首都圏2月中古住宅流通動向と2月の首都圏戸建て価格
東日本不動産流通機構(レインズ)は3月10日、首都圏(1都3県)の不動産流通市場動向を発表しました。
それによれば、直近2月の中古マンションは、成約件数が3240件(前年同月比3.0%増)となり、7ヶ月ぶりに増加に転じました。平均の成約価格は4359万円(同8.3%上昇)と33ヶ月連続で上昇しています。
在庫件数は4万4760件(同20.1%増)と大幅に増えており、13ヶ月連続で前年同月を上回っています。前月比でも2.5%増と在庫が積み上がっています。
地域別に成約件数を見ると、東京23区は1397件(前年同月比9.5%増)となり、多摩が294件(同14.0%減)の二桁減少でした。多摩は7ヶ月連続で前年の同じ月を下回っています。横浜・川崎市は578件(同9.9%増)と14ヶ月ぶりに前年同月を上回りました。神奈川県他は224件(同0.9%減)でした。東京都と神奈川県は、いずれも都市部で成約数を伸ばし、公害が不振でした。埼玉県は354件(同12.8%減)と大幅に減少し、14ヶ月連続で前年同月を下回りました。千葉県は393件(同6.2%増)と7ヶ月ぶりに増えました。
成約価格は全地域で上昇しました。価格は強含みが続き、天井感を探る展開が続く中で、「在庫数の増加が気になる。在庫の半数近くで価格改定が進んでいるとみられる」(都内の仲介事業者)と今後の価格形成への影響を気にしています。
中古戸建て住宅は、首都圏全体の成約件数が1057件(前年同月比13.4%減)と二桁減少となり、14ヶ月続けて前年同月を下回りました。成約価格は平均3863万円(同2.5%増)となり、28ヶ月連続で上昇しています。
在庫件数は、1万5991件(同18.8%増)とマンション同様に大幅に増えています。6ヶ月連続で増加し、前月比でも4.5%増えました。
成約件数は全エリアで減少しています。平均価格は東京23区で下落したものの、残りはすべて上昇しています。
東京カンテイは3月9日、「主要都市圏中古木造一戸建て住宅平均価格月別推移・2月」を発表しました。それによると、首都圏の平均価格は3833万円(前月比3.6%減)で反転下落しました。
都県別では東京都が6007万円(同7.5%減)で反転下落。一方、神奈川県は4155万円(同1.7%増)で反転上昇。千葉県は2763万円(同3.4%増)となり、2ヶ月連続の下落から上昇に転じました。埼玉県は2853万円(同0.5%減)で2ヶ月連続の下落でしたが、その変動幅は小さくなっています。
同社では、「東京都の下落が首都圏の平均価格に影響した結果となりましたが、前年同月比を見ると東京都は10.2%増と高い水準であることに変わりはない」としています。
近畿圏(2府4県)の平均価格は2934万円(同2.7%増)と上昇しました。
主要府県を見ると、大阪府は3222万円(同0.7%減)で反転下落。兵庫県も2924万円(同4.4%減)で、3ヶ月連続上昇から反転下落しました。一方、京都府は3ヶ月連続の下落から上昇へ転じ、3518万円(同5.9%増)となりました。近畿圏は大阪府と兵庫県で連続上昇にブレーキがかかりました。
中部圏(4県)の平均価格は2516万円(同3.5%増)で反転上昇しました。前年同月比では0.4%増となっています。愛知県は3117万円(同2.1%増)で再び上昇に転じました。
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徳本 友一郎
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