23年マンション市場予測
不動産経済研究所はこのほど、23年のマンション市場予測を発表しました。それによると、首都圏のマンション供給は前年比3.9%増の約3万2000戸となる見込み。住宅ニーズの堅調が続く中、郊外の勢いがやや沈静化し、23年には東京23区が中心となって市場をけん引。首都圏全体の供給量は前年を上回る予測となりました。
23年の供給戸数予測をエリア別に見ると、東京23区が約1万4000戸(前年比9.4%増)、東京都下が約2500戸(同8.7%増)、神奈川県が約7500戸(同4.2%増)、埼玉県が約4000戸(同16.7%減)、千葉県が約4000戸(同8.1%増)。埼玉県で減少に転じる一方、そのほかのエリアはいずれもプラス予測となっています。同社によると、特に「都心や湾岸に根強い人気」があり、城東・城北エリアでも駅近のタワー物件が注目を集めるなど、大規模案件や超高層物件が多く供給され戸数を押し上げる年となりそうです。
併せて発表された22年のデータ(予測値含む)を見ると、資材供給の不透明感などから、供給は3万800戸(同8.4%減)と減少。埼玉県のみ前年比増加ながら、そのほかの地域ではいずれもマイナスとなっています。他方、在庫は22年11月末時点で5079戸(前年同月末比10.8%減)であり、15年以来の低水準が続いています。
なお、同月時点までの22年平均価格は6465万円と、前年同期比でほぼ横ばいの価格水準。それに対し23年には、主に高額物件の供給量増加により、特に東京23区においては再び価格の上昇が進むと見られます。
商品企画のテーマとしては、直近の光熱費高騰が省エネへの注目度を後押ししていることもあり、引きつづきZEH化が重視されると考えられます。懸念材料としては、建設費の上昇のほか、住宅ローン金利の上昇も挙げられています。
近畿圏で23年に供給されるマンションは約1万8000戸(前年比7.1%増)となる見込みです。22年は同11.4%減の1万6800戸と減少ながら、23年には反転増となる予測です。ただし、「依然続く価格上昇の影響により、微増にとどまる」(同社)と見ます。
エリアとしては、大阪府下と兵庫県下、京都市部で増加する一方、大阪市部と神戸市部は減少を見込みます。また超高層物件は大阪市中心部から府下へと広がり、23年にも活発に供給される見通しで、近畿圏においても好立地の超高層物件は市場で注目を集めそうです。
また価格は上昇が継続する見込みで、ファミリー層の郊外需要を引きつづき支えます。加えて、エネルギーや資材価格の高騰により、販売中での価格上昇や発売時期の後ろ倒しなどが発生する可能性も同社は示唆しています。
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皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
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- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
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