「東京こどもすくすく住宅認定制度」を創設
東京都が住まいにおける子育て環境の整備を強化します。主に事業者向けに取りまとめた「子育てに配慮した住宅のガイドライン(以下、同指針)」を改定するとともに、同指針をベースに認定基準を定めた「東京こどもすくすく住宅認定制度」を創設。住宅供給事業者への補助支援等を強化し、子育てに優良な住宅の供給促進を目指します。
都が16年2月に策定した同指針は、子育て世帯に適した住まいの安全性の確保や家事のしやすさに配慮された優良な住宅を整備・選択する際に考慮すべき事項を整理したもの。今般、「新たな日常」や環境への配慮、災害への対応など、住生活を取り巻く社会情勢の変化等の新たな観点を踏まえた初めての改定を行い、4月7日に公表されました。
具体的には、①子供の遊び場や子育てのための施設など「良好かつ利便性の高い周辺環境の確保」、②子育てに配慮した設備や間取りなど「安全性・カジノ効率性の確保」、③子育て世帯や多様な世帯による「コミュニティ醸成、活発で安心感のある交流の展開」、④集会所や自転車置き場などを円滑に利用するための「管理・運営のルールづくりなど」という4つの視点での見直しです。
都は、16年2月に始動した「東京都子育て支援住宅認定制度」を抜本的に見直し、「東京こどもすくすく住宅認定制度」として4月から開始しました。併せて、住宅事業者等に対して整備費の一部を都が直接支援し、子育てに適した優良な集合住宅の供給を都内全域で推進します。同制度を活用して住宅供給事業者にインセンティブを付与し、モチベーションの向上を図る狙いです。
具体的には、同指針をベースにした認定基準の適合度合いに応じ、子供の安全の確保に特化した「セーフティ」、事業者の特色を生かした設備等の選択が可能な「セレクト」、設備等の充実に加えてコミュニティ形成などソフト面も重視した「アドバンスト」という3つの認定モデルを設定。従前制度では「アドバンスト」に相当する認定タイプのみでしたが、「新制度ではバリエーションを充実させ、柔軟性の高い仕組みとして再構築した。必須項目と、事業者の特性を踏まえた認定取得が可能」ととの子育て支援住宅の担当者は説明します。
また、認定住宅の供給促進事業については、集合住宅のうち、賃貸および分譲の新築、改修事業が対象。例えば、賃貸マンションの新築は補助率5分の1とし、補助上限額は「アドバンスト」200万円、「セレクト」100万円、「セーフティ」50万円。子育て交流促進施設を設ける場合、賃貸・分譲共に補助上限額は一棟当たり500万円となります。
従前の制度で認定を受けた2000戸超(23年3月末時点)のうち大半は新築であり、改修による認定の実績はなかったといいます。新制度では認定タイプを3種に広げたことから、都では回収での認定拡大にも期待感を示します。今後は、住宅供給事業者(個人・法人問わず)に向けた説明会の開催や、分かりやすいパンフレット作成等によって制度を周知するとともに、業界団体を通じてマンション管理組合に対する案内も視野に入れます。先の担当者は「子育てしやすい集合住宅として明確に打ち出せる強みと、整備費の一部を直接支援するという点をモチベーションに、認定住宅の供給の促進に参画してほしい」と呼びかけます。なお、従前制度で認定されたものについては、新制度の「アドバンスト」として認定が移行されるといいます。
都では、子育て世帯の住まいの安全確保を図るため、分譲マンションの区分所有者等を対象にした直接支援も行います。例えば、ベランダの侵入防止柵の設置や指挟み防止機能の付いた扉への改修など。補助率は3分の2で、補助上限額は1戸当たり30万円。
今春、国はこども家庭庁を発足。また、こども未来戦略会議を設置し、子育て世帯に対する住宅支援の強化についても議論が始まりました。生活者と住宅供給事業者が共に歩みを進めていける政策の実行が求められます。
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
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- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
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- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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