不動産業業況調査結果
土地総合研究所は11月17日、「不動産業業況調査結果」の概要を公表しました。10月1日現在の経営状況と3ヶ月後の経営見通しについて、「住宅・宅地分譲業」「不動産流通業(住宅地)」「ビル賃貸業」の3業種をそれぞれ指数化しました。マイナス100からプラス100の範囲で、0が景気判断の分かれ目となります。
それによれば、「住宅・宅地分譲業」の現在の経営状況は、前回調査から14.0ポイント改善し、19.6ポイントでした。販売価格の動向が60.7ポイントと前回から5.1ポイント上昇し、42期連続で上昇しています。
ただ、用地取得件数とモデルルーム来場者の指数は前回から大幅に落ち込んでおり、それぞれマイナス10.3ポイント、マイナス40.7ポイントとなりました。成約件数は同1.5ポイント上昇したものの、指数はマイナス9.6ポイントにとどまっています。
事業者からは、「今買っていいのか不安になっているお客様もいる。中古比較が増えている。予算で無理をしない傾向になってきた」(首都圏)、「タイトな需給バランスであり、都心利便により価格が高くても需要がある。郊外はコロナ影響の広域検討者が中心。直近では都心価格に追いつかない顧客資金面での広域化の動きも目立つ」(同)などの声が上がりました。
「不動産流通業(住宅地)」は同0.1ポイント悪化し、3.0ポイントとなり、「ビル賃貸業」は同0.4ポイント改善して7.5ポイントでした。中古マンションの売却依頼、購入依頼、成約の各指数は、前回からそれぞれ13.3ポイント、10.7ポイント、4.2ポイント上昇しています。取引価格は同2.1ポイント下落しました。中古戸建て住宅なども売却、購入、成約の各指数は前回から5.7ポイント、1.7ポイント、9.6ポイントとそれぞれ下落しました。取引価格は同5.6ポイント上昇しました。事業者からは「売却について全体的に減少、購入意欲はあるが、物件価格が高く様子見の状況が感じられる。富裕層ニーズが強い」(首都圏)などの反応が見られます。
「ビル賃貸業」は空室の状況指数が前回から9.1%上昇し、マイナス6.5ポイントでした。成約賃料の動向も同0.2ポイント下落し、マイナス0.5ポイントでした。
事業者からは、「移転動機として面積拡張、立地改善というポジティブな理由が目立った印象だった」(首都圏)や「都心3区以外で1フロア100坪超の募集は引き合いが弱い」(同)、「オフィスのテナント需要は堅調。店舗テナント需要は弱い」(首都圏以外)などの声が上がっています。
土地では、売却、購入、取引価格のいずれも上昇しました。それぞれ18.7ポイント、26.3ポイント、0.4ポイントの上昇でした。
3ヶ月後の経営見通しは、「住宅・宅地分譲業」が前回調査から3.8ポイント改善し、マイナス3.6ポイントとなりました。「不動産流通業(住宅地)」は同8.9ポイント悪化し、マイナス14.0ポイントとなり、「ビル賃貸業」は同5.1ポイント悪化でマイナス7.5ポイントでした。
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徳本 友一郎
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