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家・住宅購入コラム

22年リセールバリュー

東京カンテイはこのほど、築10年の中古マンションを対象とした22年リセールバリュー(RV、価格維持率)結果をまとめました。
首都圏においてRVが算出可能な398駅を調査したところ、その平均値は132.5%でした。10年前の分譲時は、まだ価格高騰局面に入っておらず、近年と比べれば割安感が強かったですが、現在の中古マンション市場は需要・投資共に堅調なニーズを背景に物件価格が一段と押し上がっています。そのため、東京23区だけでなく、東京都下や周辺3県の近郊~郊外エリアに位置するほとんどの駅でも新築分譲時の販売価格を上回る結果となりました。
対象398駅のうち、RVが100%を超えたのは389駅に上り、9割以上の駅で新築分譲時を上回りました。新築分譲時を下回った駅は9駅にとどまりました。その目減り度合も大きくはなく、20%以上目減りしている駅は皆無でした。
今回、最もRVが高い駅は昨年同様に東京メトロ南北線の「六本木一丁目」でした。RVは251.6%で、築10年の中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて約2.5倍に値上がりした計算となります。対象物件はいずれも駅近の大規模タワーマンションで、新築分譲時の販売価格は坪単価500万円弱という相応の高額でしたが、都心一等地の希少性が評価され、現在の中古流通価格は同1200万円前後まで高騰しています。
上位の駅を見ると、3Aと呼ばれる麻布、赤坂、青山をはじめ、富裕層から人気の高い高級住宅地が存在する港区のほか、渋谷区、千代田区の駅が多いです。同社によると、渋谷区は知名度の高い高級住宅街を擁しているものの、近年はJR渋谷駅前の大規模再開発によって町のポテンシャルが高まり、資産価値を更に押し上げているといいます。
また、新築から10年間にわたり賃貸運用した上で22年に売却した場合の差益を試算した、“お買い得ランキング”でも、昨年と同様、「六本木一丁目」がトップでした。その差益は坪当たり1028.0万円にも達しました。内訳は、運用収益が同294.9万円、売却益が同733.1万円でした。特に売却益に関しては次点の「新御茶ノ水」を300万円以上も上回り突出し、差益を大きく押し上げました。年利回りにおいても21.26%と、対象駅の中で唯一20%台となり、次点の「新御茶ノ水」とは5ポイント近くも差を付けました。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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