23年上半期の首都圏新築分譲マンション市場動向
不動産経済研究所は7月20日、23年上半期(1~6月)の首都圏新築分譲マンション市場動向をまとめ、公表しました。供給戸数は2年連続の減少となる1万502戸(前年同期比17.4%減)で、減少幅も前年同期(同4.2%減)より拡大しました。
価格は上昇傾向が加速しました。戸当たり平均価格(以下、戸当たり)は8873万円(同36.3%上昇)、1平米当たり単価(以下、平米単価)は132.1万円(同35.2%上昇)で、いずれも2年連続で上昇し、73年の調査開始以来の最高値を大幅に更新しました。
供給戸数については、地域別に見ても全エリアで減少しており、特に神奈川県(同36.3%減)と埼玉県(同23.1%減)で減少幅が大きいです。価格については、東京23区が同60.2%上昇の1憶2962万円と突出しており、都心の超高額物件が平均値を押し上げた様子が鮮明に浮かび上がりました。加えて同社は、「(神奈川県や埼玉県、東京都下と比べて減少幅が小さかったため)東京23区のシェアが46.7%と高水準となったことも、(首都圏全体の)価格高騰を後押しした」と要因を説明しています。
初月契約率は同0.6ポイント増の72.7%で、3年連続の70%台となりました。在庫数は4951戸(同121戸減)で減少が続いています。
なお、同社は下半期(7月~12月)の供給戸数について、上半期から一転して増加の2万戸(同18.6%増)と見込みます。東京23区や神奈川県などで多くの大型案件の供給が始まるためで、年間では約3万戸(前年比1.5%増)を想定しています。
同日に発表された近畿圏の市場動向を見ると、首都圏と同様に供給は減少、価格は上昇という結果でした。
供給戸数は6075戸で、前年同期比15.9%減。京都府下(同80.5%増)と奈良県(同37.7%増)では増加したものの、それ以外のエリアは全て減少しており、特に京都市部(同42.2%減)と大阪府下(同40.8%減)の減少幅が大きかったです。
価格については、戸当たりが4774万円(同6.0%上昇)で、平米単価が78.7万円(同2.6%上昇)。いずれも6年連続の上昇であり、平米単価は調査開始以来の最高値となっています。他方、初月契約率は67.8%(同4.1ポイント減)で、13年ぶりに70%を下回りました。下半期の供給見込みは同3.3%増の約1万1000戸、年間では同4.8%減の約1万7000戸です。
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徳本 友一郎
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