不動産投資(投資用マンション)ローンとは?ローンを組んだほうが良い理由も解説
不動産投資(投資用マンション)ローンを組めば、自己資金が少なくても投資用マンションを運用でき、家賃収益を得ることができます。
不動産投資ローンは、住宅ローンと異なる点も多いため、ローンを組む際には投資や融資の知識が必要です。
本記事では、不動産投資(投資用マンション)ローンの概要と、住宅ローンとの違い、投資用ローンを組むメリットや、ローンを組んで融資が実行されるまでの流れについて解説します。
不動産投資初心者でも投資用マンションローンがわかる内容になっていますので、不動産投資に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
不動産投資(投資用マンション)ローンとは?
不動産投資ローンとは、投資用の不動産(マンション)を購入するために銀行や金融機関から借り入れるお金のことを指します。
不動産投資ローンは、借り入れたお金を不動産の賃料収入で返済することを前提としています。
不動産投資ローンは、一般的な住宅ローンとは異なり、投資対象となる不動産の収益性が重視される傾向が強いです。
ローンの審査では物件の立地や賃料収入、管理状況などが評価され、融資を受けられるかどうかが決定されます。
最大で35年程度長期間の返済が可能で、利息は借り入れ主の税負担を軽減するための経費として計上できる点が特徴です。
不動産投資ローンを利用する際は、まず自身の資金計画を立て、返済計画をしっかりと考えることが重要です。複数の金融機関から借り入れることでリスクを分散する方法もあります。
投資用マンションローンと住宅ローンの違いは?
投資用マンションローンと住宅ローンの大きな違いは、下記の通りです。
・返済原資が異なる
・融資金額が異なる
・借入目的が異なる
・金利が異なる
・審査内容が異なる
それぞれ詳しく解説します。
返済原資が異なる
投資用マンションローンと住宅ローンの最大の違いは、「返済の原資が異なる」という点です。
投資用マンションローンは、投資物件から得られる賃料収入から返済しますが、住宅ローンは借り入れ主の給与所得などの収入から返済する点で異なるのです。
投資用マンションのローンは、賃料収入から返済することになるため、審査の際も物件の地や賃料収入、管理状況などを審査されます。また、投資用マンションローンは、利息を経費として計上できるため、税負担を軽減することが可能です。
一方で、通常の住宅ローンは給与などの収入から返済することになるため、審査の対象は借り入れする人の給与所得や賞与額です。
どちらのローンもそれぞれの目的に応じた特性があるため、自身の目的や状況に合わせて適切なローンを選ぶことが重要です。
融資金額が異なる
投資用マンションローンの融資金額は、物件の価格だけでなく、物件から得られる予想賃料収入なども考慮されます。そのため、物件の収益性が高いほど、より多くの融資を受けることができるのです。
一方で、住宅ローンの融資金額は、借り主の収入や信用情報、物件の価格などに基づいて決まります。借り主の経済状況や信用状態が良ければ、より多くの融資を受けられるようになっています。
どちらのローンも立地や築年数、坪数など、物件の価値を決める要素で融資金額が大きく変動します。投資用マンションローンの場合は同時に何室分借り入れる場合もあるため、1回の融資の額が住宅ローンよりも高額になる傾向が強いです。
借入目的が異なる
投資用マンションローンは、投資目的で物件を購入するために使われます。投資用マンションローンは借り手は居住する目的ではなく、物件を貸し出して得られる家賃収入により、資産を形成し、収益を得るために融資を受けます。
一方で、住宅ローンはその名の通り、自分自身や家族が住むための住宅を購入する際に利用されます。住宅ローンは借入者が自身で住むための物件にしか適用されず、公的な制度により低金利が適用されることが多いです。
借り入れの目的が自己居住用か投資用かで伴うリスクが異なるため、投資用ローンと住宅ローンでは審査内容や金利が異なるのです。
金利が異なる
投資用マンションローンと住宅ローンでは、金利が大きく異なります。
投資用マンションローンの金利は年利2〜4%前後が目安となりますが、住宅ローンの場合は0.3〜1%程度と、両者の差は歴然です。
投資用マンションローンは、目的が不動産投資であることから、融資側は貸したお金を家賃収入から返済を受けることになります。
しかし、不動産投資は、不動産価値の下落や空室期間など収入が安定しないことがあるため、貸し倒れを防ぐために金利が高く設定されています。
一方で、住宅ローンの場合は、借り入れ主の多くは給与所得を得ているため、収入が安定しています。収入が安定していると、融資側も安定して返済を受けられる可能性が高いため、金利が低く設定されているのです。
審査内容が異なる
投資用マンションローンの審査では、借り手自身の信用情報や収入だけでなく、購入予定の物件自体の収益性や価値も重要な要素となります。
購入予定の物件が安定した収益をあげて、ローンの返済ができるかどうかが重要な判断基準なのです。
また、投資用マンションローンの審査では、個人の信用情報や収入に加えて、借り手の投資経験や不動産運用の知識も評価されることも多いです。
投資用物件の運用は専門知識や経験が重要視されることが多く、投資初心者が高額のローンを借り入れると返済が困難になることがあるため、融資側にとってリスクと判断されるためです。
一方で、住宅ローンの審査は、基本的に借り手の信用情報と安定した収入を中心に行われるため、投資用マンションローンとは審査基準が異なります。
投資用マンションローンを組んでいると住宅ローンは組めない?
