23年5月の建築着工統計調査報告
国土交通省は6月30日、23年5月の建築着工統計調査報告を発表しました。新設住宅着工戸数は、前年同月比3.5%増の6万9561戸で4ヶ月ぶりの増加となり、直近10年間(5月分)では上から7番目の水準となりました。持ち家の減少が続いていますが、貸家と分譲住宅が増加したため、全体を押し上げました。
新設住宅着工床面積は548.7万平米(前年同月比1.4%減)で、4ヶ月連続の減少。季節調整済年率換算値は86万2000戸(前年比11.8%増)で、前月の減少から再びの増加となりました。
利用関係別では、持ち家は1万8853戸(前年同月比11.5%減)で、18ヶ月連続の減少となり、直近10年間(5月分)では最低水準となりました。昨年9月以来、9ヶ月連続で最低水準が続いています。同省住宅局では、「一部事業者からは、資材を含む物価上昇を受けて消費マインドが低下し、受注の減少、着工の減少につながっているのではないかという声を聞く」と説明しました。貸家は2万8695戸(同10.5%増)で、反転増となりました。その持ち直しの要因について同省は「法人からの引き合いはよく、受注は堅調との声を聞く」とし、26ヶ月ぶりに減少した先月は一時的なものとの見方を示しました。
分譲住宅は2万1389戸(同9.1%増)で4ヶ月ぶりに増加しました。このうちマンションは9700戸(同28.2%増)で先月の減少から再びの増加でした。首都圏で5091戸(同40.9%増)、近畿圏で2260戸(同82.4%増)の着工があり、全体を押し上げました。マンションについては大規模案件に左右されやすいという特徴があります。
分譲戸建ては1万1615戸(同2.5%減)で、7ヶ月連続の減少でした。同省では一部事業者からの声として、「土地の流通不足と、資材価格の高騰による顧客の消費マインド低下により、足元の販売が弱含んだため」と説明しました。
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徳本 友一郎
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