移しています。これが影響しました。
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
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- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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