固定資産税をPayPayによって納税するメリット・デメリット、その手順、注意点な どを徹底解説
最近固定資産税の納付方法の一つとして、PayPayによる納税が認められるようになって
きました。キャッシュレス決済のPayPayを利用すれば、現金を携えて銀行やコンビ二まで行かなくても、自宅からでも簡単に納付することができるので、忙しい人にもおすすめの方法です。
今回はPayPayにより固定資産税を納付することのメリット・デメリット、納税の手順、注意点、ポイント還元などについて紹介します。
PayPayで固定資産税を納付できる!
固定資産税はその税額が高額になる場合が多いために、現金を携えて銀行やコンビニまで行くのが困難なケースもあります。その点PayPayを利用すれば自宅からでも簡単に納付することができるので、納税時の手間が省けるとともに安心です。
固定資産税とは
固定資産税は、土地・家屋・償却資産に対して課される物税です。基本的には市町村が毎年1月1日にその所有者に課する地方税です。都の特別区においては都によって課され、大規模償却資産については道府県により課されます。
具体的には次のような固定資産が対象となります。
(1) 土地=田、畑、宅地、鉱泉池沼、山林、牧場、原野その他の土地
(2)家屋= 住家、店舗、工場、倉庫その他の建物
(3)償却資産(ただ営業権など、無形減価償却資産は除く)※
※償却資産とは、事業のために所有している土地や家屋以外の資産のことであり、会社や個人で所有している事業用の構築物、機械、器具および備品等が含まれることになります。ただし、営業権など、無形減価償却資産は除きます。
固定資産税は当該固定資産の所有者として課税台帳に記載されている人に課税されます。 年4回に分けて分納することが基本ですが、一括払いをすることもできます。固定資産税の納税通知書(納付書)が送られてくるのは毎年4~6月頃です。納税通知書に記載されている「納付期日」までに納付します。
近年税金をPayPayによって納付することができるものが増えてきています。その主な理由は、納税手続きを簡素で効率的なものにしていくためです。これによって納税者の利便性を向上させるとともに、納税事務の効率化を図り、税収を安定的なものにすると同時に管理コストを削減することが目的です。2020年に東京都が導入したことを契機として、多くの自治体が導入しはじめています。税金のキャッシュレス納付は政府が主導・推進しており全国的に拡大基調にあることから、今後さらに多くの自治体がPayPayによる納税に対応していくものと考えられます。
PayPay以外の納付方法
次の5つがあります。
⑴現金
・金融機関やコンビニエンスストアで支払う
・納付書(税額30万円以内)が必要
・領収証書を受け取れる
・窓口に行く手間がかかる
⑵口座振替
・事前に登録した口座から自動で引き落とされる
・引き落とし前日までに残高を用意する必要がある
・自分で支払いに行く必要がない(払い忘れがない)
・領収証書が発行されない
・残高が足りないと支払いができない
⑶クレジットカード決済
・専用の支払いサイトから納付する
⑷eLTAX電子納税
・eLTAX対応ソフトウェアから支払う
・利用者IDや電子証明書など事前設定が必要
・自宅やオフィスから納税できる
・領収証書が発行されない
・eLTAX対応ソフトやプラグインをインストールする必要がある決済サービス(ペイジー)
・金融機関のホームページやペイジー対応の銀行ATMから支払う
・ペイジーマークのついた納付書が必要
・自宅やオフィスからでも納税できる
・領収証書が発行されない
⑸電子マネー(nanaco、WAON)
・コンビニで支払う
・全ての自治体が対応しているわけではない
・領収証書が受け取れる
PayPayで納付できる自治体
首都圏の主な自治体を紹介します。(2022年10月時点)
⑴ 東京都=・23区内・八王子市・立川市・武蔵野市・青梅市・調布市・小平市・日野市 ⑵神奈川県=・横浜市・相模原市・平塚市・藤沢市・小田原市
⑶埼玉県=さいたま市・熊谷市・川口市・行田市・秩父市・所沢市・春日部市
⑷千葉県=・千葉市・銚子市・市川市・船橋市・館山市・木更津市
上記以外にも数多くありますが、具体的にはPayPay公式サイトで、
納付することができるかどうかを確認してください。
PayPayによって納税する手順
手順は、以下のとおりです。
1.必要な金額をPayPay残高にチャージする
2.アプリを開いて「スキャン」もしくは「請求書払い」をタップする
3.「固定資産税納付書」にあるバーコードをスキャンする
4.支払い先と金額を確認して「支払う」をタップする
基本的なやり方は、バーコードをスキャンし金額を確認して、支払いを完了させるだけです。