一般的に、投資用マンションローンを組んでいるからといって、必ずしも住宅ローンが組めないことはありません。
しかし、実際には借り手の信用情報、収入、既存の借入金額などによって変わるため、状況によっては「返済が困難」と判断されてしまうと借り入れできないことがあります。
住宅ローンの審査では、借り手の返済能力が重視されます。投資用マンションローンを組んでいると、住宅ローンの審査で投資用ローンの返済負担が考慮されるため、新しく組むローンの返済能力が低いと判断されかねません。
すでに年収の10倍以上の投資用マンションローンを組んでいると、いざ住宅ローンを借り入れようと申請した際に、融資側に「現状の負担が重すぎて、返済されないかもしれない」と思わせてしまう可能性があります。
また、金融機関によっては、「一定の割合以上の借入がある場合には新たな融資を行わない」と定めているところもあるため、住宅ローンの申請ができないこともあるのです。
そのため、投資用マンションローンを組んでいる場合でも住宅ローンを組むことは可能ですが、各金融機関の審査基準や借り手の経済状況によって借りられないこともあります。
住宅ローンを借り入れる予定がある場合には、現在の収入や返済計画に無理がないかを考慮したうえで、借り入れ予定の金融機関を慎重に選定しましょう。
投資用マンションローンを組むメリット
投資用マンションローンを組むメリットは、下記の通りです。
・レバレッジが効く
・自己資金が少なくても購入できる
・家賃収入で返済できる
それぞれ詳しく解説します。
レバレッジが効く
レバレッジとは、少ない資金で大きな投資効果を得るために、借り入れなどの手段を使って運用資金を増やす戦略のことを指します。
投資用マンションローンを組むことで、自己資金だけで投資用マンションを購入するよりも、価値の高いマンションを購入できます。
例えば、自己資金で購入できる物件を買うのではなく、自己資金を頭金として投資用のローンを組めば、大規模なマンションを購入でき、収益性も向上するということです。
自己資金だけでマンションを購入するよりも高い家賃収入が見込めるため、リスクを適切に管理しつつ、自己資金だけで運用するよりも高いリターンを目指すことができます。
レバレッジが効くということは、少ない自己資金で高い利回りの実現にもつながります。
もちろん、借り入れをする以上は返済しなければならないため、リスク管理を徹底しながら堅実な返済計画を立てましょう。
自己資金が少なくても購入できる
自己資金が限られている状況でも不動産投資ができることは、投資用マンションローンを利用する最大のメリットと言えるでしょう。
物件の立地や規模、築年数にもよりますが、投資用のマンションには多額の資金が必要です。そのため、購入をすべて自己資金で賄うとなると、どうしても購入のハードルが高くなってしまい、手が出せないという状況になりかねません。
しかし、投資用マンションローンを利用すれば、自己資金は頭金部分や事務手続き費用だけになるため、残りの金額はローンで賄うことができます。
もちろん、自己資金が少なくても投資用ローンを使用すれば投資用マンションを購入できますが、返済負担は長期間にわたって続くことになるため注意が必要です。
賃料収入やその他の収入によってローン返済が可能かどうか、また将来的に空室や大規模修繕のリスクを十分に考慮したうえで、投資用マンションローンを組むかどうかを決めましょう。
家賃収入で返済できる
家賃収入を利用してローン返済ができる点も、投資用マンションローンの魅力のひとつです。
投資用マンションを購入し、入居者を獲得できれば、毎月定期的に家賃収入が発生します。家賃収入をローン返済にあてることで、残債を減らしながら毎月収入を得られるのです。
月々20万円分の家賃収入があったとして、ローンの返済が10万円だとします。差額の10万円の中から管理費や修繕積立金、保険料や税金などのコストを差し引いた金額が手元に収益として残ります。
空室期間が発生した場合や大規模修繕費用が発生した場合など、予期しない出費が発生した場合には、家賃収入でローンの返済ができない可能性があるため、リスクを考慮した返済計画を立てましょう。
計画的に返済して自身の収益を確保するためにも、家賃収入だけに頼らず、一定の余裕を持った返済計画を立てることが重要です。
投資用マンションローンを組む際の流れ
投資用マンションローンを組む際の流れは、下記の通りです。
・投資するマンションを選定する
・マンションの収益性を分析する
・物件の申し込みをする
・売買契約をする
・金融機関を選定してローンの申し込みをする
・金融機関が仮審査・本審査をする
・審査が通り、融資を実行する
重要なのは、投資用マンションローンは居住用の住宅ローンと違い、収益性を重視しなければならない点です。
金融機関に融資を申し込む前に、家賃収入の見積もりや、運用コストの算出、投資利回りの計算など、キャッシュフローに関わる情報を整理して、物件に収益性があるかを見極めていきます。
投資用マンションを購入する前に収益性を見極めないと、ローンの返済が滞るだけでなく、収支がマイナスになる可能性があります。
また、投資用のローンを安全に組むために、物件を申し込む前段階でファイナンシャルプランを作成しましょう。
自己資金をいくら準備できるのか、マンション購入後の収入と支出がいくらなのかを把握し、ローンの返済計画と、空室や災害時などのリスク管理を踏まえたファイナンシャルプランがあると、ローンに備えた投資計画が見えてくるでしょう。
投資用マンションローン|まとめ
本記事では、不動産投資(投資用マンション)ローンの概要と、住宅ローンとの違い、投資用ローンを組むメリットや、ローンを組んで融資が実行されるまでの流れについて解説しました。
投資用マンションを購入する際は、投資用ローンを組むことでレバレッジが効くため、ローンを活用すれば多くの収益を得られます。
しかし、投資用ローンは住宅ローンよりも多額の借り入れをする場合が多く、長期間の空室などの不測の事態が起きると、ローンの返済が難しくなることも考えられます。
投資用ローンは住宅ローンよりもリスクが大きくなりやすいため、借り入れる際には投資の知識やファイナンシャルプランの作成が不可欠です。
ぜひ本記事を参考にして、投資用マンションの購入や検討に役立ててください。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.style-system.net
- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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