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家・住宅購入コラム

22年通期の建築着工統計調査報告

国土交通省が1月31日に公表した建築着工統計調査報告の22年通期(22年1月~12月)によると、住宅着工戸数は85万9529戸(前年比0.4%増)となりました。持ち家は減少したものの、貸家と分譲住宅が増加したため、統計では2年連続の増加。直近10年間では上から8番目の水準でした。また、新設住宅着工床面積は6901万平米(同2.3%減)で、昨年の増加から再び減少に転じました。
利用関係別では、持ち家は25万3287戸(前年比11.3%減)で、直近10年間では最低水準となりました。同省では事業者へのヒアリングを踏まえ、持ち家の減少について、「22年前半はオミクロン株の流行による商談の遅れや住宅展示場への来場者数減が影響しました。後半はウクライナ情勢等に伴う資材価格の高騰により、顧客の消費マインドが低下し受注減につながった」と説明しました。
貸家は34万5080戸(同7.4%増)で2年連続の増加となりました。また、分譲住宅は全体で25万5487戸(同4.7%増)となり、2年連続で増加しました。このうちマンションは10万8198戸(同6.8%増)で3年ぶりの増加。戸建て住宅は14万5992戸(同3.5%増)で2年連続の増加となり、直近10年間では上から2番目の高水準でした。
地域別で見ると、総戸数が増加したのは首都圏(30万1484戸、前年比2.8%増)と近畿圏(13万7659戸、同1.4%増)。また、前年増となった分譲戸建てのうち、近畿圏のみが2万553戸(前年比5.0%減)で減少しました。
国土交通省が22年計と併せて公表した22年12月分の新設住宅着工戸数は6万7249戸(前年同月比1.7%減)で直近10年間(12月分)では下から2番目の低水準となりました。貸家と分譲住宅は増加しましたが、持ち家が減少したため、総計では3ヶ月連続の減少となりました。
また、12月の新設住宅着工床面積は532万8000平米(前年同月比6.6%減)で4ヶ月連続で減少しました。季節調整済み年率換算値は84万6000戸(前月比0.5%増)で、先月の減少から再びの増加となりました。

利用関係別で見ると、持ち家は1万9768戸(前年同月比13.0%減)で13ヶ月連続の減少。直近10年間でも22年9月以降、4ヶ月連続で最低水準となりました。同省建設経済統計調査室は、今年1月25日に公表された月例経済報告で、持ち家の評価が先月の「横ばい」から「弱含み」に見直されたことを指摘し、今後の動向を注視する姿勢を示しました。
貸家は2万6845戸(同6.4%増)で、22ヶ月連続の増加となりました。このうち民間資金による貸家は2万4823戸(同6.0%増)と6ヶ月連続で増加し、公的資金による貸家も2022戸(同11.9%増)で3ヶ月連続の増加となりました。
分譲住宅は全体で2万200戸(同1.4%増)となり、先月の減少から再びの増加となりました。このうちマンションは8117戸(同14.5%増)で同じく減少から増加に転じました。戸建て住宅は1万1977戸(同5.9%減)で2ヶ月連続の減少となり、減少幅は先月から拡大しました。同省では「一部事業者から、土地の流通不足と、資材価格の高騰による顧客の消費マインド低下により、足元の販売が弱含んでいるとの声を聞く」とし、今後の住宅着工の動向に注視していくとしました。
地域別で見ると、首都圏は総戸数(同1.9%減)および貸家(同1.0%減)が全国動向と異なり、減少しました。また、近畿圏では、貸家(同37.0%増)の戸数が大きく伸びたことを受け、総戸数(同7.7%増)も増加しました。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

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