なお、「PayPay残高」からだけでしかできないため、必要額をあらかじめチャージしておかなければならないことに注意しなければなりません。
PayPayによる納税のメリット
ポイント還元
かつては固定資産税の納付でポイント(PayPayボーナス)が還元されていました。支払い金額の0.5%が基本付与分で、最大1.5%が還元されます。2022年4月1日以降は対象外となりました。
ただし、「PayPayステップ」と呼ばれる月ごとの条件達成度に応じた翌月の還元率のアップに関しては、「PayPay請求書払い」も引き続き対象とされます。固定資産税は納付額が大きいので、一度の支払いが10万円を超えることも珍しくありません。PayPayで納付すれば、「利用金額5万円以上」の条件をクリアしやすいため、ポイント還元率が0.5%高くなる可能性があります。
自宅にいながらにして納税
もっとも大きなメリットは、自宅から支払いを済ませられる点にあります。
通常の窓口払いであれば、金融機関やコンビニなどに足を運ぶ必要がありますが、PayPay払いなら納付書が手元にあれば、どこからでも支払いが完了します。
キャッシュレス決済のPayPay請求書払いを利用すれば、銀行やコンビニまで出向くことも
なく、いつでもどこでも、たとえば自宅でのスキマ時間にでも納税することもできますので、多忙な人にとっても重宝な納付方法です。
事前手続きは不要
PayPay請求書払いの場合、事前手続きは不要です。すぐに利用できるようになります。専用のアプリをスマートフォンにダウンロードして、支払い方法を設定しておけば、納付書をスキャンするだけで支払いを済ませられます。
口座振替などでは、専用サイトや窓口であらかじめ申し込みをしなければならないため、PayPayと比べて手続きが多くなってしまいます。
決済手数料がかからない
クレジットカードによって納税する場合には、自治体によって決済時に手数料が数百円程度かかってしまうことがあります。また、固定資産税を分納で納める場合にも、納付するたびに決済手数料がかかってしまうのが一般的です。
一方、Paypayによって納税する場合は、通常払いと分納払いのどちらを選んでも決済手数料はかかりません。
固定資産税をクレジットカードで支払う場合は決済手数料がかかりますが、PayPayによっ
て納税する場合においては、決済手数料が一切かかりません。
PayPayで固定資産税を納付するデメリット
決済は30万円までの納付書に限られる
PayPay支払いで納税できる固定資産税の限度額は、納付書1枚あたり30万円までです。
PayPay支払いでは、納付書のバーコードをスキャンして納税します。
このバーコードは、税額30万円までの納付書にしか付いていません。
税額30万円以上の納付書にはバーコードがないため、PayPay払い以外の方法を選びましょう。
支払いは「PayPay残高」のみ
納税通知書のバーコードを読み取って「PayPay残高」で支払うため、事前に銀行口座やコンビニATMからチャージが必要です。PayPayあと払いや、クレジットカードを設定したPayPayは使えません。納税通知書をコンビニに持っていって、PayPayで支払うこともできません。
領収書が発行されない
PayPayを使って納付すると領収書の発行はありません(領収日付印が押されない)。もし、領収書が必要な場合はコンビニで現金で支払うか、WAONやnanacoを使ってコンビニで支払えば領収書を受けとることができます。
また、納税証明書を使う機会はあまりありませんが、不動産売買などで必要になり、すぐに提出しなければならない場合にはPayPayで支払わないほうがよいのです。
すべての市町村に対応しているわけではない
固定資産税の課税主体は国ではなく課税対象の固定資産がある地方自治体ですので、すべての自治体がPayPay納税に対応しているわけではありません。 お住まいの自治体のホームページで必ず確認しましょう。
二重課税に注意
自分でバーコードを読み取って納付しますので、領収印のない納税通知書が手元に残ってしまうために二重納付のリスクがでてきます。間違って納付しないように、支払った納税通知書には「支払い済み」などのメモ書きをしておく必要があります。
支払い方法 | メリット | デメリット |
現金払い | ・領収書を受け取れる | ・還元などの特典はない
・窓口まで行かなければならない |
口座振替 | ・支払い忘れが起こらない | ・還元などの特典はない |
クレジットカード | ・ポイント還元がある | ・決済手数料がかかる |
電子マネー(WAONやnanacoなど) | ・ポイント還元がある
・領収書を受け取れる |
