Column

家・住宅購入コラム

22年9月の建築着工統計調査報告

国土交通省は10月31日、22年9月の建築着工統計調査報告を発表しました。それによると、新設住宅着工戸数は7万3920万円戸(前年同月比1.0%増)で、直近10年間(9月分)では上から8番目の水準となりました。持ち家は減少しましたが、貸家および分譲住宅が増加したため、統計では2ヶ月連続の増加となりました。持ち家は受注の遅れ等により、9月としては最低水準になりました。

9月の新設着工床面積は584万4000平米(前年同月比2.8%減)で、先月の増加から再び減少し、季節調整済年率換算値も85万7000戸(前月比5.1%減)で、先月の増加から再びの減少となりました。着工戸数が増える一方で、着工床面積が縮小した点について、同省建設経済統計調査室は「1戸当たりの平均面積が広い持ち家の戸数が減少しているため、起こりうる現象」と説明しました。
利用関係別で見ると、持ち家は2万2248戸(前年同月比13.3%減)で10ヶ月連続で減少し、直近10年間では最低水準。同省住宅局は、「一部事業者からは、年初のオミクロン株の流行による商談の遅れ、住宅展示場へ行けないことを原因とし田受注の遅れが指摘されている」と説明。受注に関しては資材価格高騰による影響を指摘する声もあるとし、「着工についてはリードタイムに差があるため今後の動向を注視する」としました。
貸家は3万555戸(同8.1%増)で、19ヶ月連続の増加。このうち民間資金による貸家は2万8837戸(同10.0%増)と3ヶ月連続で増加しましたが、公的資金による貸家は1718戸(同15.4%減)で4ヶ月ぶりの減少となりました。
分譲住宅は全体で2万766戸(同10.1%増)で、2ヶ月連続の増加。このうちマンションは8386戸(同15.7%増)で2ヶ月連続増。戸建て住宅は1万2290戸(同6.8%増)で17ヶ月連続増となり、直近10年間では最も高い水準となりました。
地域別で見ると、首都圏は全国動向と同様に、総戸数(前年同月比12.9%増)、貸家(同17.1%増)、分譲住宅(同24.1%増)がそれぞれ前年同月から増加し、持ち家(同9.6%減)は減少しました。特に分譲住宅ではマンション(同41.7%増)と戸建て(同13.7%増)の増加が顕著でした。中部圏と近畿圏はいずれも、総戸数と分譲住宅が前年同月比で減少しており、全国と異なる動きを示しました。

なお、22年度上半期(4~9月)の着工戸数は44万2696戸(前年同期比0.7%減)で、直近10年間では上から8番目の水準。同様に、持ち家は13万2476戸(同10.9%減、直近10年間の水準は上から9番目)、貸家は17万7270戸(同4.3%増、同6番目)、分譲住宅は13万44戸(同4.8%増、同5番目)となりました。
同調査室では、10月25日に公表された月例経済報告において「持ち家についてはこのところ弱含んでいるという評価がされた」とし、今後注視していく姿勢を示しました。

徳本 友一郎

所属会社:
株式会社スタイルシステム
所属会社のWEBSITE:
http://www.style-system.net
保有資格:
CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
著書:
初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント

おすすめ記事

営業電は0!住宅購入のプロに相談しよう

×

ページの一番上へ