23年1月の建築着工統計調査報告
国土交通省は2月28日、23年1月の建築着工統計調査報告を発表しました。それによると、新設住宅着工戸数は6万3604戸(前年同月比6.6%増)で、4ヶ月ぶりの増加となりました。持ち家は減少しましたが、貸家と分譲住宅が増加したため、全体は増加しました。持ち家は、消費マインドの低下に伴う受注の減少等を要因に14ヶ月連続の減少。分譲マンションは大規模物件の着工が見られたため、分譲住宅全体の着工戸数を押し上げました。
1月の新設住宅着工床面積は507万5000平米(前年同月比2.2%増)で5ヶ月ぶりの増加となりました。季節調整済年率換算値は89万3000戸(前月比5.5%増)で、2ヶ月連続の増加となりました。
利用関係別で見ると、持ち家は1万6627戸(前年同月比8.3%減)で14ヶ月連続の減少。直近10年間でも22年9月以降、5ヶ月連続で最低水準となりました。同省住宅局は、一部事業者からの声として「ウクライナ情勢等に伴う資材価格の高騰により、顧客の消費マインドが低下し、それが受注減につながっている」と説明し、足元の弱含みの状況が続いているとしました。貸家は2万4041戸(同4.2%増)で、23ヶ月連続の増加となりました。このうち民間資金による貸家は2万2625戸(同4.8%増)と7ヶ月連続で増加しましたが、公的資金による貸家は1416戸(同5.8%減)で4ヶ月ぶりの減少となりました。
分譲住宅は2万2698戸(同25.0%増)で、2ヶ月連続の増加となりました。このうち戸建て住宅は1万576戸(同3.9%減)で3ヶ月連続の減少となりましたが、マンションが2ヶ月連続増の1万1990戸(同69.6%増)と大きく増加したため、分譲住宅の総数を押し上げました。分譲住宅全体および分譲マンションはどちらも直近10年間(1月比)では、上から2番目の高水準となりました。同省では分譲マンションについては、「事業者から潮目や傾向が変わったとの声は聞かれておらず、大規模案件の着工が見られたため」と説明。他方、戸建て住宅については「一部事業者から、土地の流通不足と、資材価格の高騰による顧客の消費マインド低下により、足元の販売が弱含んでいるとの声が聞かれる」と説明しました。
地域別で見ると、首都圏ではマンションが6642戸(同124.6%増)と大きく増加したことが総戸数増加の要因となりました。また、近畿圏ではマンションの増加(2821戸、前年同月比123.5%増)に加え、貸家(4785戸、同35.9%増)が大きく増加したことで、総戸数(1万1245戸、同28.8%増)を押し上げました。
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徳本 友一郎
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