・支払金額の上限がある |
スマートフォン決済 | ・手続きが簡単
・ポイント還元率が高い |
・還元には条件が必要な場合もある |
ペイジー | ・スマートフォンやATMから決済可能 | ・ポイント還元がない |
PayPayの場合、ポイント還元がある点をクレジットカード払いや電子マネーと比較をしてみると、自分に合っている方法かどうかを見極めやすいでしょう。
クレジットカードの場合は、すでに所有していれば手続きを簡単に済ませられる半面、決済手数料がかかってしまうのが難点です。
また、電子マネーの場合は、領収書を受け取れるのがメリットですが、支払金額の上限には注意が必要となります。
具体的には2022年3月時点、WAONは5万円まで、nanacoは10万円までと上限が決められているので、一括払いなどで金額が大きくなりそうな人は、PayPayを選択するのもひとつの方法です。
ただし、PayPayでも「1枚の納付書につき30万円まで」という上限はあるので、一括払いで30万円を上回ってしまうようなら、3ヶ月ごとの分納を選択しましょう。
固定資産税には、分納と一括払いによる負担額の違いがなく、PayPay払いなら手数料もかからないので、分納をしても金銭的なデメリットは特にありません。
このように、PayPayは固定資産税の支払い方法のなかでも、比較的にメリットを得やすい手段といえます。初めて固定資産税を納付する人や、これまでの支払い方法に物足りなさを感じていた人は、新たに利用を検討してみるのもいいでしょう。
PayPayによる利用方法
PayPayによる請求書払いを利用して固定資産税を支払いました。アプリ画面を載せながら使い方をご紹介します!
1. PayPayアプリをダウンロードする
2. ホーム画面から「請求書払い」を選択
3. 請求書のバーコードを読み取る
4. 画面の表示内容を確認して「支払う」を選択
5. 支払い完了
STEP1:PayPayアプリをダウンロードする
まだPayPayを利用していない人は、スマホにダウンロードしてみましょう。
PayPayアプリはこちらからダウンロードすることが可能です。
PayPay-ペイペイ(電子マネーでスマートにお支払い)
PayPay Corporation無料posted withアプリーチ
STEP2:ホーム画面より「請求書払い」を選択
PayPayアプリ画面
「PayPay残高」からの納付になりますので、事前に必要な金額をチャージしておきます。
STEP3:固定資産税の納付書のバーコードを読み取る
PayPayアプリ画面
STEP4:画面の表示内容を確認して「支払う」を選択
PayPayアプリ画面
支払い内容に間違いがないか確認してから「支払う」をタップしましょう!
STEP5:支払い完了
出典:PayPay
【まとめ】PayPayで固定資産税を支払う方法
PayPayで固定資産税を支払う時は以下の点をチェックしましょう。
PayPayで固定資産税を支払う時の注意点
• PayPayに対応しているか確認する
• 口座振替にしている場合は停止する
• 納付書が30万円以内か確認する
• 領収書が必要か確認する
• 納税証明書が一週間以内に必要か確認する
• 「PayPay払い」の条件を達成できるか確認する
• PayPay残高が足りているか確認する
問題なければ、PayPayアプリで固定資産税のバーコードを「スキャン」して支払いま
しょう。簡単で便利ですが、ポイント還元はありませんので注意することが必要です。
支払い履歴は、「PayPay請求書払い」から確認することができます。
PayPayを活用して固定資産税の納付を簡単に済ませよう。
PayPayを活用すば、スマホ一つでいつでも簡単に固定資産税を納付することができ
ます。
ポイント還元がある・決済手数料がかからないなどメリットがありますが、領収書が発
行されないなどのデメリットもありました。
双方を理解したうえでPayPayを活用し固定資産税の納付を簡単に済ませてみては
いかがでしょうか。
ブログ:
皆の笑顔に我が笑顔あり
徳本 友一郎
- 所属会社:
- 株式会社スタイルシステム
- 所属会社のWEBSITE:
- http://www.style-system.net
- 保有資格:
- CFP(日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書:
- 初めての不動産購入で失敗しない17のチェックポイント
おすすめ記事
-
23.07.28住宅購入の税金
-
22.12.30住宅購入の税金
-
22.12.30住宅購入の税金
-
22.12.13住宅購入の税金
-
22.11.28住宅購入の税金
-
22.11.15住宅購入の税金